2017年09月22日

私が今まで日本語教師をやってきて初めて聞いた進学関係のベトナム人留学生の行動

今日本当は全く違うエントリを書こうと思ってたんですが、ウチの文法クラスのベトナム人学生のとんでもない行動を耳にし、それについて書くことにします。

つい今しがた、帰宅しようと思って支度をしていたところ、事務の方からとある報告が・・・

その方によると、「ウチのベトナム人学生が、とある専門学校のAO入試を受験した」とのことでした。

私「え?何?何?AO入試?ホンマに彼女なの?」

などと矢継ぎ早に質問し、事務の方を戸惑わせてしまうほどでした。


その報告を聞いて、


・AO入試って日本人向けなんじゃないの?

・受験したってことは、願書は受け付けられたってこと?

・そもそもなぜ彼女は今まで全く口にしてないその専門学校を受験したの?

・なぜ自分の受験に関して、進学を担当してる私に一言も言わないの?

・全く報告も相談もしないってことは、その受験で合格する自信があったってこと?


などなど、様々な疑問が私の頭の中を駆け巡りました。


そもそも彼女とは、2日前に進学面談を行っていて、その時には大学志望で受験する大学を2人で相談して決めたばかりっていうタイミングだったんですけど。


私のそれまでの彼女に対する印象は、 会話のキャッチボールができてトンチンカンな受け答えは無く、行動パターンについてもそんな突飛なことをする感じではない、というものでした。

だからこそ、今回のことには超ビックリ

まさか彼女が・・・っていう。


ただちょっとその情報に「ホンマなん?」って思ってしまうのは、ウチの事務員さんは結構多国籍で私にその情報を教えてくれたのも台湾人の方なんですが、彼の日本語は若干怪しくて正確な情報がこちらに伝わらないこともあったってこと。

こないだも、「学生がこういうことを言ってきてます。」っていうことだったからその学生のところに行って話を聞いたら、全く違う話だったことも。


☆☆☆☆☆☆☆


いや〜私もまあまあ長いこと日本語教師をやってきましたけど、こういうケースは初めてです。

今まで、勝手に出願したっていうことはありましたけど、勝手に受験したっていうのはね・・・


ぶっちゃけ今まで日本語教師をやってきて、一番行動パターンが読めず思考回路も理解不能なのは、ベトナム人留学生です。

「なぜ、そんなことしたん?」って思わされることが、一番多い気がします。


中国人でもそういう学生はいましたが、割合としてはベトナム人学生の方が多いという印象。


それと、そういう学生がベトナム語でベトナム人に何かを説明した時に、その話を聞いたベトナム人学生は「???」ってなってます。

う〜ん、どうしたもんか・・・


別件でその学生にはメールを送ったんですけど返信が無いし、事務の方も電話したけど電話に出なかったそうなので、週明けに

・まず、その行動は本当なのか?

・なぜそういう行動をしたのか?

というあたりを問い質したいです。


ホンマに謎です。そのベトナム人学生。


ほな、さいなら!


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2017年09月21日

文法クラスで1分間スピーチとLINE診断始めます

昨日のエントリの続き。

私は以前担当していたクラスで「30秒スピーチ」というのを、授業内で行なっていました。

で、あんまり成果が出たようには感じられませんでした。


そんな状況がありながら、先日のミーティングで先生方に聞かれたのが、「最終的にどういうことが学生にできるようになってほしいのか?」ということ。

これ、カリキュラムを作る立場の人は、常に考えておかないといけないことです。

それに対する私の答えは、


1 問われたことに、あまり考え込まずにトンチンカンではない答えができるようになる

2 発話意図にできるだけ近い日本語を表出できるようになる



という2点でした。


1に関しては、すっごくシンプルで一言で答えられるような質問なのに、問われてから答えるまでにものすごく時間がかかる学生が多いんです。

これはおそらく、特にベトナム人留学生がそうなんですけど、「普段日本語をアウトプットしてないから」ではないかと。

ベトナム人留学生は、クラスメイトもベトナム人でバイト先もベトナム人が多い仕事をしている確率が非常に高い上に、家賃を浮かせるために1部屋に2人で住んでいたりします。

同居しているのは、言うまでもなく同国人であるベトナム人。

つまり極端に書くと、日本で生活しているにもかかわらず、日本語を使うのは授業中に自分が指名された時だけ、という状況に陥ってたんだろうと推察されます。

その結果、普段はベトナム語を話してばかりで、たまに日本語を話さざるを得なくなった時には日本語の文を構築するのに時間がかかってしまうんです。多分。


それと、私の授業ではそうでもないんですが、曜日によっては学生に日本語を話させるのが難しいカリキュラムもあったりします。

例えば、金曜日は漢字、語彙、聴解なので、学生に話をさせようとしてもすごく無理くりっぽくなってしまうんですよね。


☆☆☆☆☆☆☆


というわけで、1分間スピーチ。


去年まで行っていた30秒スピーチは、私がテーマをその日に発表し3分くらい与えて内容を考えさせ、全員が順番に30秒以内でスピーチをする、っていう流れ。

でも、今回の1分間スピーチは少し趣が異なります。


・テーマは事前に発表

・毎日1人ずつ1分以内でスピーチをする

・そのスピーチが終了後に質問者を指名する

・指名された質問者がスピーチの内容について、1つ質問をしてスピーチをした人がそれに答える


という流れで行おうかと。


私が30秒スピーチでなかなかうまくいかないって感じてたのは、「学生が自分の発表に一生懸命になりすぎて、他の人の発表を聞いていない」ことが多かったから。

なんとなくアジア人って、自分の発表の完成度を上げることを優先しすぎて、他の人の発表から知見が得られるかも、とはあんまり思わないんですかね?


というわけで、今回は「質問者」という立場を設けて、しかもスピーチが終わってから質問者が誰なのかを発表するため、私の希望的観測では皆が真剣にクラスメイトのスピーチを聞くようになるのではないかな?と思っているわけです。

まあでも、文法クラスの学生たちは皆仲が良く、そんなことしなくても他の人のスピーチを真剣に聞いてくれるような気もします。

ただ、ウチのクラスの学生って、「分からないことをそのまんまにしてきてしまい、その結果日本語能力が低くなってしまっている」ように思えます。

だから、クラスメイトの発表の中に「分からない」部分が当然出てくると思うんですが、「自分が分からないことをハッキリさせ、それをわかるようになるために質問をする」っていう経験をしてもらいたいんです。

これって、将来的に超必要になってくることのように思います。

それともちろん上記でも書いたように、質問された側もあんまり考え込まずにできるだけ即座に答える練習にもなります。


☆☆☆☆☆☆☆


それと、LINE診断は日頃から学生に、日本人から送られてきたLINEの日本語がどういう意味か聞かれるんですが、「じゃー自分たちはどういうメッセを送ってるんだろう?」と疑問を持ちました。

彼らは普通のメッセージだと思っていても、相手の日本人は「めっちゃ失礼!」って思って怒っている可能性もなくはないかな、と。

なので、彼らが送ったLINEメッセージをプライバシーを侵害しない範囲で、「文法的には間違ってないけど、こう書くとこういう印象を持たれるよ!」っていうようなアドバイスをしていけるような授業が行えればいいなって、考えてます。


このような授業も、ぶっつけ本番になりそう。


実際にどういう授業になったかっていうのは、またこのブログで報告しようと思ってます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 20:20|PermalinkComments(0)授業内容 | スピーチ

2017年09月20日

私達がやろうとしてる、多分今までどこの日本語学校もやったことがない漢字の授業

今日、私が文法を担当してるクラスのミーティングがありました。

で、このエントリ(→またまた非常勤のベテラン教師のおかげで、漢字の授業の進め方に光が!) にも書いたように、「漢字の教科書に載っている語彙は語彙の授業で行い 、漢字の授業は漢字だけに特化する」ことになりました。

で、今回のミーティングは具体的にどのように授業を展開するかと、それぞれの先生同士の擦り合わせと確認のために行いました。 

あ、それからついでに学生の進学関係の進捗状況の説明も行いました。

その辺りはブログで書くとマズいので詳細には書きませんが、ほとんどの学生が「自分は何がしたいのか?」ということがハッキリしてます。

良い傾向。


で、本題の漢字の授業の進め方へ。


私も含めて、このクラスを担当してる先生は全員、漢字の授業のうまい進め方を考えあぐねてました。

決して「漢字マスター N2」という教科書が悪いわけではなく、私達教師の使い方に問題があったというか、「これだ!」っていう使い方が分からないままここまで来てしまったカンジ・・・


特に語彙の部分

これが、N2になってから急に高度になっていて、その語彙の意味や使い方を教えるのにイッパイイッパイになってしまってました。

漢字圏の学生だけならそれでもまだいいんでしょうけど、100%非漢字圏のクラスでそれをやってしまうと、肝心の「漢字そのもの」を教えるのに十分な時間が取れなくなってしまうっていう状況に・・・


急に高度になるっていうのはどういうことかというと、例えば「貨」という漢字の語彙として挙げられている「外貨」。

これ、「外貨預金」であればそのシステムを説明すれば、大体の学生は理解してくれます。

ところが、コロケーションを教えようと思って「外貨を・・・」というのを出してしまうと、「外貨を獲得する」という動詞が出てきます。

この概念って、難しくないですか?


あとは、実際にそこまで教えるかどうかは別にして、「外貨準備高」とかになると学生の理解を超えてしまいます。


そして、今回のミーティングで私たちがやろうとしている、多分今までどこの日本語学校もやったことがない漢字の授業というのが、「具体の世界から抽象の世界へ、学生をジャンプさせるような授業。

外貨の例で考えると、「外貨」そのものや「外貨預金」は具体の世界の範疇で、「外貨を獲得する」とか「外貨準備高」は抽象の世界の範疇に存在します。

基本的にこの文法クラスの学生は、今までは目で見えるモノを中心とした「具体の世界」しか知らなかったんです。

そして、N2になると「具体の世界」とのギャップが顕著になってしまってる、っていう状況に彼らは陥ってたわけです。

いわば、具体の世界と抽象の世界の間に川が流れていて、その川を向こう岸の抽象の世界に届くように学生をジャンプさせる必要があります。

そういう授業をしよう!ということで、私たちの意見はまとまりました。

今日は、私以外にA先生(私のブログによく出てきてる、インテリでベテランの先生)とB先生(教授歴は長いけど、ウチの学校には今年度からっていう先生)で話してて、


A先生「そうはいうものの、具体的にどんな授業やったらエエんやろ?」

私「難しいですねぇ〜」

B先生「う〜ん」

一同「・・・・・」


という頼りない私たち。

具体的な方法論は分からずじまい。


ただ、私たちが今まで行ってきた漢字教育からは、パラダイムシフトをしないといけないよねっていう認識は共有できました。

そのためには、今までとは異なる視点で教師が考えないといけない、っていうことに。

その時に出てきた例が、「飲む」という漢字。

一般的な「飲む」だと、

・水を飲む。
・酒を飲む。
・薬を飲む。(←これは、学生の母語によっては「薬を」の次に来る動詞は「食べる」に当たる動詞を使う言語があるので、ちょっとだけ注意が必要。

になり、複合動詞の「飲み込む」とかも

・大きめの錠剤をやっと飲み込んだ。
・クジラが人間を飲み込んだ。

までだと具体の世界ですが、

・彼はやっとコツを飲み込んだ。

だと、抽象の世界になります。

どうしてこうなるのか、っていうことを教師が考えないといけないよね、っていうことで意見がまとまりました。

でもこれってすごく難しくて、今までのようなやり方の方が遥かに楽チンです。

しかし、敢えてこういう思考を入れていこうっていうことになりました。

この辺りて、私たち日本語教師が避けてきたっていうか、考えることから逃げてきた部分なんじゃないですかね?


で、具体的な授業の進め方は、スタートしてから考えればいいと考えてます。

とりあえずスタートしてみて、自分が展開する授業の中で模索しながら気づいていけばなんとかなる的な、楽観的な考えを私は持ってます。

甘いと言われるかもしれませんが、始めてみないことには分かりませんし。


そして、私たちは毎日の漢字の授業では漢字に特化した授業を行いながら、「この部分は語彙の授業で取り上げて欲しい」と思った語彙に関しては、語彙を担当してる先生に引き継ぐ予定。


それとこれに関連して、私の授業で「普段の生活で気になった日本語(漢字語彙)を、学生に発表させる」というのも行おうかと。

その際に、表記されている日本語だったら、それを写メに撮って来るのもOKにします。


因みに、語彙を担当してる先生の考えている到達目標は、「作文や小論文、あるいはスピーチで、習った語彙を使えている」ことだそうです。


☆☆☆☆☆☆☆


こういう視点での漢字の授業って、多分今までどこの日本語学校でもやってこなかったんじゃないかと思います。


今の段階では、こういう授業がどうなるかっていうのは分かりませんが、成功事例になれば他の学校の先生のお役にも立てるんじゃないかな?と、希望的観測をしているところです。


とりあえず、私が前々から読もうと思っていたこちらの本を購入しました。



留学生への日本語の授業にどれだけ役立てられるかは分かりませんが、読んでみて有益だったらまたブログで紹介します。


あと、漢字や語彙以外にも私では思いつかないような授業のアイデアも出たので、明日はそれについて書こうと思ってます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 15:49|PermalinkComments(0)授業内容 | 漢字