2018年03月07日
Reading Skill Test で問われる能力を養えるか? akky が選んだ読解問題集
昨日のエントリ(→私が、Reading Skill Test を日本語学校にも導入したほうがいいと思う理由 新井紀子著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」)とも関係しますが、 Reading Skill Test で問われる「係り受け」は、今まであまり日本語教育では注目されてこなかった概念です。
一般的な文法積み上げのシラバスでは、助詞や活用形あたりからスタートし、「主語と述語」、「修飾語と被修飾語」などの係り受けの概念はあまり授業で強調されることはありませんでした。
実は私は、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を読むまでは、助詞などの前にこれも従来の日本語教育ではあまり注目されていない「語順」と「品詞」を文法項目で扱おうと思っていました。
でも、その前に「係り受け」が必要と思い直し、そういう問題が掲載されている問題集を探していたところ、ラッキーなことにこれらの教材を発見!
この
今日、この教材を日本語学科の先生にお話ししたところ、「旧版を私も持ってる」っておっしゃってたので、もしかしたらメジャーなんですかね?
私がこの教材を選んだのは、「主語と述語」、「修飾語と被修飾語」などの文の構造が視覚的に明示されているから。
こんな感じです。
分かりやすくないですか?
これは、主に「主語と述語」に主眼が置かれていますが、こういうものもあります。
こちらは、「修飾語と被修飾語」です。
ただ、日本語教師としては①の問題は「白くて」にしてほしい、とも思ったり。
これをさらに発展させた良問がこちら。
おそらく、留学生は間違えまくります。
例えば、比況の「ような」で留学生がよくやってしまう間違いとして、
っていう文があった場合、◯に入るのは「な」だと考える人が多いんです。
「鳥のような空」ってどんな空やねん!とツッコみたくなりますが、これも「被修飾語」が何かが分かっていないための誤用です。
さらに、
なんて文になると、難易度はさらにアップします。
あとは、こういう問題ももしかしたら「具体例同定」に関係してくるかも。
いかがでしょうか?
それから、私が良い問題と思ったのがこちら。
これはどちらかというと、(2)は「因果関係」が分かるかどうかを問うていて、(3)では日本語教育的に見ると文型である「A どころか B 」の意味を知っているかどうかを問う問題です。
☆☆☆☆☆☆☆
一方、日本語教育関係の教材がこちらです。
必ずできる!JLPT「読解」N3
今まで見たJLPTの読解教材の中で、一番ウチの文法クラスに合いそうな教材だと考えています。
これなんか、同義文判定の範疇に入りそうです。
これ、留学生はできそうでできないんですよね・・・
あと、留学生対象のテストでは、同義文判定によく二重否定が使われたりします。
例えば、
なんていう問題です。
それから、この問題も素敵。
どうでしょう?
これは Reading Skill Test の項目に該当するものがあるかどうかは分からないのですが、「語彙の多義性」と「文脈による語彙の意味づけ」といったところですかね。
☆☆☆☆☆☆☆
とりあえず、 Reading Skill Test で問われるスキルを養えるかも、と私が期待して導入しようとしてる教材をご紹介しました。
意外と、読解の授業をどうしようか悩んでいる先生は多いんじゃないかと思います。
どこかの誰かのお役に立てればいいな、と思って。
ほな、さいなら!
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一般的な文法積み上げのシラバスでは、助詞や活用形あたりからスタートし、「主語と述語」、「修飾語と被修飾語」などの係り受けの概念はあまり授業で強調されることはありませんでした。
実は私は、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」を読むまでは、助詞などの前にこれも従来の日本語教育ではあまり注目されていない「語順」と「品詞」を文法項目で扱おうと思っていました。
でも、その前に「係り受け」が必要と思い直し、そういう問題が掲載されている問題集を探していたところ、ラッキーなことにこれらの教材を発見!
この
出口汪の新日本語トレーニング(上下巻)
は、日本語を母語とする小学4年生以上の学習者が対象。今日、この教材を日本語学科の先生にお話ししたところ、「旧版を私も持ってる」っておっしゃってたので、もしかしたらメジャーなんですかね?
私がこの教材を選んだのは、「主語と述語」、「修飾語と被修飾語」などの文の構造が視覚的に明示されているから。
こんな感じです。
分かりやすくないですか?
これは、主に「主語と述語」に主眼が置かれていますが、こういうものもあります。
こちらは、「修飾語と被修飾語」です。
ただ、日本語教師としては①の問題は「白くて」にしてほしい、とも思ったり。
これをさらに発展させた良問がこちら。
おそらく、留学生は間違えまくります。
例えば、比況の「ような」で留学生がよくやってしまう間違いとして、
- 私は鳥のよう◯大空を飛びたい。
っていう文があった場合、◯に入るのは「な」だと考える人が多いんです。
「鳥のような空」ってどんな空やねん!とツッコみたくなりますが、これも「被修飾語」が何かが分かっていないための誤用です。
さらに、
- 私は鳥のよう◯自由に大空を飛びたい。
なんて文になると、難易度はさらにアップします。
あとは、こういう問題ももしかしたら「具体例同定」に関係してくるかも。
いかがでしょうか?
それから、私が良い問題と思ったのがこちら。
これはどちらかというと、(2)は「因果関係」が分かるかどうかを問うていて、(3)では日本語教育的に見ると文型である「A どころか B 」の意味を知っているかどうかを問う問題です。
☆☆☆☆☆☆☆
一方、日本語教育関係の教材がこちらです。
必ずできる!JLPT「読解」N3
今まで見たJLPTの読解教材の中で、一番ウチの文法クラスに合いそうな教材だと考えています。
これなんか、同義文判定の範疇に入りそうです。
これ、留学生はできそうでできないんですよね・・・
あと、留学生対象のテストでは、同義文判定によく二重否定が使われたりします。
例えば、
- 彼はあまり料理をしないが、料理ができないわけではない。
なんていう問題です。
それから、この問題も素敵。
どうでしょう?
これは Reading Skill Test の項目に該当するものがあるかどうかは分からないのですが、「語彙の多義性」と「文脈による語彙の意味づけ」といったところですかね。
☆☆☆☆☆☆☆
とりあえず、 Reading Skill Test で問われるスキルを養えるかも、と私が期待して導入しようとしてる教材をご紹介しました。
意外と、読解の授業をどうしようか悩んでいる先生は多いんじゃないかと思います。
どこかの誰かのお役に立てればいいな、と思って。
ほな、さいなら!
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