ここ最近akkyが作成しようと考えているモノ日本語教師にとって非常に示唆に富む一冊 恩田陸著「消滅」

2020年05月16日

日本語教師を続けますか?辞めますか?

新型コロナの影響、いつまで続くんでしょうか?

中には色んな形で授業をスタートさせている学校もあるようですが、あなたが所属する学校はどうでしょう?


さて、ここまで不確実性が高くほとんど先が見えない状況になってくると、留学生を入学させられず廃業や倒産を余儀無くされる日本語学校が出てくるのも不思議ではありません。

そうなると、雇い止めや解雇をされたり自主的に学校を辞める人も出てくるでしょう。

なので必然的に、日本語学校を辞める人も、

1 日本語教師を続けていく人

2 日本語教師自体を辞めてしまう人

の2つのタイプに分かれます。 

もちろん生活のことがあるので、止むを得ず一時的に他の業種の仕事はするけどゆくゆくはまた日本語教師として働きたいっていう人は、私の中では1に該当します。

私としては、日本語教師を辞めてしまうことを促すつもりもないですし、止(と)めるつもりもありませんが、キッパリと日本語教師を引退してしまう時に気をつけたほうがいいことがあるので、今回は特にそれについて書きます。


☆☆☆☆☆☆☆


私は基本的に、スパッと何かを辞めてしまえる人ってすごいなと思います。

なぜなら、人間ってサンクコスト(今まで投入した労力、時間、金銭など)を高く見積もる傾向があるので、ずっとやってきた仕事にしがみつくことが多くなり、スパッと辞めるのが難しいから。

実際に私が在籍した学校にも、日本語教師以外の仕事ができない(と本人が思っている)からって理由でずーっとそこで働き続けているような人もいましたし。

なので、日本おg教師自体を辞めちゃって全く違う世界に飛び込むこと自体は、私は高く評価します。

が、その前に考えておくべきこともありそう。


1 本当に日本語教師の醍醐味を経験したかどうか

ちょっと青臭いことを書きます。

私がずっと日本語学校に勤務していて時々気になっていたのは、若い先生や経験の浅い先鋭の中にビックリするくらいすぐ辞めてしまう人が結構いたってこと。

中には学期の途中に辞めちゃう人もいました。 

そういう人で他の学校に移って日本語教師を続ける人もいましたが、日本語教師自体を辞めた人も少なからずいました。

「自分が日本語教師に向いていないんだ」と認識するなら致し方ないという気もしますが、そういう人って日本語教師の醍醐味を経験したのかな、と常々気になってました。

日本語教師の醍醐味って人によって違うと思うんですが、私の場合は

・練りに練った例文を提示したら、予想以上の手応えがあった

・私が以前教えた日本語を学生が適切に使っている場を見聞きした

・学生に「先生の説明でやっと今まで分からなかったことがクリアになりました」とか言ってもらえること

・小論文で、こちらが全く気づかなかった視点で書かれているものがあった

などでしょうか。 

そういう瞬間って、アドレナリンがドバドバ放出されてうち震えるくらい嬉しくなります。

そういう経験をした上で辞めるのならいいと思いますが、そういう経験しないまんまで「日本語教師は私がやりたかった仕事ではない」と断じるのは早計なんじゃないかと。

逆に書くと、私なんかも幾度となく「日本語教師辞めたい」と思ってきましたが、こういう醍醐味を感じる瞬間があったからこそ今まで続けられているとも言えます。

とはいえ、日本語教師にこういう経験ができるかどうかは外的要因によるところが大きいです。

例えば、学生の質や学校の体質や仕組みなど。

まあ私は個人的には、学生の質が大きいと考えてますが。

なので余計に、短期間の勤務で非常に少ないサンプル数と関わるだけで「日本語教師を辞める」っていう判断をするのは早すぎるんじゃないのかな、と思うわけです。

逆にそういう醍醐味を味わってしまうと私のようにズルズルズルズル日本語教師を続けることになってしまい、そうならないようにするためであれば早い判断もいいのかな、とも思いますが。


2 日本語教師の絶対数が少なくなれば、得られるリターンが上がる

これはどちらかというと、ビジネスとか経済的なお話。 

日本語学校が淘汰されるのに伴い日本語教師自体を辞める人が増えれば、日本語教師の絶対数が少なくなります。 

これは当然ですよね?

まあ今は日本語教師の需要は減っていますが、この状況が半永久的に続くわけではありません。

従来の日本語教師の働き方とは異なるかもしれませんが、何らかの形で日本語教師への需要が上がる日が来ます。

これは歴史が証明していて、今では100万円以上するバッグを売っているHermesも昔は馬に乗るための鞍を作る店だったし、今回の新型コロナ関連で存在感を増している富士フイルムも昔はカメラのフイルムを作っている会社でした。




こういうブランドや会社っていうのは、時代の変化に応じて何とか業態変化などの工夫を重ねて今まで生き残っているわけです。

かなり苦しい時期もあったと思いますが、何とか生き残りをかけてその事業を存続させて来たんですよね。

他業種同様日本語教師にとっても、今がまさしくその苦しい時期。

そういう状況でその仕事を辞める人も少なからずいるでしょうが、何とかサバイブする人も一方ではいるはず。

そうなると当然、何らかのきっかけで需要が上がったタイミングで生き残った日本語教師には残存価値ともいうべき価値が発生し、供給よりも需要が上がればゲットできるリターンも高くなります。

これは良いとか悪いとかいうことではなく、マーケットの仕組みというのはそういうもんなんですよね。

競合や同業他社(者)が減れば、得られるリターンが増えるのは当然というだけの話。


☆☆☆☆☆☆☆


冒頭にも書きましたが、私は日本語教師を続けたほうがいいとも辞めたほうがいいとも書くつもりはありません。

あくまで自己責任で判断したらいいことです。

ただ、辞めようと考えている人に、その前にちょっとこういうことも考慮に入れてみては?っていう提案をしたかっただけ。


私に関して書くと、このタイミングで日本語教師を引退することはないかなと。

その理由はこのエントリの2もあるんですけど、どちらかというと、

この状況下では日本語教育業界でもパラダイムシフトが不可避で、その後の日本語教育がどうなるか知りたいから

ってことですかね。
 

まあ日本語教師だけを続けると他にもっと自分に合う仕事に出合う可能性が低くなるというデメリットもあるとは思いますが、常勤ではなく非常勤なら掛け持ちや副業もしやすいので、雇用形態にこだわらなければ避けられるデメリットっていう気もします。


とりあえず、従来の日本語教師の働き方や仕事の前提や常識を一旦置いといて、このタイミングで0ベースで考えてみてはどうでしょうか?


ほな、さいなら!


日本語ランキング 

script> (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

ここ最近akkyが作成しようと考えているモノ日本語教師にとって非常に示唆に富む一冊 恩田陸著「消滅」