文型の本質的な働き

2019年05月06日

今日初対面の備前市観光協会の方にご挨拶で使った、旧1級文型「〜かたがた」の本質的な働き

今日用事があったので、備前市日生(ひなせ)に行ってきました。

その用事の1つが、備前市の観光協会の人に会うこと。

内容はここでは関係ないので触れません。


初対面だったので丁寧に挨拶しようと思って、自然にふと口をついて出たのが、

ご挨拶かたがた伺いました。


という文。


ここで使われている「〜かたがた」は、昔の日本語能力検定試験の1級の範囲に含まれる文型です。


昔の私は、「〜かたがた」と「〜ついでに」や「〜がてら」とどう違うんだろう?ってよく悩んだりしたもんです。


ただ、今回は「どうして私はこの文型をチョイスして使ったんだろう?」と思い、自己分析してみました。

その結果、「多分これがこの文型の本質的な働きなんじゃないかな?」というものに思い至っちゃいました。


例えば私が、「ご挨拶するためだけに来ました。」と言ったとしたら、おそらく相手は「まあ、わざわざこんな遠いところまで申し訳有りません。」っていうごめんなさいモードに突入し、私の言い方で相手に精神的負担を与えることになってしまいます。

ところが、「〜を兼ねて」的な意味合いをもつ「〜かたがた」を使えば、聞き手である相手に精神的負担を与えません。

そういう負担を与えないための配慮をする、というのがこの「〜かたがた」という文型の本質的な働きなんじゃないかと。

もっというと、「ご挨拶かたがた伺いました。」を「ご挨拶を兼ねて伺いました。」と解釈しても、実は単純化すれば「挨拶に来た」という1つの行動にすぎません。

なのでうがった見方をすれば、相手に配慮する以上に、この場合は「実は1つの行動なんだけど、2つの行動に聞こえるように、錯覚させる」働きである、とも言えます。


凄まじい日本人の配慮のやり方、って気がします。


錯覚させてまでも、相手に配慮するっていう・・・


☆☆☆☆☆☆☆


こう考えてくるにつけても、旧1級文型って超使い勝手がいいなって感じます。


ほな、さいなら!


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akky_san at 21:21|PermalinkComments(0)