2020年02月01日
読解と擬人法の導入にぴったりの歌詞 槇原敬之さんの「北風」
目下、「クリスマスは無関係縛り」で冬うたのプレイリスト作成中のakkyです。
私が知らないだけなのかもしれないんですが、洋楽の冬うたって結構クリスマスが関連したものが多いような気がするので、今回のプレイリストはもっぱらJ-POP。
で、その中に槇原敬之さんの「北風」が入っていて、改めて歌詞を読んでいると
読解向き、かつ擬人法の導入にピッタリ
ってことに気づいたんです。
以下、歌詞の引用。
いかがでしょうか?
良い歌詞ですよね!
因みに、青が擬人法の部分で、赤が読解できる箇所です。
まず思ったのが、擬人法って超効果的だなってこと!
これらの部分を他の表現で言い換えると、そのイメージがかなり弱まりそう。
で、赤の読解の部分は、私だったらこんな問題にするかなっていうのを書いていきます。
まず、
・小さなストーブじゃ窓も曇らないような夜
って、どんな夜ってこと?
っていう設問。
まあ多分、これはそこまで難しくないと思うんですが、歌詞を味わいながら聞くってことをしたことがない学習者だとキツいかも。
で、上記のちょっと歌詞の引用部分では示しにくかったんですが、
・斜め40度から見た
・手の届く距離で君を感じる度に
っていう2つの描写から、「君」と「僕(私?)」はどんな距離感でどんな関係だと思うか?
ですかね。
これ、正解無いので、自由に考えてもらえばいいんですよね。
私としては、君も僕も高校のクラスメイトで、君は僕の1つ隣の列の1つ前の並びの席に座っている人、なんじゃないかなと。
列の間隔にもよりますが、おそらく斜め40度くらいになりそうだし、ギリ手が届く距離かなと。
で、僕の席が君の席より後ろだと思ったのは、逆だとわざわざ振り向かないと君の顔が見えないから。
歌詞だと、いつも斜め40度から見てると推測できるので、やっぱり後ろから前を見るのが自然です。
次に、
・かっこ悪いくらい何も話せなくなるよ
って、どうしてだと思う?
これも、全然難しくないですね。
これは読解というよりは、「まさか意味わかんない人いないよね?」っていう確認をした上で、学習者の中の男子にそういう気持ちになったことがあるかどうか、彼らが答えられる範囲で体験談なんかを話してもらうための呼び水的な問い。
話したくない人には無理に話してもらわなくてもいい代わりに、ノリノリで話してくれそうな人には大いに語ってもらえば、歌詞の理解にも一役買ってくれそう。
で、最後にこちら。
・明日もしこの雪が積もっているなら 小さく好きだと言っても君に聞こえない
って、「だから何?(So What?)」って思いませんか?
と問いたい。
この問いは、実はリアルタイムで聞いていた時には全く気がついていなくて、プレイリストを作っている時にはたと気づいたんです。
特に「小さく好きだと言っても君に聞こえない」って、改めて考えてみると歌の最後の歌詞にしては若干中途半端じゃないですかね?
まさに「だから何?」って思いませんか?
それで思ったのが、
実はそのあとに何か隠された意図があるんじゃないか?
ってこと。
そこで、前半の「明日もしこの雪が積もっているなら」が考えるヒントに。
雪って、音を吸収するんですよね。
つまり、雪が積もったら、小さい声なんかで話しても相手に聞こえないのは当然。
そこで、「だから何?」です。
私の推理によると、「小さく好きだと言っても君に聞こえない」から「大きい声でしっかり君に好きだと言おう」ってことなんじゃないかと思うんです。
つまり、隠された決意表明のように思うんです。この部分が。
私の脳内イメージでは、雪が積もっている校庭かどこかで僕が勇気を振り絞って、君にある程度の声量で「好き」って伝える光景。
もう想像しただけでキュンキュンします。
もちろん、これも正解があるわけではなく、歌詞を読んだ人が自由に想像できる範疇です。
ここまで書いてきて思ったのは、歌詞を読解するのって、今まで「正解は1つのみ!」みたいな文章の読み方をしてきた日本語学習者に、必ずしもそうじゃないんだってことを理解してもらうための良い材料かなってこと。
個人の自由な解釈で理解できるんだってことを、知ってもらえばいいんじゃないですかね?
私が歌を授業で使うときは、聞き取ってほしい語彙や文型を( )で抜いて、2回聞かせてディクテーションさせた上で( )が何かを学習者に言ってもらいながら正解を発表し、最後に確認でもう一度聞いて読解に持っていきます。
なので、まあまあ時間はかかりますが、日本語の授業でこういう時間もあっていいんじゃないかなとも思います。
ほな、さいなら!
日本語ランキング
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私が知らないだけなのかもしれないんですが、洋楽の冬うたって結構クリスマスが関連したものが多いような気がするので、今回のプレイリストはもっぱらJ-POP。
で、その中に槇原敬之さんの「北風」が入っていて、改めて歌詞を読んでいると
読解向き、かつ擬人法の導入にピッタリ
ってことに気づいたんです。
以下、歌詞の引用。
今 君がこの雪に気づいてないなら 誰より早く教えたい 心から思った
小さなストーブじゃ窓も曇らないような夜 毛布を鼻まであげて君のことを考えるよ
だけど知らないことばかりで思い出せることは 斜め40度から見たいつもの君の横顔だけ
さっきよりひどく風がないてる カーテンそっと開けて僕は言葉なくす
北風がこの街に雪を降らす 歩道の錆びついた自転車が凍えている
今 君がこの雪に気づいてないなら 誰より早く教えたい 心から思った
どれだけたくさんの人に囲まれていても なぜか一人でいるような気持ちがずっときえなくて
でも無理に首を横に振っていたけれど きっと誰もがみんな違うとはいえずにいるはず
誰かを愛したその時から 家族の意味さえ変わってしまう
手の届く距離で君を感じる度に かっこ悪いくらい何も話せなくなるよ
明日もしこの雪が積もっているなら 小さく好きだと言っても君に聞こえない
北風がこの街に雪を降らす 歩道の錆びついた自転車が凍えている
今 君がこの雪に気づいてないなら 誰より早く教えたい 心から思った
北風がこの街に雪を降らす 歩道の錆びついた自転車が凍えている
明日もしこの雪が積もっているなら 小さく好きだと言っても君に聞こえない
いかがでしょうか?
良い歌詞ですよね!
因みに、青が擬人法の部分で、赤が読解できる箇所です。
まず思ったのが、擬人法って超効果的だなってこと!
これらの部分を他の表現で言い換えると、そのイメージがかなり弱まりそう。
で、赤の読解の部分は、私だったらこんな問題にするかなっていうのを書いていきます。
まず、
・小さなストーブじゃ窓も曇らないような夜
って、どんな夜ってこと?
っていう設問。
まあ多分、これはそこまで難しくないと思うんですが、歌詞を味わいながら聞くってことをしたことがない学習者だとキツいかも。
で、上記のちょっと歌詞の引用部分では示しにくかったんですが、
・斜め40度から見た
・手の届く距離で君を感じる度に
っていう2つの描写から、「君」と「僕(私?)」はどんな距離感でどんな関係だと思うか?
ですかね。
これ、正解無いので、自由に考えてもらえばいいんですよね。
私としては、君も僕も高校のクラスメイトで、君は僕の1つ隣の列の1つ前の並びの席に座っている人、なんじゃないかなと。
列の間隔にもよりますが、おそらく斜め40度くらいになりそうだし、ギリ手が届く距離かなと。
で、僕の席が君の席より後ろだと思ったのは、逆だとわざわざ振り向かないと君の顔が見えないから。
歌詞だと、いつも斜め40度から見てると推測できるので、やっぱり後ろから前を見るのが自然です。
次に、
・かっこ悪いくらい何も話せなくなるよ
って、どうしてだと思う?
これも、全然難しくないですね。
これは読解というよりは、「まさか意味わかんない人いないよね?」っていう確認をした上で、学習者の中の男子にそういう気持ちになったことがあるかどうか、彼らが答えられる範囲で体験談なんかを話してもらうための呼び水的な問い。
話したくない人には無理に話してもらわなくてもいい代わりに、ノリノリで話してくれそうな人には大いに語ってもらえば、歌詞の理解にも一役買ってくれそう。
で、最後にこちら。
・明日もしこの雪が積もっているなら 小さく好きだと言っても君に聞こえない
って、「だから何?(So What?)」って思いませんか?
と問いたい。
この問いは、実はリアルタイムで聞いていた時には全く気がついていなくて、プレイリストを作っている時にはたと気づいたんです。
特に「小さく好きだと言っても君に聞こえない」って、改めて考えてみると歌の最後の歌詞にしては若干中途半端じゃないですかね?
まさに「だから何?」って思いませんか?
それで思ったのが、
実はそのあとに何か隠された意図があるんじゃないか?
ってこと。
そこで、前半の「明日もしこの雪が積もっているなら」が考えるヒントに。
雪って、音を吸収するんですよね。
つまり、雪が積もったら、小さい声なんかで話しても相手に聞こえないのは当然。
そこで、「だから何?」です。
私の推理によると、「小さく好きだと言っても君に聞こえない」から「大きい声でしっかり君に好きだと言おう」ってことなんじゃないかと思うんです。
つまり、隠された決意表明のように思うんです。この部分が。
私の脳内イメージでは、雪が積もっている校庭かどこかで僕が勇気を振り絞って、君にある程度の声量で「好き」って伝える光景。
もう想像しただけでキュンキュンします。
もちろん、これも正解があるわけではなく、歌詞を読んだ人が自由に想像できる範疇です。
ここまで書いてきて思ったのは、歌詞を読解するのって、今まで「正解は1つのみ!」みたいな文章の読み方をしてきた日本語学習者に、必ずしもそうじゃないんだってことを理解してもらうための良い材料かなってこと。
個人の自由な解釈で理解できるんだってことを、知ってもらえばいいんじゃないですかね?
私が歌を授業で使うときは、聞き取ってほしい語彙や文型を( )で抜いて、2回聞かせてディクテーションさせた上で( )が何かを学習者に言ってもらいながら正解を発表し、最後に確認でもう一度聞いて読解に持っていきます。
なので、まあまあ時間はかかりますが、日本語の授業でこういう時間もあっていいんじゃないかなとも思います。
ほな、さいなら!
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