進学

2020年10月23日

大学合格を決定する要素にあまり関わらない留学生の日本語能力

現在、備前邸にバイトに来てくれてる男子の1人が今高校3年生で、2日後が面接っていうタイミングで「答える内容を見てください」って言って来たので、私もアドバイスを返信したりといったやり取りをしています。

その時にふと思ったのが「もっと早く私に相談して来ていたら、もしかしたら大学に合格する可能性は高まったのかもしれないな」ってこと。

もっと書くと、

例えば1日8時間勉強することよりも、面接の内容をどのタイミングで誰にお願いするかのほうが合否を左右することもあるんじゃないか

ってことなんですよね。 

現在は少子化といっても、私の時代と違って「1.1倍ルール」などもありますし、やはりある程度の競争率は見込まれ、1点の違いで合否を分けることもあると思います。

まあその大学が面接にどれだけの配点をしているのかは分かりませんが、一方で1日8時間勉強したとしてもその部分が出題されるとは限らないためそれがどれだけ報われるか分かりません。

なので、面接の結果も侮れないはず。 

私は個人的に、面接の評価には「内容の説得力」もあるんじゃないかと思っていて、なのでバイト君に対するアドバイスの中にも「この大学のこの学部でないといけない理由」っていうのを盛り込んで、かなり説得力は増したかなと思ってます。


☆☆☆☆☆☆☆


振り返って、日本にいる留学生についても考えてみました。

現在って、昔ほど大学合格に留学生の日本語能力が深く関わってないんですよね。

私は、

・多くの大学が独自試験を行わなくなった

・それに伴い小論文の試験もなくなった

ことが大きいと考えています。

特に後者は、留学生が増えて手間がかかるテストはできなくなったっていうのも大きいと思いますが、それに加えて大学側に小論文を評価できる人材がいなくなったっていう隠れた理由もあるんじゃないかという憶測を私は持っています。

私は以下のエントリにも書いているように、




大学受験で小論文を実施したほうが、その留学生の日本語能力のかなり大きな部分が反映されて大学側もそれが把握できるので、価値が高いと思うんですよね。 

小論文のようなアウトプットは、日本語の知識とそれを運用する能力が如実に表れるので。

それに対して、現在多くの大学が合否判定に利用しているEJUですが、大学や学部によっては日本語の配点がかなり低いケースもある上に、日本語の文章も社会科学や物理などのテーマが多く、日本語を読んだり聴いたりしなくても問題を見た瞬間に正しい答えを選べるケースもあったりします。

あと、これ授業で作文や小論文を担当している(していた)先生に伺いたいんですけど、 授業で学生が書く作文の評価とEJUの記述の点数って一致します?

私、めちゃくちゃ乖離してると感じてました。

まあこの件はちょっと置いときましょう。

それから、これも多くの大学で受験資格や授業料減免で用いられるJLPTですが、確かにこのテストは学生の日本語能力を問えてはいます。

でも、問うているものが「知識」なので、日本語能力のあくまでも一部に過ぎません。


これらの日本語のテストそのもの以外にも、

・ TOEFLなど英語のテスト

・EJUの日本語以外の科目のテスト

・その学生の持つ雰囲気や面接官との相性(これについては「採用は2秒で決まる」ってことが科学的に証明されてます)

などの要素が大学の合否を左右します。

 
以前に比べて、大学側もあの手この手を使って様々なタイプの試験を生み出していて、これが結果的に日本語能力を問わなくなって来たことに繋がっているんじゃないのかなと。

この流れって、少々日本語能力が低かろうがとにかく多くの留学生をできるだけ確保したい、って大学側の姿勢の裏返しのような気がします。

まあ中には、ただ多ければいいわけではなく「質の高い」留学生を確保したいっていう目的でこの流れに乗っかっている大学もあるとは思いますが。


このように考えてくると、身も蓋もない書き方ですが、

日本語教師が提供する授業の質は高いに越したことはないけど、それが留学生の大学の合否を左右するわけではない

っていう遣る瀬無い結論に。
 
 
でも、このことは意外と重要で、悪どい日本語学校経営者がこのことを目ざとく察知しているおかげで、質の高い授業を提供できる教師よりもコストが安く済む教師のプライオリティが上がり、業界全体の教師の単価が安くなってるのではないかなと。

大学合格を「出口」とみなした場合、やっぱり出口から変えていかないと大学進学のための授業を提供している学校に勤務している日本語教師の待遇は改善しない可能性が高いです。

最近私は日本人ってつくづく「入り口」サイドから考える人が多いなあって感じます。

起点というかスタートから考えるっていう。

でもやっぱり出口からバックキャスティング思考で考えないと、プロセス全てが無駄になりかねません。

例えば、日本の小学校で「自主性を育てよう」とか「自由な発想ができるようになろう」って言われてますけど、出口である就職の際に企業が全員に画一的な紺のスーツを要求してたら意味ないじゃんっていう。

おまけに日本の会社で「自主性を持って自由な発想で」仕事なんてしたら、たちまち「協調性のない人」認定されちゃいますし。

まあ

日本語ができなくても英語でその分野の素晴らしい論文が書ければ問題ないから、受験の際にもあまり日本語能力は問わない

といったような流れはもしかしたら不可逆なのかもしれません。(まあそうなると、当然「日本の大学である」存在理由が希薄にはなりますが)

そうだとすると、大学進学を希望する留学生に教えている日本語教師に限っては、待遇が改善することは望み薄ってことになります。


ただ、私は業界全体の日本語教師の待遇に関しては楽観的です。

なぜなら、従来の学習者とは異なり、「内的動機付け」で日本語を学習したいって人がそろそろ現れるんじゃないかと思ってるから。

従来の外国人留学生って、ほとんどが進学、就職目的で、それって「外的動機付け」なんですよね。

自分の外に学習動機があるんです。

それに対して、「内的動機付け」の人って、その動機が超強固で超ポジティブ。

これについても、いずれエントリに書きたいと考えています。


ウチのバイト君の面接の相談からえらいところまで飛躍しましたが、今回考えたことを書いてみました。


ほな、さいなら!


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akky_san at 20:00|PermalinkComments(0)

2018年11月21日

最近、特に進学指導で「手書き」が便利だと思う理由

ここ最近、ほぼ毎週志望理由書の添削と面接を行なっている akky です。


今現在私が担当しているクラスでは、第1回目の受験の波っていう時期ですかね。


先日、学部は違うけど同じ大学を受験する中国人男子とミャンマー人男子の面接練習を、2人セットで行なってみました。

効率いいですね、これはこれで。

2人セットっていうのはどういうことかというと、面接練習をしていない学生が私の横に座り、もう1人の面接官という設定で練習を行うってこと。

あ、面接官役の学生は、質問などはしません。

ただ見てるだけ。

でも、練習終了後に色々言ってもらったり、「多分これが言いたかったと思うんだけど、口から出てきたのはこんな日本語だったよ」っていうのを、私が言っただけでは本人は信じないことが多いので、そこを証明してもらい補強するという役割を担ってもらいました。


☆☆☆☆☆☆☆


まずは中国人男子に面接練習を行なったのですが、もう全然準備できてない!

なので、

  1. 日本語のミス
  2. 発音の悪さで聞いてて分からなかったところ
  3. 全然答えられなかった質問への内容

を説明し、次回(明日)までに答えられるようにしておくように指示し、終了。

この状態の学生にあんまり時間はかけたくないので。 


次にミャンマー人男子。

彼はもともとコミュニケーション能力が高い上に、ミャンマーの中でも中国語圏の地域(?)に住んでいたため漢字もできます。

なので、あまり指導は必要ないだろうと考えていて、実際そうでした。


で、私は今回の面接練習で1つの試みを行いました。

それが「手書き」です。


「手書き」といっても紙とペンではなく、iPadとApple Pencilと nebo っていうアプリです。

nebo がどんなアプリかっていうのは、こちらの動画をご覧ください。




めっちゃ便利じゃないですか?


これらを使って何をするかというと、彼らの答えの間違った日本語や発音が悪い言葉、 内容的にまずい部分をメモし、彼らにフィードバックするという用途です。

最初はGoogle音声入力でそれをしようとも思ったのですが、Google音声入力は精度がかなり上がったといっても、それは従来比で考えた場合のみ。

私が望ましいと思うレベルには達してません。

多分、発音が必ずしも良くない外国人留学生にGoogle音声入力を使ったら、とんでもない変換が産出されそう。

 
なので、今回は手書きでメモすることにしました。

その理由は、主に3つ。


1 時短になる


私は、タイピングがあまり速いタイプではなく、まあまあ時間がかかってしまいます。

なので、手書きで必要なことだけに特化してメモできるため、時間の短縮が可能になりました。


2 フィードバックのついでに、日本語の個人指導ができる


これは、副産物的なメリットです。

私が、彼らのまずい日本語をそのまんまメモし、彼らにフィードバックするときにどう直せばいいのか考えさせることができる上に、その過程を彼らに見せることができます。

これは、個人指導に近い作業です。

 
私は、マスであるクラスの一斉授業には限界を感じているので、このような機会に学生個々に指導できる機会は非常に貴重だと考えています。

で、ミャンマー人男子の面接練習でメモした内容がこちらです。

ミャンマー人男子 回答一覧

 
これ、意味分かります?

 
例えば、①だと「聞いてから」っていってたけど本題は「聞いたから」と言うべき部分。

「進路が」は発音が悪くてそのように聞こえなかったってこと。

「お兄ちゃん」は「兄」と言うべきときに、「お兄ちゃん」と言ってしまってるってことですかね。


②の「せいかん研究学部」は⑨の「せいけん/せいかんは多分証券」と同じことで、「証券(しょうけん)」と発音しないといけない言葉をそのように発音していた、っていう意味です。

あと、⑤の「地面天国 → 地上の楽園」っていうのは、おそらく彼が中国語的な発想でこしらえた地面天国っていう言葉を、自然な日本語だと「地上の楽園」だろうと予想し、私がメモった内容です。


他にも色々あるんですが、とりあえず説明はこの程度にとどめておきます。


3 色んな形式に変換でき、slack で学生に送れる


この nebo ってアプリは書いたメモを色んな形式に変換できます。

そしてそれを指定すれば、私が今使っている slack で学生に送ることができます。


まず、形式についてはこれをご覧ください。

fullsizeoutput_333


色々バリエーションがあります。 


さらに、slackで送れるっていうメリットも。

fullsizeoutput_334


これ、超重宝してます。 


これを学生本人にslackで送るだけで、学生は自分で修正すべき部分を把握して修正できるからです。


4 色々なデータが収集できる


これも、相当価値が高いです。

私は、将来の日本語教師はどれだけデータを持っているかが、生き残れる日本語教師になるかを左右するとさえ思っていて、もしそうなった場合日本語教師がどれだけのデータを持っているのかが重要になってきます。

で、留学生の誤用を集めようと考えた場合、この作業は非常に有益です。

本来は学生の誤用を集めようという意図でなくても、こういうy作業を行えば自然とデータが集まります。


☆☆☆☆☆☆☆


以上のような理由で、私は今でも手書きをしています。

そういえば、Twitter界隈では「スマホとパソコンでほとんどのコミュにケーションを行うようになるのだから、日本語で手書きをする必要は無い!」みたいな日本語教師の見解をよく見かけましたけど、そういう主張の人たちは今でもそう思ってるんでしょうか?

漢字テストなんか、手書きで行うのはナンセンスだ的なご意見。


まだそういう意見をお持ちの人に、私は個人的にお話をお伺いしてみたいと思わないでもないです。


ほな、さいなら!

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akky_san at 20:47|PermalinkComments(0)

2018年10月10日

学生の面接練習をしていて得られるメリット

今日はお休みの日だったのですが、志望理由書の内容の修正でなかなか進まなかった中国人男子の面接練習で休日出勤しました。


先日第2回目の面接練習を行い、それを受けての3回目の練習。

もう今週の土曜日が面接本番なので、最終的な練習。

私、この週末は大阪にいないので、今日が最後のチャンスでした。


2回目の段階でもまだうろ覚えだったところがあるので、今日はその部分のチェックと発音&日本語チェック。

面接の際の立ち居振る舞いに関しては特に問題がなかったので、今日は特に目新しいことは言わずできてるかどうかのチェックのみ。


一通りデモンストレーションしてもらった結果、私が彼にフィードバックした内容であり、かつこのような面接練習で得られるメリットは次の2つ。

  1. クラス授業ではなかなかできない発音チェックができる
  2. クラス授業ではなかなかできない、個人によって異なる文法間違いの指摘&説明ができる

ことです。 


発音チェックやその指摘は、なかなかクラス授業で徹底するのは難しいです。

1人1人に割く時間が確保できないことも理由の1つですが、発音のチェックを他のクラスメイトがいる中で指摘するっていうのが、その学生を傷つけてしまう可能性があるから。

みんなの前で発音の悪さを指摘されたら、気にしない人もいるとは思いますが気にする人は気にするので。

因みに、今日の中国人男子は確か大連出身で、「ア段」の音と「エ段」の音の違いが不明瞭すぎて、「関係」が「ケンケイ」って聞こえるし、「去年」が「キョニェン」って聞こえるしで、私が彼の書いた原稿を見ないで聞いたら理解不能だったので、そこを指摘。

「あぁ、これは大連人の発音です。」って言ってましたけど。

あとはやっぱり「拍」感覚が不十分で、「っ」の部分が単語の発音の中に入っていないパターンが色々見受けられました。


また、文法間違いもクラス授業だと時間の関係上クラスの最大公約数的な間違いを全体にフィードバックすることはできますが、個々の間違いについて深く説明することはまあ難しいです。

しかも、宿題で出てきた個々の間違いを返却時に考えさせて質問を受け付けることによってある程度は説明できますが、質問をしてくれる学生だとそれでいいんですが、そこを深く考えようとしない学生には必ずしも有効ではありません。


しかし、この面接練習のように完全にマンツーマンであれば、授業で不足してる指導を補完することが可能になります。


なので、最近私は面接練習ってことだけに特化しないで、できるだけ面接練習を通してあわよくばその学生の日本語能力全体を上げるにはどうしたら有効なのか、っていう視点で考え始めてます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 23:42|PermalinkComments(0)

2018年09月26日

大学受験でもやっぱり漢字圏の留学生が有利になる、隠れた理由

今年もそろそろ本格的な受験シーズンに突入し、ウチのクラスでも出願する学生がチラホラ出始めてます。

去年から留学生の大学受験は厳しくなり、今年はなんとなくさらに厳しさを増しそうな気がしています。

去年はどちらかというと専門学校志望の学生が多かったのに比べて、今年は大学を志望する学生が多いです。

ただ、専門学校と違って大学は定員の1.1倍の範囲内でしか合格者を出してはいけないというルールが去年からスタートしたため、去年は倍率が跳ね上がった学校が多く、「今までだったら大体このEJUの点数だったら合格していた」っていうのがもろくも崩れ去った年であり、今年もそのルールは続くので大学は狭き門になるだろうと考えます。

そしてこれは、いわゆる一般入試の話です。

ただ外国人留学生試験の場合、学校にもよりますが「指定校推薦」というシステムがあります。

これは、大学の指定校推薦の枠を日本語学校が持っている場合に有効なものです。

ただ、多くの指定校推薦は専願であるため、たとえ違う大学に合格しても指定校推薦で合格をもらっている場合はそっちに進学しないといけない、というルールがあります。


ウチの学校はまあまあの数の大学から指定校推薦枠を得ていて、それを利用する学生もいたりします。


が、この指定校推薦入試の条件で引っかかる学生と引っかからない学生がいて、引っかからない学生は大体漢字圏の学生です。

どういうことかというと、関西の一部の大学の指定校推薦入試の条件として

  • EJU の日本語で200点以上、あるいはN2合格

というのがあるってこと。

ここまで書いてきたら、どういうことか気付き始めてる人もいそう。

まあEJU の点数が200点っていうのは厳密にその点数ってことではなく、もうちょっと点数が高い場合もありますし、記述の点数と合計するっていう大学もあったりするので、あくまで参考です。


こういう条件があると、漢字圏の学生が有利になります。

非漢字圏の日本語能力があまり高くない留学生だとどちらの条件もクリアできていないことが多いのですが、一方同レベルの漢字圏の学生はEJU の点数は足りてないけどN2には合格してる学生が多いんです。


つまり、指定校推薦入試の足切りで非漢字圏の学生は引っかかるけど、漢字圏の学生は引っかからないケースが多くなるってわけ。

この現象は、漢字圏の学生がEJU で200点は取れなくても、N2には合格するってことを意味します。

これらのテストが全く違うタイプのテストであるにしても、N2のテストの妥当性って一体・・・

これって、EJU の点数200点程度とJLPT のN2合格が同等であるという判断が妥当かどうかは別にしても、一応大学側はそういう判断をしてるってことなんですよね。


さらに書くと、非漢字圏の学生でN2の合計点はクリアしてるけど、不合格になる人がいます。

そうです。

実質的な足切りである「基準点」で引っかかるパターン。

基準点っていうのは、言語知識・読解・聴解はそれぞれ60点満点で、1つでも19点(⇦これが基準点)に達していなければ不合格になるっていう点数のこと。(ちなみにこの点数は、N1〜N3の話です)

詳しくは、こちら。 → 得点区分・合否判定・結果通知 | 日本語能力試験 JLPT

そしてこれは、とりもなおさず「一つの技能だけ突出して高得点を取って合計点を稼いだとしても、ある程度技能のバランスを取れてないと合格とは認めませんよ」ってことなんです。

そのため、技能のバランスが悪い非漢字圏の学生で、漢字がネックになり言語知識や読解で足切りに引っかかる人が出てきます。

聴解で引っかかったってパターンは、少なくとも私の周りでは聞いたことないです。


関西の一部の私大では、外国人留学生試験を前期と後期に分けている大学があります。

真面目な努力家で一生懸命に日本語を勉強しているんだけど、JLPTの第一回目が実施される7月の段階ではまだ学力はそこまで身についてない学生は、前期では受けられなかったりします。

私なんかは、学生が前期の段階で学生が指定校で合格すれば、それ以降落ち着いた心持ちで日本語の勉強ができるので、できれば前期で進学先を確保してほしいと思いつつも、その学生が非漢字圏だとなかなか難しいっていうのが現実。

そういう学生こそ、推薦入試で合格してほしいのは山々なんですが・・・


このように、指定校推薦入試においても漢字圏の学生が有利になっちゃうんですよね〜


そういう状況で、かたや真面目にコツコツ日本語を勉強してるけどN2には合格できなかった非漢字圏の学生が入れ、その一方で出席率は95%以上を維持しつつ勉強もソコソコできるため成績はいいけどチャラい漢字圏の学生が指定校推薦で合格するのを見ると、なんかこうモヤモヤします。

釈然としないんですよね。

非漢字圏の学生の日本語能力が足りてないって言われれば、確かにそうなんですけど。


それと、漢字圏の学生の多くがそういう学生って意味ではなく、あくまで私が見てきた範囲の中での話です。


これ、このエントリ読んでる日本語教師の人はどう思うんだろ?

同じようにモヤモヤしてる人、いませんかね?


ほな、さいなら! 


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akky_san at 20:21|PermalinkComments(0)

2018年08月29日

私が進学指導を slack で行なっている理由

今年度から進学指導の一部を、その仕事、slackで。で行うことにしました。

slackっていうのは最近評判の、ビジネス向けチャットツールです。

今回は、どうして私がこのslackを使っているのかを紹介します。


☆☆☆☆☆☆☆


1 学生と共有できる時間が大きく減ったから


雇用形態の変更により、私が学校に居られる時間も大きく変化。

端的に書くと、めっちゃ短くなったってこと。

そうなると、学生と接する時間も当然ながら短くなり、進学指導に割ける時間も減少するため、学校に居ない時間にも進学指導をしないといけない局面も出て来るだろうと判断し、 slackを使うことに。


2 岡山にいる時は学生と気軽に会えないから


そうはいっても、学校にいない時でも大阪にいればリアルで学生に会えますが、岡山に滞在中はそれが不可能。

まさか備前市まで来てもらうわけにもいきませんし。


1と2は、大きく考えると時間と空間の共有に関する理由ですね。時間も場所も選ばないってことですかね。

で、ここからは、ビデオチャットツールにした理由。


3 コミュニケーション上の誤解が生じにくい


これは、テキストだけとか音声だけの場合と相対的に考えた結果です。

テキストだけのやり取り、例えばメールやSNSのメッセージは誤解が生じやすいです。

そして、やり取りに時間がかかり、誤解を修正するにも時間がかかります。

音声も同様です。

つまり、テキストか音声だけだと誤解が生じやすくなりコミュニケーションに時間がかかりそうだから、ビデオチャットにしたというわけ。


具体的に書くと、今現在試験が早めの大学の出願が始まって来る時期で志望理由書を書き始める学生が出て来るんですが、その中に「これ、何が書きたかったんだろう?」みたいな内容があった時に、ビデオチャットだとその意図を確認しながら添削できます。

で、これがテキストだけ(例えば、メールに添付されたword書類とか)だと、一応「多分こういうことが書きたかったんだろう」と仮説を立てて添削し、次回その学生に会う時にならないとその仮説が正しかったかどうか判断できず、違った場合はその段階でまた添削する手間と時間が生じます。


4 便利な機能が色々あるから


まだ志望理由書を書いたのが2人くらいだし、その2人ともgmailで送って来たのでこの機能はまだ使ってないのですが、「Post」って機能が添削で使えそう。

まあいわゆる「テキストの共同編集」です。

また、slackの特徴として挙げられる「外部サービスとの連携」も使いやすいので、そっち方面も色々やってみようと思ってます。

さしあたり、Googleカレンダーに学生が受験する大学の入試日程を入れておいて、そっちと連携するとかですかね。


5 使ってみたかったから


これは私の好奇心。

なんか新しいモノが出ると、「どんなもんなんだろう?」って知りたくなって、とりあえず使ってみたくなるんですよね。

ネット上でもなかなか評判が良さそうだし、ここはいっちょ使ってみるかってカンジ。


ただ、私も使い始めたばっかりで、いろんな仕様や機能、使い勝手などわからないこともまだまだたくさんあるんですが、まあ使っていく上で色々試行錯誤していこうかと考えてます。

もしかしたら、面接指導の一部はこれでもできるかも。

ただ、面接練習は大学の教室のようなところでリアルにフェイストゥフェイスで緊張感たっぷりの雰囲気の中で指導すると練習の効果があるので、使い分けが必要になりそう。


☆☆☆☆☆☆☆


スマホでもt色々と便利そうなslackですが、一つ問題が・・・

それは、

学生のICTスキルがあまりにも低い

ってこと。

もうね、一般的なアナログ人間である私にさえついて来られないレベル。

上記の理由には入れなかったんですけど、slackを使う理由として「あわよくば、学生がこのツールを使った経験を将来活かしてほしいな〜」というのもあったんですが、まだまだ先は長そうです。

私は毎年、4月の授業スタートのタイミングで学生に私の学校用のgmailアドレスにメールを送らせ、その年度のクラスリストを作成します。

で、今年度もそれを同様に行い、今年度はそれに加えて彼らにslackの招待メールを送ったのですが、今日の段階でも未だに3分の1の学生が承認してくれてません。

なので、明日学校に行って未承認の学生には「早く承認してね。」って言わないといけないっていう・・・


☆☆☆☆☆☆☆


で、もしかしたらこのslackは将来的に、日本語教師勉強会などに活用することもできるかもしれません。

また、それ以外の使い方もできるかもしれないので、模索していきたいと考えています。

そしてこのことは、仕事をしながら自分を成長させるってことでもあります。

あなたの仕事時間は、自己の成長に繋がってますか?


ほな、さいなら!


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akky_san at 15:07|PermalinkComments(0)