文法積み上げの初級クラスで文法の確認手段になりがちな作文授業何年経っても akky が手に入れられない、教師に重要なスキル

2017年11月14日

宿題の文作りが上手くなってくるにつれて、私に宿題の難易度を上げられてしまう学生たち

文法クラスでは、その日に教えた2級文型を使って文を作ってくる、という宿題を出しています。

それで最近感じるのは、「目に見えて上手くなってきている」ってこと。

やっぱり2級を教え始めた頃より、かなりその文が高度になってきてます。

私、学生の文作りは一応コピーして取ってあるんですけど(後々、スキャンか打ち直してデジタルで保存する予定)、2級に入ったばっかりの頃は、例えばこんな感じ。


「〜て以来」

・彼氏と別れて以来、彼には会っていない。

・日本に留学して以来、マンゴーを食べていない。


「AはBほど〜ない」 

・沖縄ほどきれいなところはない。

・ゾウほど大きい動物はいない。


「〜ばかりに」

・寝坊したばかりに、試験に参加できなかった。

・復習しなかったばかりに、大学に入れなかった。


「〜おそれがある」

・大雨が続くと、洪水が起きるおそれがある。


これらの文を読んだあなたは、どう思いますか?


私の感想は、「うん・・・まあ文法的には正しいんだけど、全く面白みが無くて無難にまとめた感ハンパないし、わざわざその文型を使わなくても言えることだよね。」と感じました。

特に「〜ばかりに」は思いもしないことが意外な(良くない)結果に繋がってるっていうニュアンスが必要になりますし。


まあ、「どんな文型でも何が何でも奇をてらえ!」とまでは言いませんが、もうちょっとチャレンジングな姿勢で宿題に取り組んでもイイんじゃないの?、とは思いました。

その結果間違っても、何の問題もありません。

むしろ私は、宿題は間違えるために存在するとさえ考えています。

もちろん自らわざわざ間違えるために文を作る必要はありませんが、宿題で間違ったとしても私のフィードバックによって何をどう間違えたか気づくことができるし、じゃーその文型でどうすれば正しく文を作れるかっていう方策をゲットできるわけですし。


☆☆☆☆☆☆☆


ところが、ここのところ様子が変わってきました。


で、どう変わってきたのか書く前に、ちょっとここまでの文作りの宿題をどのようにしてきたか、っていうおさらい。

まずはこちらのエントリ(→2級文型の文作りの宿題について、私が考えてるアイデアのメリット6つとデメリット1つ)のように、形式を指定して文作りをさせました。

すると、学生からこのような形(→2級文型を使って文作りの宿題を出したら難しすぎたらしく、作った文を通して学生から抗議された)で抗議されました。

だからというわけではないんですが、学校のPCの調子が悪く私が作ってきた宿題用のプリントがなぜかプリントアウト出来なくなったため、「自由に文を作る」ということにしました。

これが、学生にとってはより難しくなったらしく、一応提出はちゃんとするんですがその提出に時間がかかるようになってしまいました。


つまり、「自由に文を作る」という作業は私が指定した形で文を作るのに比べて、彼らにとっては難易度が上がったってこと。


ところが、今日のことです。

今日も前回の文作りの宿題を受け取ったんですが、以前と比べると高度な文が書かれていました。

しかも、明らかに自分で考えて作った文であり、どこかからパクってきたものでもありません。

例えば、


「〜ということだ」

・日本ではお米の値段が高いということだったので国のお米を20キロ日本に持ってきたが、実際は違った。

・ある調査の結果によると、未来(←将来)沢山人々の仕事がなくなるということだ。

・天気予報によると、今日の午後雨が降るということですが、出かけるときに傘を忘れたので、新しい傘を買うしかない。

(この文には「〜しかない」も含まれているんですけど、この文型もちょっと前に教えたものであり、これを書いた学生はそれと一緒に使ったってこと)


「〜まい(打消推量&打消意志)」

・iPhoneX は見るまい。見ると買ってしまう。

・そのレストランの料理はメッチャ不味かったから、二度と行くまい。

・親に(←を)心配させまいと思って、1ヶ月(前に)失業したことは知らせなかった。


これ、どう思いますか?

私は、「え?急に皆どないしたん?何かあったん?」と思いました。


文が相当高度になってるって思いませんか?

特に最後の文なんか、「使役 + まい」ですから。

まあ、私が出した例文の中にそういう文が含まれてはいたんですが、それをアウトプットできるってスゴすぎる・・・

まあ、助詞とか細かい部分は間違っちゃってるんですが、概念は理解して運用してるってことなんですよね。


私には、何が作用したのかは分かりませんが、明らかに上手くなってきたなと率直に感じました。


というわけで、難易度上げます。


どう上げるかというと、「できるだけ5W1Hで文を作る」という指示をしたんです。


以前書いたエントリ(→ウチの学生の小論文の分かりにくさの原因の7割以上が「情報不足」!ってことでワークシート作成)でもそうなんですが、圧倒的に情報が足りない文を書く学生が多いです。

例えば、今の文法クラスが書いてきた文では、


・私は◯◯さんほど上手ではない。(←何が?)

・食べられないほど幸い(←辛い)。(←何が?)

・先輩がやった通りにやってください。(←何を?)

・漢字が読めるように、毎日練習している。(←どのように?)


といったものが出てくることがあります。

なので、こういう文を作るのを未然に防ぐために上記の指示をしたわけです。


さあ、この指示がどのように学生の文作りの宿題に影響していくんでしょうか?


非常に楽しみでもあり、不安でもあります。


もしあまりにも高いハードルだったら、また考えようと思ってます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 20:47│Comments(0)授業内容 | 文法

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