学習者

2019年02月05日

これからの日本語教育は、学習者のバックグラウンドも考慮に入れる必要があるのでは?

今の学校で、ベトナム人留学生にガッツリ関わるようになり、今まで気がつかなかったことに気づくようになるってことが増えました。

例えば、こちらのエントリ(→「影が長くなるのは夏か冬か?」が分からないベトナム人留学生をどう思いますか?) 


で、このことに関連して、私が特にベトナム人に理解が難しいんだろうな〜と思う旧2級文型があります。


それは、

〜を通じて(〜を通して)



です。

特に、期間について述べる時。

例えば、

  • この地方は、一年を通じて30℃以上ある。

などのような内容の文。


↑ の例文を読んで、あなたはどう思いましたか?

っていうか、それとベトナム人学習者とどういう関係があるのか?って思いました?


これって、実は隠れた前提があって、その前提っていうのは

日本では1年の中で、気温は時期によって高い時と低い時がある

というものです。


まあそうですよね?


日本では、夏と冬の寒暖の差がありますもんね。


なので、日本語教師も含め、日本人は1年の気温はそういうもんだというふうに考えがちです。


でも、実はそうじゃない国もあるんですよね。


それが、ベトナムです。(地域差はありますが)


特に高原に位置するダラットなんかは、1年を通して気温はほぼ一定です。

それが常識である人にとって、時期によって寒暖の差があることを前提としている「〜を通じて」を理解するのは、至難の技です。

彼らにとっては、1年間あんまり気温が変わらないっていうのが前提なので。


☆☆☆☆☆☆☆


なので、私がそういう学生にこの「〜を通じて」を教える時は、その辺の事情説明をした上で文型の説明をするようにしています。

「君たちの出身地ではそういう感じかもしれないんだけど、日本はそうじゃないんだよね。」っていうことを確認してから文型説明に入るって感じですかね。


この辺り、日本語教育関係者はもっと敏感になっていいんじゃないかな、って思います。


ほな、さいなら!


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akky_san at 21:17|PermalinkComments(0)