学習方法

2018年12月08日

私が担当してる一部の学生を反面教師にしてスペイン語学習に臨むとこうなる

私は今担当してるクラスの一部の学生は、今まで教えた学生の中で最も思考や価値観が乖離してると感じています。

そして本当にごく一部ですが、4月に授業がスタートしてから1mmも日本語能力が伸びていない学生もいたりします。

まあ、それは私にも責任があるんですが。

で、彼らを見ていて考えたのが、彼らの態度や行動と正反対のことをやれば、私のスペイン語学習は捗るんじゃないか、って仮説です。


さらに、私は特にスペイン語学習のこれといった目的はなく、まあスペイン語が分からないよりは分かった方がいいよねっていう程度で、必ずしも学習意欲が高いわけではありません。

また、机に向かって勉強するのが苦手であることに加えて、極度の面倒臭がりなので、高生産的な学習のやり方が必要になってきます。


なので、私が担当してる学生のどんな点を見てどう思っているから、自分の学習はこんな感じで行こう
と思っているかについて書いていきます。


☆☆☆☆☆☆☆


まずは、レッスン関連から。

1 予習をする


基本的に、私が今教えている留学生はほとんど宿題をした経験もなかったので、いわんや予習をや、といった感じ。

学校に来てテキストを開いて、その文型や漢字を初めて見るってことをやっていて、私はあまりにも生産性が低いと感じています。

私が予習をする目的は以下の2つ。

  • スペイン語に触れる回数を増やすため
  • 疑問点を予め見つけておくため

です。


前者については後で詳しく書きます。

後者の方は、私は色んなことに対して「え、なんでそうなるの?」などと疑問を持つタイプの人間なので、その疑問を解決しないと前に進めないんです。

それと、クラス授業で引っ込み思案な日本人の私は、なかなか質問をすることができないのに対して、プライベートレッスンでは聴き放題です。

しかも、その行為は独学ではできないことでもあります。

レッスンでしかできないことの1つです。


2 (できれば)エビングハウスの忘却曲線に沿ったタイミングで復習する


(できれば)と書いてある通り、これは実行を決定したことというよりは願望です。

なかなかその通りにやるのは難しいと感じています。

エビングハウスの忘却曲線については、こちらのエントリ(→「隙間女」と長期記憶)を参照していただけるとありがたいです。
 
そのタイミングで別の用事が入っていたりすると、なかなか実行できなくなります。

これは、まだ試行錯誤中ってことで。


※ 2018.12.10 追記!

3 現在の入門の段階でよくない発音を全て指摘してもらう


これ、書くの忘れてました。


これはなぜかというと、今まで日本語を学ぶ留学生を見て来て、最初の段階できちんとした発音ができないと後でそれを矯正するのが大変である、っていう例を山ほど見て来たから。

発音が正しければ正しいほど相手に伝わるので、本来であれば「発音の正しさ」と「伝わりやすさ」というのは対立する概念ではありません。

ところが、かなり初歩の段階で「伝わること」を「正しい発音」より優先してしまうと、これらの2つがトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)関係になってしまい、「正しくない発音」がなおざりにされ、結果その発音が化石化してしまうんです。

それに、発音が悪いと聞き手の類推力に頼ることになり、結果的に聞き手に理解の負担を負わせることにもなってしまいます。

まあ一斉授業だと教師があまり発音で注意してしまうと、その指摘を嫌って発話自体をしなくなるケースなどもあり色々難しいんですが、プライベートレッスンだとそれが無いし私からお願いしてるので何の問題もありません。


☆☆☆☆☆☆☆


ここからは、レッスン以外の学習方法です。


4 スペイン語に触れる時間を最大化する


これもそうなんですが、私のクラスの伸びてない学生の共通点は、「授業外はもちろん、授業内でも母語を頻繁に使う」ってこと。

それで、こちらのエントリ(→自分が最も欲しい成果を特定し、逆算して考えよう)のようなことをして、さらに成長が遅くなるっていう悪循環。 

なので、1の予習もそうですができるだけ1日の時間の中で、スペイン語に触れる時間を捻出しようと考えました。

私は前述したように机に向かって勉強するのが苦手な上に、現在は「1つのことだけに時間を使う」というのは生産性が低い行為でもあります。

さらに、私は面倒臭がりで飽き性でもあるので、こういうことをトータルで考えた結果、「ながら学習」が最適であるという結論に至りました。

ながら学習っていうのは、移動しながらとか料理しながらスペイン語を学ぶことを意味します。

具体的に何をするかというと、

  • 移動中や料理中に、スペイン語学習者向けのコンテンツを聴く
  • 日本語の字幕を表示させた状態で、スペイン語の映像作品を鑑賞する

といったようなことです。 

昨日、こんなコンテンツをApple Musicで入手しました。

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これについても、また後で詳しく書きます。 


それから、先週のレッスンで先生にオススメのスペイン語映画を紹介してもらうようにお願いしていて、今週先生がそのリストを持って来てくださいました。

因みに、先生の推し映画は「モーターサイクル・ダイアリーズ」でした。

ちょっと話が逸れますが、この映画の主演はガエル・ガルシア・ベルナルという俳優さんなんですが、私が以前に見た映画の説明で、「この人が出てる犬が出てくる映画で、乱暴なお兄さんと喧嘩する話」という、まるで全く誰も見たくならなそうな内容説明をしてしまい、しかも先生に伝わりませんでした。

さっき調べたら、「Amores perros」でした。


あと私が歴史好きなのもご存知なので、歴史物も色々挙げてくださってました。


ただ、鑑賞するって書くと1つの行為のように思われるかもしれませんが、字幕で意味を理解した上で「内容がこうならば、こういうスペイン語が使われてるんじゃないか?」と考えながらスペイン語を聴き、さらに映画を味わうことができるので、ながら学習ということができます。


それと、スペイン語のクラスレッスンを受けていた時は空港の便数のアナウンスを聞いて数字を特定するっていう聴解で全問正解できてたんですが、先日数字をことごとく忘れていてショックを受けました。

ところが、今は1〜100までは全部言えます。

なぜかというと、隙間時間に思考し思い出せたから、です。

これ意外に思われる方もいるかもしれませんが、考えていくうちになんとなく思い出すことができて、話すことはできるようになりました。

ただ、スペルは自信ないです。

それと、読解はどうしようか今は考え中です。何か、良い方法をご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。

5 文法の理屈は置いといて、短いセンテンスをチャンクとして覚えていく


上記の聴くコンテンツは、短いセンテンスがふんだんに入ったものです。

具体的に書くと、基本的に2〜4つくらいの単語から成るセンテンスの聴解です。

なので、私が文法理解できないと先に進めないにもかかわらず、文法理解はとりあえず置いておいて、ひとまずそのセンテンスやフレーズを何回も聞いてチャンク(1つの意味のまとまり)として覚えていく、ってことを今しています。

例えば、“Un cafe por favor."(コーヒーを一杯ください)といったような文をひたすら聴いて、覚えていくっていう作業。

この作業を行なっていき、レッスンでその文法項目が扱われた時に、「なるほど!そういうことだったのか!」ってしたいわけです。

なんとなく聞いているうちに、「この文法項目のルールは、これなんじゃないか?」などと思うようになって来たりもします。


それに、文法を1つ1つ積み上げていく作業しかしてないと、ものすごく時間がかかってあまりにも生産性が低いですし。


☆☆☆☆☆☆☆


以上のようなことを、私は自分のスペイン語学習で行なっていこうと考えています。

進捗や効果については、またエントリに書いていこうと思ってます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 21:20|PermalinkComments(0)

2018年10月30日

久しぶりにスペイン語の勉強を再開しようと思った 堀江貴文著「英語の多動力」

ここ最近、1日1冊くらいの怒涛のペースで本を読んでる akky です。

自分でもストップ効かせられないくらい、読みたい本、知りたいことが押し寄せてきてます。

これ多分、2拠点生活で移動時間が増えたのも関係してますね。


ちょっとタイトルで混乱してる人もいるかもしれませんが、この本は主に英語を「学ぶ」ということ自体を誤解してたり、今までに何度もトライしてても挫折したりしてる人に向けて書かれた本です。

著者の堀江さんはこの本の中で、英語に苦手意識を感じている多くの日本人の思考のクセを指摘して、楽しく継続的な英語の学び方を具体的に提案してます。

また、英語ができることによってどれくらい世界が広がるか、また視野や思考のポジティブな変化も非常に平易な日本語で提示されています。

 
で、この本を読んで感じたことや考えたことを書いていきます。


☆☆☆☆☆☆☆


1 スペイン語の勉強を再開しよう


以前スペイン語を習っていたのですが、あまりにもそのレッスンの生産性が低すぎてそのレッスンはやめちゃいました。(→語学学習のクラスレッスンが生産性の低い学習方法である理由4つ

本書では、英語ができるようになれば大規模な英語話者マーケットの中に入ることを意味し、人生にどれだけプラスになるか、どれくらいチャンスが舞い込みやすくなるかについて書かれています。

で、こちらの文科省のデータ(→文部科学省(1)世界の母語人口(上位20言語))によると、スペイン語は中国語、英語に続き母語話者の人口は世界第3位なんですよね。

それに加えて、もともとカトリックの国であるスペインはその教義から元々は人工妊娠中絶に否定的な人が多く、その影響もあり南米でも出生率が高い国が多いです。

アフリカ諸国ほどではないにしても、先進国よりはかなり高めです。

さっきザッと調べた感じでは、概ね2以上でキューバとブラジルが最低で1.7強って感じでした。

なので、スペイン語の母語話者は今後も増えると考えられます。

このマーケットの規模の大きさによって、スペイン語を学ぶインセンティブがあるんですよね。

それともう1つは、英語は確かにできた方がいいと思うんですけど、私にとってあんまり新鮮味が無いっていうのもあります。

なので、優先順位はスペイン語学習で、英語は時間があれば程度。


2 スペイン語はネイティブスピーカーじゃない人に教えて欲しい


スペイン語の学習が滞っている最大の理由が、なかなかスペイン語の母語話者じゃないインストラクターが見つけられないから。

できれば日本人であるに越したことはありません。

なぜ日本人がいいかというと、ネイティブスピーカーには日本人が持つ疑問が分からないことが多いし、引っかかる理由もわからなかったりするから。

相当な経験がある人ならある程度は分かってくれると思うんですが、やはり文化的な距離によって限界はあると思います。

その点日本人だと、「あ、この概念って理解するのムズいよね」とか分かってもらえる確率が高いです。

ところが、多くの日本人はこう考えず、ネイティブスピーカーに教えてもらいたい人が多い結果、スペイン語学習のマーケットになかなか日本人がおらず、それで私も見つけられないんじゃないかと考えています。


3 オンライン教材を遥かに凌ぐAI 語学学習アプリをちょっと使ってみたい


この本で紹介されている語学学習アプリが、とにかくすごい!

私の考えていた日本語学習教材を遥かに超えるようなものが、すでにあったんですねって感じです。

もし私が生身の先生で私にフィットする先生を見つけられなければ、多分利用すると思います。このアプリ。

興味ある人は、ぜひ「英語の多動力」読んでみてください。

日本語教育は、もう2周回くらい遅れてると感じました。


それともう1つすごいのは、ここまででほぼ完璧と思えるような仕様なんだけど、さらなる開発が続いているそうです。


4 語学学習の動機はさらに個人的なものになりそう


日本語教育に関して書けば、今までの日本語学校の学習者は日本の大学や大学院、あるいは専門学校に進学するという目的で来ている人が多かったです。

私が以前働いていた学校もそうだったし、今所属しているコースもそうです。

まあ私が働いていた学校が、そういうタイプの学校だったってことなんですけどね。

ただ、この流れが今後も続くかというと、そうも思えません。

かなり昔書いたエントリですが(→国立大の授業料が私大並みに値上げ?これ、留学生どないなるん?)、日本の大学の国際競争力は下がる一方です。

そうなると、別に日本の大学卒業したからといって就職に有利になるわけでは無いことに気づいた留学生たちから、日本は留学先として選ばれなくなります。

また、技能実習生の問題でも、日本より良い給料を出す国がどんどん増えていて、そうなると日本で働く旨味も無くなります。

こういうことを悲観する向きもありますが、私はそれほどネガティブなことだとも思ってないんですよね。

なぜなら、今まで日本に留学に来ていた学生の多くは、その動機が功利主義的だったから。

端的に書くと、「日本語を学ぶのは、何らかのメリットがあったから」ってこと。


これを逆に考えると、今後はおそらく単純に日本や日本語に興味を持つ人が留学するんじゃないかってこと。

この「英語の多動力」の中で、トルシエ監督の通訳として活躍したフローラン・ダバディさんの話が印象的。

彼が日本語を勉強したのは、「日本語の文章の組み立てが面白かったから」だそうです。 

こういう人、増えるんじゃないですかね?


あるいはこちらのエントリ(→私が将来も生き残ると思うのは、教養としての日本語) のように、実用性度外視の教養としての日本語が生き残りそうです。

どちらにしても、純粋な知的好奇心が語学学習のインセンティブになりそうです。


今までのような画一的な動機ではなく、非常にピンポイントな個人的な動機で日本語を学びたい人が増えるんではないでしょうか?


私がスペイン語を学ぶ目的は特に無いんですが、強いて挙げるとするならば、スペイン語学習を通してスペインの歴史や文化を見つめながら理解していきたい、ってことですかね。


あとは、スペインも含めたスペイン語圏への旅行の免罪符にしたい、っていう隠れた目的もなきにしもあらず。

ただの旅行だと私はケチなので、贅沢をしてる気がして後ろめたくなります。

しかしながら、「これはスペイン語の練習のためである」という口実を設ければ、その後ろめたさはなくなります。

ちょっとした自己欺瞞です。


☆☆☆☆☆☆☆


今回は、日本語教師としてこの本を読んだ感想を書きましたが、他にも英語学習者やその他の言語学習者の人が読んでも相当役に立つ本だと思うので、紹介した次第です。

よかったら、読んでみてください。


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英語の多動力
堀江貴文
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2018-08-09



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akky_san at 14:26|PermalinkComments(0)