2018年04月12日
akky も初めて試みる、日本語学校では無理っぽい文法と読解が融合した授業
今年度から、色々とまた試みていることが色々あります。
その1つが文法と読解の融合。
そう書くといかにも大したことのように思われるかもしれませんが、要は従来型の文系積み上げの総合教材の進み方とは反対にしてみただけなんです。
どういうことかというと、従来型の総合教材って本文がありその本文の中に出てくる語彙や文型を導入してから本文を読み解くっていう順序でしたが、初めに導入をすることなく本文を読み進めていき、内容理解の確認をする上で文系や文法を導入して行くっていう順番。
ちょっと分かりにくいですかね。
例えば、このエントリ(→私が、Reading Skill Test を日本語学校にも導入したほうがいいと思う理由 新井紀子著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」)に出て来た冒頭の文章の解説です。
この授業は日本留学試験(EJU)の読解対策の授業なんですが、とりあえず10分で5問解かせてから答え合わせと解説という流れという前提です。
この文章の中の「火を消すには」の「に」があります。
ここをまず問うてみました。
私「この『に』の文法的な意味は何?」
学生「強調です。」
出ました、強調!
この「強調」って魔法の言葉で、強調って言っておけばお茶を濁せるだろうっていうのが、学生側にも教師側にもあるような気がします。
私が強調だと考えてるのは、「こそ」くらいなんですけどね。
それから、次の文章。
これ、どうですかね?
もしあなただったら、どの部分を学生に問いますか?
私の問いは、「客がドライバーと相談している時に、その客はどこにいるか?」です。
もっと噛み砕いて書くと、その時に客はバイタクに乗ってるのか、あるいはまだ乗ってないのか、って部分。
この部分が分かってなくても、問題から正答を導き出すのにはあまり影響が無いんですが、あくまで今の段階では正答率を上げるよりも文章をいかに正確に把握できるかに重点を置きたいので、こういう問いかけをしてるわけです。
また、こんな部分も問うてみました。
これは、対比が分かってるかどうかです。
今日はそこまで深堀りしませんでしたが、「対比」と「比較」の概念を混同してる学生もまあまあの確率でいたりします。
☆☆☆☆☆☆☆
このように、
実際の文章を読んでいくという作業をしていて、文法の理解が不正確だとどんな不利益があるのか
を分かって欲しいのと、学生によってその理解の正確さと妥当性にばらつきがあるので、敢えて読解問題でその文法を再導入しようという試みです。
なので必然的に、日本語学校では初めて導入をする局面がほぼ全てなので、こういうアプローチは無理っぽいです。
これは、理解度は別にしても一応習ったことがある学習者にしか使えない手法だからです。
まあ、この手法が効果的なのかそうでは無いのか、まだ分からないんですがとりあえずこの流れでやっていこうと考えています。
ほな、さいなら!
日本語ランキング
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その1つが文法と読解の融合。
そう書くといかにも大したことのように思われるかもしれませんが、要は従来型の文系積み上げの総合教材の進み方とは反対にしてみただけなんです。
どういうことかというと、従来型の総合教材って本文がありその本文の中に出てくる語彙や文型を導入してから本文を読み解くっていう順序でしたが、初めに導入をすることなく本文を読み進めていき、内容理解の確認をする上で文系や文法を導入して行くっていう順番。
ちょっと分かりにくいですかね。
例えば、このエントリ(→私が、Reading Skill Test を日本語学校にも導入したほうがいいと思う理由 新井紀子著「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」)に出て来た冒頭の文章の解説です。
この授業は日本留学試験(EJU)の読解対策の授業なんですが、とりあえず10分で5問解かせてから答え合わせと解説という流れという前提です。
この文章の中の「火を消すには」の「に」があります。
ここをまず問うてみました。
私「この『に』の文法的な意味は何?」
学生「強調です。」
出ました、強調!
この「強調」って魔法の言葉で、強調って言っておけばお茶を濁せるだろうっていうのが、学生側にも教師側にもあるような気がします。
私が強調だと考えてるのは、「こそ」くらいなんですけどね。
それから、次の文章。
「バイタク」に乗るとき、お客は行きたい場所をドライバーに言って、料金をドライバーと相談して決めます。
これ、どうですかね?
もしあなただったら、どの部分を学生に問いますか?
私の問いは、「客がドライバーと相談している時に、その客はどこにいるか?」です。
もっと噛み砕いて書くと、その時に客はバイタクに乗ってるのか、あるいはまだ乗ってないのか、って部分。
この部分が分かってなくても、問題から正答を導き出すのにはあまり影響が無いんですが、あくまで今の段階では正答率を上げるよりも文章をいかに正確に把握できるかに重点を置きたいので、こういう問いかけをしてるわけです。
また、こんな部分も問うてみました。
チリでは食堂の席に座るとすぐ、近くの人とおしゃべりが始まります。でも日本ではそんなことはありません。
これは、対比が分かってるかどうかです。
今日はそこまで深堀りしませんでしたが、「対比」と「比較」の概念を混同してる学生もまあまあの確率でいたりします。
☆☆☆☆☆☆☆
このように、
実際の文章を読んでいくという作業をしていて、文法の理解が不正確だとどんな不利益があるのか
を分かって欲しいのと、学生によってその理解の正確さと妥当性にばらつきがあるので、敢えて読解問題でその文法を再導入しようという試みです。
なので必然的に、日本語学校では初めて導入をする局面がほぼ全てなので、こういうアプローチは無理っぽいです。
これは、理解度は別にしても一応習ったことがある学習者にしか使えない手法だからです。
まあ、この手法が効果的なのかそうでは無いのか、まだ分からないんですがとりあえずこの流れでやっていこうと考えています。
ほな、さいなら!
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