2018年06月05日
通常の設問とは逆方向からのアプローチで、学生にやっと分かってもらえた「接続詞の重要性」
今日、留学試験対策の読解(教材はこちら → 超古いのにRTSテストに近いスグレモノ「チャレンジ 日本語〈読解〉」)をやっていた時のことです。
この問題集の彼らにやらせてた問題の設問は、接続詞で通常問われる
文章の中の空欄部分に、適切な接続詞を入れる
っていう設問。
この時に、あまりにも学生がスマホを触っていたのが目立ってたので、
私「今調べてるのって、接続詞の意味?」
って聞いたところ、
半分が「いえ、文章の中の知らない言葉です。」
も半分が「はい。」
と答えました。
そこで、私はしばらく考えました。
実はこの段階として先週話したことがあって、それは何かというとよく中国人が「接続詞は使ってもいいし、使わなくてもいい。使わない場合は、前後の文脈から判断する」とかって言うんですけど、「日本語は接続詞が前後の関係を規定するから、接続詞さえ正しく覚えておけば理解の助けになる」っていう内容でした。
つまり、「日本語は文脈の中に分からない部分があっても、前後の関係が分かる。つまり、接続詞っていうのは外国人にとって理解を助けてくれるものだ」という説明をしました。
それで、もう一度こういう観点で考えてみたわけです。
なぜかというと、その問題集には意味別に接続詞が分類された表が載っていて、私はその部分も渡していたから。
なのに、なぜ辞書を引くのかと考えてみて、おそらく先週私が話した内容の理解が不十分なんじゃないかと考えたんです。
それに加えて、問題ができた人から私がチェックをしに回ってたんですが、間違え方がひどかったってことも。
そこで、こんな文を学生に提示してみました。
昨日、梅田で火事があった。( )、昨日私は梅田へ行った。
この時に私が学生に問うたのは、
( )に入りうる接続詞は何が考えられるか?
です。
すると、
中国人男子「そして」
出ました!そして。
外国人は、困った時には「そして」を使う傾向があるように思います。まあでも、もっと多くの情報が必要なのかもしれませんが、その部分を想像力で埋めたと考えれば多分OK。
ベトナム人男子「しかし」
うん、「しかし」も文脈によっては十分考えられます。
ベトナム人女子「だから」
これも場合によってはアリです。「私」が「物見高い人」なら意味が通ります。
それで、再度「文脈だけだったらこんなに前後関係の可能性が考えられてしまうから、その中で『この関係である!』って特定するのが接続詞の役割だ」っていう旨の説明をすると、まあまあ皆頷いてくれました。
今回私が行ったのは、
1 前後の文脈から、その間に入る接続詞を判断する
という通常の設問ではなく、
2 前後の文の関係が複数あり得るかどうかを考え、その中から発話意図に応じて使う接続詞を選ぶ
という、どっちかっていうと逆方向からのアプローチを試みたわけです。
1は絞り込む作業であるのに対して、2はできるだけたくさん可能性を考える作業ですよね?
そして1の作業は、接続詞の働きが分かっていて、かつそれぞれの接続詞の働きを知っている人向けの問題です。
この文法クラスの中には、まだそこまでたどり着いてない学生もいると判断したので、改めて2の作業をやってみたんですね〜
もう今年度は、「品詞」の働きってレベルまで下りて行って授業しちゃってますね〜
あ、上記の梅田の火事の例文は10秒くらいでテキトーに考えたので、この作業をやろうと思ってる先生はご自分でもっと良い例文を考えてください!
ほな、さいなら!
日本語ランキング
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この問題集の彼らにやらせてた問題の設問は、接続詞で通常問われる
文章の中の空欄部分に、適切な接続詞を入れる
っていう設問。
この時に、あまりにも学生がスマホを触っていたのが目立ってたので、
私「今調べてるのって、接続詞の意味?」
って聞いたところ、
半分が「いえ、文章の中の知らない言葉です。」
も半分が「はい。」
と答えました。
そこで、私はしばらく考えました。
実はこの段階として先週話したことがあって、それは何かというとよく中国人が「接続詞は使ってもいいし、使わなくてもいい。使わない場合は、前後の文脈から判断する」とかって言うんですけど、「日本語は接続詞が前後の関係を規定するから、接続詞さえ正しく覚えておけば理解の助けになる」っていう内容でした。
つまり、「日本語は文脈の中に分からない部分があっても、前後の関係が分かる。つまり、接続詞っていうのは外国人にとって理解を助けてくれるものだ」という説明をしました。
それで、もう一度こういう観点で考えてみたわけです。
なぜかというと、その問題集には意味別に接続詞が分類された表が載っていて、私はその部分も渡していたから。
なのに、なぜ辞書を引くのかと考えてみて、おそらく先週私が話した内容の理解が不十分なんじゃないかと考えたんです。
それに加えて、問題ができた人から私がチェックをしに回ってたんですが、間違え方がひどかったってことも。
そこで、こんな文を学生に提示してみました。
昨日、梅田で火事があった。( )、昨日私は梅田へ行った。
この時に私が学生に問うたのは、
( )に入りうる接続詞は何が考えられるか?
です。
すると、
中国人男子「そして」
出ました!そして。
外国人は、困った時には「そして」を使う傾向があるように思います。まあでも、もっと多くの情報が必要なのかもしれませんが、その部分を想像力で埋めたと考えれば多分OK。
ベトナム人男子「しかし」
うん、「しかし」も文脈によっては十分考えられます。
ベトナム人女子「だから」
これも場合によってはアリです。「私」が「物見高い人」なら意味が通ります。
それで、再度「文脈だけだったらこんなに前後関係の可能性が考えられてしまうから、その中で『この関係である!』って特定するのが接続詞の役割だ」っていう旨の説明をすると、まあまあ皆頷いてくれました。
今回私が行ったのは、
1 前後の文脈から、その間に入る接続詞を判断する
という通常の設問ではなく、
2 前後の文の関係が複数あり得るかどうかを考え、その中から発話意図に応じて使う接続詞を選ぶ
という、どっちかっていうと逆方向からのアプローチを試みたわけです。
1は絞り込む作業であるのに対して、2はできるだけたくさん可能性を考える作業ですよね?
そして1の作業は、接続詞の働きが分かっていて、かつそれぞれの接続詞の働きを知っている人向けの問題です。
この文法クラスの中には、まだそこまでたどり着いてない学生もいると判断したので、改めて2の作業をやってみたんですね〜
もう今年度は、「品詞」の働きってレベルまで下りて行って授業しちゃってますね〜
あ、上記の梅田の火事の例文は10秒くらいでテキトーに考えたので、この作業をやろうと思ってる先生はご自分でもっと良い例文を考えてください!
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