2018年04月21日

第41回 日本語教師勉強会 リアル留学生参加型模擬授業の良さが生かされた

第41回 日本語教師勉強会も無事終了。

今回は私が忘れていたのとどの学校も始まったばかりということもあり、Google Classroom でフリートークの内容を書いてもらいませんでした。

なので、以前のようにその場でフリートークの内容を提示してもらうことに。

ただ、今回は日本語そのものというよりも学校の業務周辺の内容などが多かったので、特にここでは取り上げません。


 ☆☆☆☆☆☆☆


で、急遽模擬授業を引き受けてくださった先生の授業へ。

私は事前に3つの文型を提示し選んでもらうってことにしていて、先生は2つの文型の授業をやってくださるとのことでした。

その3つの文型というのは

  1. 〜ば〜ほど
  2. 〜に違いない
  3. 〜てならない

で、この中の2と3を導入してもらいました。 


今回模擬授業をど担当いただいた先生が優しくてふわっとした雰囲気をお持ちのためか、学生は非常にリラックスして授業を受けているように見えました。

私が授業を担当したとはいえ、初回は初対面の先生が多かったせいか超緊張してたんですけどね。

まあでも、私が学校でしてた文法の授業中の様子とは100%同じとは言えないまでも、かなりそれに近かったように思います。

まだちょっと猫かぶってるっていうか、私の授業ではもっと自由に「言いたいことを言いたいタイミングで言う」ってことをしてました。


模擬授業終了後、私はまず学生に感想を質問。

予想通り「分かりやすかったです。」とのこと。

 次にご担当くださった先生に感想をお聞きしたところ、「あまり違和感がなかったです。それと、最初文をコーラスした時に学生は戸惑ってた様子だったけど、授業が進むうちにそれに慣れてこちらの意図を汲み取ってくれるようになったから、やりやすかったです。」と言うことでした。

私、ここがポイントの1つだと思っていて、「学生が教師の指示の意図を汲み取ることができるかどうか」って、かなり授業そのものの質を左右すると考えています。


あと特筆すべき、そしてそれを見ていた先生方がビックリされていた授業直後の学生の行動が、「何人かの学生が授業で聞けなかった、あるいは聞きそびれたことを模擬授業であるにもかかわらず個人的に聞きに行ってた」こと。

模擬授業だったってことは置いておいても、私はわりと彼らのそういう行動には慣れていたのであまり驚かなかったんですが、先生方にはまあまあ意外な行動のようでした。


その後、見ていた先生からの質問や感想タイムへ。

ここで、お2人の先生から質問が出ていて、その質問はまさに私が後で説明しようと思っていた内容でした。

私の作業が省略できて、良かったです。

一応、もうちょっと掘り下げて考えてもらうようにしたりもしましたけど。


ここで、akky が感じた

リアル留学生参加型模擬授業の良さ


について書きます。


1 日本語教師が推定した「留学生の反応」ではなく「ナマの留学生の反応」に接することができる


これは基本ですかね〜

どうしても日本語教師が学生役をやると、自分が接してきたり現在接している学生の言動などから、「おそらく留学生ならこう反応するだろう」と推定して反応をします。

なので、どうも嘘っぽさが漂うんですよね。

それと、先生が接している学生がどんな学生かによって、反応がバラバラになったりします。

どういうことかというと、例えば「超優秀な中国人ばっかりの上級クラス」を担当してる先生と「非漢字圏オンリーのなかなか理解してくれない初級クラス」とでは、それぞれの先生が想定する学生の反応が大きく異なります。

もちろんご経験が長ければ平均的な学生像を想定することもできますが、細かい部分で上記の部分が影響されることもあります。
 

2 日本語教師が思いつかない間違いが出てくる


これ、今日すごく思いました。

例えば、留学生を装ってる日本語教師って、自分が敢えて間違えようと思って考える間違いって第1段階で終わりです。

例えば、文の動詞の活用形だけを間違えるとか、助詞だけを間違えるとか。

今日彼らの1人が言ってたのが、正確な文は忘れましたが連体修飾の部分で「私が昨日の買う本」みたいに2段階で間違えたりしてました。

今日は他にもそういう誤用がたくさん出てきてました。 

なんとなく、「テンス/アスペクト」と「助詞」か「活用形」っていう組み合わせが多かった!


3 発話意図の重要性に気づける


これは特に、今日参加してくれた留学生が「言いたいことを持っている」人たちだからなのかもしれませんが、やっぱ発話意図って重要だなと再確認。

他にもあったんですけど、私が今日気になったのは「〜てならない」の導入のディスコースの部分で、犬を飼ったことがあるベトナム人男子に、

先生「犬は可愛いですか?」

ベトナム人男子「可愛いけど、くさいです。」

と言ったんです。

まああまり意味はないのかもしれなかったんですが、この答えの後半部分で彼は何が言いたかったんだろう、と疑問に思いました。

彼は盛り上げ役になることが多く、 ただウケるだろうと思って付け足しただけなのかもしれませんが、こういうに教師にとっては「余計」に思える情報を付加するのには何か意図があるのかな?と最近私は気になってきてます。

そして意外と、そういうところに重要性が隠されているような気もします。


また、彼らのリアル世界でも新しい進学先に入学したてということもあり、先生が「新しい学校に入ったばかりの時の気持ちはどう?」と質問すると、ベトナム人女子が「心配でならない」と答えました。

で、先生は「それは心配じゃなくて、不安ですね」と言うと、その学生も「あ、そーだった!」って様子で言い直してました。

こう言う時には、発話意図の重要性を学生に気づいてもらえるチャンスでもあります。 

なので、先生は正しく修正して学生も元々知っていたから今回の先生のやり方は良いと思うんですが、もっとわかってない学生で私が修正するとしたら、

私「何が特に心配なんですか?」

学生「これっていうのは無くて、なんとなく心配です。」

私「そういう時は、心配じゃなくてどんな言葉を使うんだったっけ?」

という感じで、あくまで教師はヒントを与えて学生自身に気づいてもらうようにします。

そうすることで、「発話意図とズレた言葉を使うとうまく伝わらない」という重要性に、彼ら自身に気づいてもらいやすくなります。

あとはそれを積み重ねて貰えば、良い方向に行くのではないかなと。


☆☆☆☆☆☆☆


今日は、彼らが新しい学校に入学してから最初に再会した日でもあるので、多分彼らには話したいことがたくさんあるだろうと思い、勉強会の後に昼ご飯を食べる提案を予めしてました。

で、模擬授業前に昼からの予定を彼らに確認したところ、ほとんどの学生が空けていて唯一バイトが入ってる学生は店長にシフトを変更してもらい、全員で食べに行くことに。

私「話したいこといっぱいある?」

学生「ありすぎて、全部話しきれないかも」

って言ってました。

この「〜きれない」も私が教えた文型で、ちゃんと使ってました。エライエライ。


この後積もる話や現在の日本語の勉強や学校の様子などたくさん話してくれたので、それはまた別エントリで書きます。


☆☆☆☆☆☆☆


次回は一応、5月19日(土)の予定です。

ただ、この日は大淀コミュニティーセンターの会議室が全部塞がってたので、場所は未定です。

今から色々調べるつもりなんですが、状況によってはもしかしたら開催日程が26日になるかもしれません。


それと、欠席する先生の人数が予めはっきり分かっている場合に、その人数分程度の範囲内で、今はストップしてる「新規参加」を希望する方がいたら来ていただけるようにします。

なので、そういう方がいらっしゃったら私にご連絡ください。


ほな、さいなら!


日本語ランキング 

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote

2018年04月19日

今年度の文法クラスの学生、日本語能力相当伸びるかも

今年度から始めた文法と読解の融合なんですけど、今日担当した読解の文章にはさほど文法的な説明が必要な部分がありませんでした。

というわけで、これらの融合とは別途でいわゆる日本語教育の「文法」の授業も行うことに。

前回は「助詞」の授業を行い、個人差はありますが概ね「ひどい理解」っていうのはありませんでした。

まあ外国人留学生がよくやってしまう間違いは、案の定できてませんでしたけど。


で、今日の授業は「は」と「が」。

その旨を授業が始まる時に伝えると、苦笑いがあちこちで漏れてました。


いつものように「初級文法 ポイント20」を使っているのですが、




とりあえず問題1〜問題3までやらせてみて、答え合わせをしながら解説という流れにしました。

何人か早くできた学生がいたので、彼らには私が席まで行ってチェック。


私は、既に「は」も「が」も習ってるはずの学生に説明する時には、決まった流れで授業を行います。


まず、「は」と「が」の違いは何か?聞きます。


すると予想通り「強調」という答えが・・・


やっぱり分かってませんでしたね、って確認をした後、


1 あの人田中さんです。     2 あの人田中さんです。


という2つの文がどう違うのか考えてもらいます。

色々出てきましたけど、どれも的外れ。

想定内ですけど。


で、次に、上記のそれぞれの文が「質問に対する答え」だと仮定し、その質問文はどうなるか?を考えてもらいます。


1 の「が」の文の質問文は、マジで出てきません。

「日本語初歩」で初級を教わった学生は別ですけど。


今日出てきたのは、

  • あの人は誰ですか。
  • あの人は田中さんですか。
  • 田中さんが誰ですか。

などなど。

ここまでも想定内です。

ところが、こんな答えが出てきました。

  • どれが田中さんですか。

どれって・・・とは思いましたけど、かなり近づきました。

ちなみにここまでノーヒントです。

「田中さんはモノではありません。」と突っ込むと、来ました正解!

どの人(かた)が田中さんですか。

これが正解ですね〜


さらに、

私「どういう状況でこの質問をすると思う?」

学生「田中さんの名前は知っています。でも顔が分かりません。」

これもほぼ正解。


素晴らしい!


これだけでも、今までの学生とはかなり違います。


ちなみに、2の「は」の質問文はすんなり出て来ました。


この後、最も基礎的な「は」と「が」の違いを3つ説明。

なぜかというと、問題1はこの3つだけで全て説明できるからです。


そして、問題2の答え合わせ&説明に移ることに。

で、1問目が、


1. ビールはあの人(が  は)飲んだんです。


っていう、「が」か「は」を選ぶ問題でした。


これは、いわゆる「主題化」ですね〜

本来であれば「あの人はビールを飲みました。」となる文章の「飲む」の目的語である「ビール」を主題にしたっていうパターン。


主題化の前に「主題とは何か?」の説明から。

そこで、

1 ABと同じです。     2 AとB同じです。

の違いから。

これ、確か日本語初歩に出てたように記憶してます。

あ、「違いは何か?」っていう出方じゃなくて、普通にしれっと文章の中に出て来ただけなんですけど。

パッと見て分かるのは「は」の位置が違うってことなんですけど、それは何を意味しているかってことを学生に問いました。

そしたら、結構すんなり正解が出たんです!


素晴らしい!


この質問、どんなにヒントを与えても今まで私が教えた学生は正解にたどり着けず、ほんでまたこちらが正解を説明してもキョトンってリアクションがほとんど。

今回も私は質問の仕方に工夫を加えましたが、それだけで答えられた学生は今までほぼいません。


もしかしたら新人の日本語教師でも答えられないかもしれない質問に、よくぞ答えられました。


そしてこれは、今年度の文法クラスの何人かは日本語の文の構造や成り立ちを理解してる、ってことなんじゃないかな、と。

またそれは、今後の日本語の文法や文型の理解を助けることに繋がり、そのことが日本語能力を伸ばしてくれることになるんじゃないか、と期待してやみません。


いや〜年度がスタートしたばっかりのタイミングで、嬉しい発見です。


私もこのことを授業に反映させられるように、授業展開や内容を考えていく所存です。


ほな、さいなら!


日本語ランキング

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote
akky_san at 19:00|PermalinkComments(0)留学生 

2018年04月18日

第41回 日本語教師勉強会を行います

第41回 日本語教師勉強会を行います。


場所:大淀コミュニティセンター

日時:4月21日(土) 10:00〜12:30


内容は未定です。

が、しかし、模擬授業は行うことになりそうです。

まだ詳細は決まっていません。


これは、現在こないだ来てくれた留学生に参加できるかを
問い合わせているのですが、まだ返事待ちの状態だからです。


ただ、模擬授業をご希望の先生がお一人いらっしゃるので、
それは実現したいと考えています。


また、色々と決まり次第、報告できたらと考えています。


それから、akky 文庫も色々持っていく予定にしています。


ほな、さいなら!


日本語ランキング

このエントリーをはてなブックマークに追加 Clip to Evernote