働き方

2019年02月13日

日本語教師の給料が低いと(多分)学校を批判してる先生に聞いてみたい3つのこと

よくツイッター界隈などで「日本語教師の給料が低い!重要な仕事なんだから、もっと待遇をよくすべきだ!」といったような呟きを目にします。

私も以前はそんなふうに考えていたんですが、ここ最近はちょっと考えが変わってきました。

それと同時に、「なぜ需要が高まってる日本語教師の給料が安いままなのか?」という問いに対しても、同じ内容で答えられると思うように。


私の見解はひとまず置いといて、上記のような考えをお持ちの先生にしてみたい質問を3つ挙げていきます。


☆☆☆☆☆☆☆


1 どうして日本語教師の給料が低いか、ちょっとでも考えてみたことがありますか?


私はこちらのエントリ(→日本語教師こそ問題解決力が必要な理由 高田貴久著「問題解決 あらゆる課題を突破するビジネスパーソン必須の仕事術」)で読んだ内容で、かなり多くの日本人が陥ってる思考の罠が「問題解決のコインの裏返し」だと思っています。 

そして、「教師の給料が低いから、高くしろ!」っていうのもそれに該当するんじゃないかと。

上記の書籍の中の「コインの裏返し」の定義を引用すると、

 コインの裏返しとは、あたかもコインを裏返すように「表面的に見えている問題を、そのまま裏返して対策にすること」を指す。

ってこと。 

「売り上げが落ちたから、売り上げを上げろ」とかも同様のパターン。


そして、それを避けるために必要なのが「なぜなぜ分析である」と筆者は説きます。


もしあなたが日本語教師で低い待遇に憤りを感じているとして、今までに「なぜ日本語教師の給料は低いのか?」と考えてみたことがありますか?


そして、もし考えたことがあるという先生は、その理由は何だと考えますか?


私は考えたことがあって、以前のエントリ(→日本語教師の給料がなかなか上がらないたった1つの理由)でそれについて書きました。

私、実はこのエントリを書いている時に「もしかしたらバズるんちゃうやろか?」とさえ思ってましたが、無風でした。

誰にも何の反応もされず、スルー感半端ない的な。


それは何でだろう?って考えてみて、やっぱり「耳が痛い内容」だったからじゃいかと感じました。


まあなかなか自分で給料の交渉をするのは雇い止めをされるリスクが高まるため。相当ハードルが高くなることに繋がる、ってことも十分私は理解しているので、全ての日本語教師にそういう行為を促しているわけでは決してありません。

が、改めて問いたいのが「自身の雇い止めや解雇のリスクを回避する」のと、「日本語教師の給料を上げる」ことを天秤にかけて、どっちを優先しますか?ってことですかね。


2 いくら以上であれば十分な給料だと思いますか?


一般的に、日本語教師の非常勤講師は時給、常勤講師は月給って学校が多いと思うんですが、「日本語教師の給料が低い」というのであれば、逆にいくらだったら妥当なんですか?っていう質問ですね〜

私は個人的には、もう「時間をベースにした給与計算」っていうのはオワコンだと思っているんですけど(→「時給 × コマ数 = 給料」というシステムの限界)、日本語学校の現状がそんなんなんで、一応それベースで聞いています。

現在の給料が低いと思うということは、逆に考えると妥当な給与水準をその発言者は持っているということになります。

それがいくらぐらいであれば妥当なのですか?って聞きたい。

そして、できればその根拠も聞きたい。

相場とかそういう根拠じゃない根拠。


3 あなたの授業の価値はいくらぐらいだと思いますか?


これも、時給換算とかでもいいんですけど、あなたの授業の価値を金額にするといくらぐらいですか?っていうご質問。

ここ最近このブログでも書いているように、日本語学校での一斉授業が外国人留学生の日本の教育機関に進学するインセンティブの低下に伴って価値を失いつつあると思っていて、そうなると日本語教師は従来のような学校という組織に所属するのではなく、個人主体のフリーランスっていう働き方になっていくんじゃないかと考えています。

そうなると、自身の授業の価値がどれくらいかを考え、プライシングする必要性が生まれます。

それと、その金額の根拠も必要になりそう。


なので、私のイメージとしては、現行の日本語学校であれば採用面接の時に、フリーランスであればレッスンの契約時に相手に対して「私はいくら欲しい 。その根拠は〜だから。」ってことが提示できないとキビシイのかな、と。


まあ要するに、自分が相手に対してどの程度の価値を提供できるのか、を言語化するってことなんです。


ちょっと話は逸れますが、私は少なくとも日本語教師勉強会に来てくださってる先生にはその辺りのスキルも身につけてもらいたいってことで、決済方法に Polca を導入したんですよね。 

じゃないと、将来的に生き残れなくなるかもしれないですし。


☆☆☆☆☆☆☆


よく、いろいろな改善を求める要求を提示して「声を上げ続けることに意味がある」っていう言説を聞いたりしますが、私は日本語教育に関してはそういうのに懐疑的です。

なぜかって?

今まで主張し続けて改善されたって例を知らないから。

何かありましたっけ?

もしかしたら私が知らないだけかもしれないので、そういう例をご存知の方がいたら教えてくださるとありがたいです。

私としては、声を上げ続けることが最も日本語教師の待遇改善に繋がる方法なのか?を考え、繋がらないのであれば他の有効な方法を模索し、その方法を試したりしたほうが望んでいる成果に早く到達するんじゃないの?と考えているところです。


これを読んだあなたは、どう考えますか?


ほな、さいなら!


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2019年01月30日

「akky先生、学校を辞める」の巻

いや〜タイトルのまんまなんですけど、私学校辞めます。


昨日、学校長?学科長?とのカウンセリングがあり、その内容が今年度の振り返りと来年度の予定ってことで、その際にもう学校側には伝えたので、ここで発表しても大丈夫だろうとの判断で、今日の記事になりました。


で、リアルで繋がってる同僚の先生何人かにもお伝えしました。

やっぱビックリされてましたね〜

前の学校を辞めた時もそうだったんですが、辞めることを伝えた時の相手の反応は大体、

  1. どうして辞めるのか?
  2. 辞めた後、どうするのか?

に集約されます。 

1については、ちょっと今回は無いっていうか、逆に「私がこの学校にこれ以上い続ける理由は無いなぁ〜」って思ってたので。

まあでも、強いてあげるならこれらかな?的に思い当たることもあるので、後述します。


2のほうは、ほぼノープランです。

ただ、2拠点生活は続けようと思っています。

そして、そっちの2拠点生活のほうでここ最近色々な動きがあるので、とりあえずできるところから優先順位を決めてやっていこうかな、と。

日本語教師のほうは全然予定がなく、さしあたってはフリーランスってことになりそう。

去年、一昨年あたりも単発の仕事の依頼が入って、それを受けたりしていたので今年度もそういう依頼があればお引き受けしようかな、と。

機会損失を発生させたくないので、来た仕事は基本可能な限りは受ける予定。

自分の判断で「う〜ん、面白くなさそう。」と思い、実際やってみたらハマるくらい楽しいってこともあるかもしれないので。


これらのことは、日本語教師勉強会で先生方や学生たちに伝えたら、結構心配そうにされていて、私が一番のんびりしてるっていう・・・

とりあえず、ゆるゆるやっていきます。


☆☆☆☆☆☆☆


で、ここからは辞めた理由。


1 私の日本語の授業を本当に必要としている学習者にだけ教えたいから


この思いは、ここ最近強くなるばかりでした。

一般的な日本語学校で、外国人留学生が教師を選べないのと同様に、教師も学生を選べません。

そのため日本語教師は大概、その教師にとって良いクラスに当たれば喜び、あまり褒められない学生が多いクラスを受け持つと気持ちが沈んだり荒れたりします。

もうね、私はそういうのウンザリなんです。

クラスの性質によって、こちらの精神衛生が左右されるのには、もう耐えられません。


なので、こういう状況から脱却するにはこういうハコモノの教育施設を辞めるしかないと判断し、辞めたわけです。

私にとっては、特に今年のクラスは去年のクラスが良すぎただけに、私にとって好ましくない学生の存在が特に目立ってしまったことも大きいです。


因みに私にとっての良い学生(クラス)っていうのは、

本当に日本語が上手になりたいと思っていて、なおかつそれにはakkyの授業が必要である

と思っている学生(クラス)です。


現在私が担当しているクラスは、4分の1くらいがそんな感じで2分の1がどっちつかず。

後の4分の1が全くやる気のない学生といった感じ。

私の授業の価値が高いのか低いのかは分かりませんが、少なくとも最後の4分の1は「akky の授業には価値が感じられず、そのため教師の授業を聞くことよりも、より価値が高い動画を見ることを優先する」という行動をします。

彼らにはここまで明瞭に意識化できていないため、こういう内容を彼らに提示すると否定するとは思いますが、つまるところはそういうことです。


現在は色々なテクノロジーが発達して来ていて、それを利用すれば日本語教師にも色んな働き方ができるようになってるんだし、いつまでもこういうミスマッチ(→国内の日本語学校で起きてるヘンなことに共通する「マッチングのマズさ」)の状況に甘んじてるにもどうなのかな、ということですかね。


2 自己の成長可能性が低いから


私は常勤講師として働いていた時には、基本毎日学校に来ていたので、ウチのコースのベテラン非常勤と日本語について色々意見交換したり議論したりする機会がありました。

そのことで、かなり日本語教師としては成長できたと感じています。

ただ、非常勤になりその先生方を会う機会がなくなっちゃったんです。

それと、教師を成長させるのは何も先輩ベテラン教師ではなく、学生が大きく影響します。

その学生が前述したような体たらくなのでねぇ・・・


確かに、どこの日本語学校にいても教師が全く成長しないというわけではありません。


しかし私にとっては、自分がいる「場」が最も成長できる場なのか、あるいはその場で成長のための生産性が最大化できるかどうか、が重要。


成長のスピードが遅いであろう場よりも速い馬、成長の伸びが小さい場より大きい場を選びたいんです。


3 他の先生との思考や価値観が乖離しすぎているから


これがね〜、精神的にどんどんしんどくなって来たんです。

そして、このことについては私もちょっとうまく説明できる自信がないんですけど、一応やってみます。

その根っこになっているのが、

  1. 時間とお金に対する価値観の違い
  2. 認知バイアス

です。

先日、ある先生に「ロボット掃除機安かったから買ったんですけど、超便利だし快適ですよ!」っていったら、「私は、掃除くらい自分でやろうって思いますけど。」って言われちゃいました。

意味、分かります?

私、一瞬自分が何を言われたのか理解できませんでした。


おそらくその先生も掃除機は使うだろうから、人間がそれを操作するか完全に放置できるかどうかの違いじゃないの?

っていうか、そもそも掃除機を使ってる時点で自分でやるって言っていいの?

確かに自分で動かしてはいるけど機械に任せてるわけだし、本来自分でやるっていうのは箒とかで掃除することなんじゃないの?

その一方で、全部機械に任せるという意味では同じになる全自動の洗濯機での洗濯も、洗濯板に置き換えないといけないってこと?

などと、疑問が湧いて来ました。


なぜこのように歪んだ思考になるのかというと、認知バイアスが働いているから。


1 確かにロボット掃除機は便利で、部屋も快適になりそうだ。

               ↓

2 しかし、私はロボット掃除機を持っていない。

               ↓

3 ロボット掃除機を持っていないことを正当化する必要が出てくる。

               ↓

4 私は「買えない」のではなく「買わない」のであると思いたい。

               ↓

5 掃除くらいは自分でやるべきだという理屈を作り出して、「買わない」理由にする。


ざっとこんな感じかと。

私は最近、心理学や行動経済学の本を読んでいるため認知バイアスについて知る機会が多く、リアルで接している人の認知バイアスに無意識に敏感になっているように思います。

そして、そういうのが見たくなくても見えてしまうので、精神的にしんどいな、と。


☆☆☆☆☆☆☆


私は、今まで重大な決断や行動が3〜5年遅かったと後悔することが多いんですが、今回に限ってはこのタイミングで正解かな、と考えています。


ほな、さいなら!


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2018年06月19日

今回の大阪の地震で改めて思ったこと

いや〜地震すごかったですね!

今日出勤したら、教務室はその話で持ちきりでした。


で、今回は地震発生から色んなことを見聞きして思ったことなんかを書いていきます。


☆☆☆☆☆☆☆


1 2拠点生活は災害リスクが低い


私、地震が発生した時は岡山県備前市の自宅で寝てました。

前日の夜中に漆喰を塗ってたらスイッチが入ってしまい、結局午前3時ごろまで塗ってたから寝たのが遅くて地震発生時にはスヤスヤ寝てたんです。

で、当然のことながら思ったのは、家が2箇所にあったら災害に遭うリスクは低下するな〜ということ。

もちろんその2箇所で被災するリスクもあることはありますが、それは確率的に低そう。

で、特に岡山県は県内に活断層がほとんどなく、地震発生のリスク自体が低いです。

一方、今回の地震関連の報道で改めて知ったのは、大阪府は活断層だらけだってこと。

今日確か茨木市にお住まいがある先生がおっしゃってたのは、「もう片付ける気にならないくらい部屋が(地震の揺れで)ぐちゃぐちゃになった。」ってこと。 


だから、こういう人は私の周りに多いので書きにくいんですが、「大阪に家を1箇所だけ持ってる人」は相当高いリスクを背負ってることになります。


こういう人は、2拠点生活を一度真面目に考えてみてはどうでしょうか?


私の肌感覚では地方移住って今どんどん拡大してきてる上に空き家も増えてるので、もしかしたら場所によっては良い賃貸物件があるかもしれません。

ちなみに、私が住んでる地域にも空き家が何軒かあるそうです。


2 職住近接は自宅困難リスクが低い


私は、今回の地震の最も大きな混乱は、地震そのものというよりも地震により交通機関がストップし、帰宅困難者があふれたこと、という印象を受けました。

ニュースでも取り上げられていましたが(→【地震】新淀川大橋が歩いて渡る人の渋滞に「橋を渡るのに順番待ちが発生」)、 淀川に架かる新淀川大橋に長蛇の列ができていたようです。

おそらく、この橋の近くの大阪メトロの御堂筋線がストップしたことによって生じた現象かと。

また、帰宅難民はここだけじゃなく大阪駅など他にも色んなところで発生しました。

なので、こういう災害を想定すると、やっぱり職住近接が正解なのかなと。

先ほどの橋の行列の人の中には、(大阪以外の人には距離感がわからないかもしれませんが)吹田市や豊中市にも徒歩で帰る人がいたそうです。

ちょっと普通徒歩では考えられない距離です。


私は幸い、自宅から職場までは地下鉄で2駅程度の距離なので、歩いても30分くらいです。

私の場合はたまたま今の職場が偶然自宅から近かっただけなんですが、これから住まいを決めるかたはこういうリスクも想定して選ばれるといいかも。

また、今の自宅と職場が遠いって人は、引越しするのもアリかなと。

転職より引っ越しの方が、行動のハードルが低いですしね。

だいぶ前に私が書いたエントリです。 → 日本語教師のためのマネーハック術 1住居について考えよう

1と2に関連してますので、よろしかったらどうぞ。


3 シングルインカムはリスクが高い


やっぱり収入源が1つだけっていうシングルインカムは、超ハイリスクだと思うんですよね。

今回の地震関連で、かなり気になったニュースがこちら。

「大阪北部」地震 震度6弱の地域に企業は3万8,322社

中小企業はキビシいでしょうね。

特に体力が無くて自転車操業をやってるところは、資金繰りとか相当難しそうです。


で、もしあなたがこういう企業で働いていたら、会社自体が倒産して無くなってしまう可能性があるわけです。

そして、収入源がその会社だけだとどうなるでしょう?


日本語学校も何%か分かりませんが、個人経営のところが多いですし。


だけど、複数の収入源があれば、まだ凌げるかなと。


シングルインカムだといくら潤沢に貯金があったとしても、入ってくるお金が0になるわけだからいずれ底をつきます。

つまり、貯金額は無収入の生活をいつまで続けられるかに関わるだけ、とも言えます。

これ関連のエントリはこちら。

「日本語教育以外のスキルを身につける」のと「収入源を複数にする」のは日本語を教えるスキルを貶める?


4 組織の判断スキルが重くなってきた


地震発生後の、あなたの勤めている職場の対応はどうでしたか?

ウチの学校は結構すぐに、Googleフォームで安否確認のメールを各講師に出してました。


交通機関が地震発生時に緊急ストップがかかるようになり、脱線事故が無くなったのと同時に車内に閉じ込められたり、止まった場所によっては帰宅困難になるリスクも高まりました。


そして、今度の地震が発生した時間が超ビミョーで、既に出勤で家を出た人とまだ自宅にいた人が混在していたタイミングでした。

そのタイミングで組織としては、かなり迅速に適切な対応をとる判断スキルが必要とされるようになってきたと私は考えます。

既に家を出てしまった人は仕方ありませんが、家に残っている人に対して相当スピーディーに指示を出さないと、本来そういう指示を受けていれば被災せずに住んだ人を被災させてしまうリスクを組織側は持っているわけです。


また、私が今も尚実際にちょっと怖いって思っているのが「余震」です。

そうなると、組織は地震発生後だけでなく「余震」が起きるか否かまで考えた上で、業務を再開するタイミングも判断する必要が出てきます。


この「短い時間で、いかに適切な判断ができるか」ってスキルは相当高度です。

でも、その組織側の判断で従業員の生死が左右されるというのも、また事実です。


5 SNSぎらいが日本社会の足を引っ張る可能性


今回の地震でも、SNSは活躍してくれました。

まあいくつかデマなどもありましたけど。

で、今日学校に出勤して他の先生方が話している内容が聞こえてきたのですが、その中で気になったのがそのデマに触れていた「(デマが飛び交うから)だから私はSNS嫌いやねん!」って言葉。

でもこれって論理的におかしくて、SNSが存在したという理由でデマが拡散したわけではありませんよね?

SNSはその拡散に使われただけで、デマが生まれた原因ではありません。


私のリアルつながりの日本語教師の中には、相当な数の「SNSとか無くてもいい!むしろやらない!」って先生がいます。

SNS断固拒否的な人たち。

私は今回もSNSは役に立ったと考えているのですが、これ逆に考えると「SNSをやっていない人は、(少なくとも)私が役立つ情報だと思う情報を手に入れてない」ってことになります。

それって危険じゃないですか?


私の脳裏には、次のような流れが浮かんでます。


・災害時にもSNS を拒否する人たちがいる

          ↓

・その人たちは貴重で有用な情報を手に入れられないせいで行動できない

          ↓

・障害者や高齢者、子供など、本来まず助けられるべき人たちへの救援の一部がSNSぎらいに割かれる

          ↓

・上記の人たちの救助が遅れたり不十分になったりする

          ↓

・SNSぎらいへの世間の非難が集中する


っていうネガティブな想像ですけど・・・


SNSぎらいの人たちは「私たちは放っておいて!」って言うかもしれませんが、倫理的に考えてそれは不可能です。


こんな日が来ないことを祈りつつ。


6 日本は過去から学んでる


今回の地震の揺れが強かった場所は、人口も多く人口密度も高い地域でした。

でもその割に死傷者は少ないです。

これ、よその国の同規模の都市で同規模の地震が起きたら、死傷者はこんなもんじゃなさそう。

そう考えると、日本という災害の多い国で日本という国は過去から学んでる、と言ってもいいんじゃないでしょうか。

確かに今回、ブロック塀の倒壊で女の子が亡くなるという痛ましい事故も起き、それに関して「過去から学んでいない」という声もあります。

確かにそこだけ見るとそうかもしれませんが、もっと視野を広げると学んでることは多いように思います。


☆☆☆☆☆☆☆


今回の地震によって亡くなった方、怪我をされた方、避難生活を余儀なくされている方もいるので、地震が起きてよかったなどとは全く思わないんですけど、起きてしまった以上はこのエントリで触れた「暮らし方」や「働き方」を改めて考える契機になればいいなと思っています。


ほな、さいなら!


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2018年04月07日

日本語学校の人手不足を解消し、日本語教師の平均年収額を上げる方法

私自身は実感として感じることはあまりないんですが、国内の日本語学校の人手不足って深刻なようです。

でも間接的には、「誰か良い先生いたら紹介して!」などと頼まれることも時々はあり、徐々にですがその頻度は増えていってる気がします。

人手不足を解消する方法としてまず考えられるのは、「採用人数を増やして、教師の頭数を増やす」ってこと。

ただ、これにはデメリットがあります。

それは何かと言うと、「教師の質が担保されない」ってこと。

偶然高い教授力を持つ教師ばっかり採用されればいいですが、頭数を確保しようとすると一定のレベルに達していない教師も採用しなければいけなくなったりするんです。

「時間=コスト」って発想が無い経営者は気づいていないんですが、そういう教師が採用されてしまうと多大なコストがかかってしまいます。

学校によって対応は様々ですが、同じクラスで教えている他の非常勤講師やレベル担当教務が、その人が行った授業内容についてのフォローをしないといけません。

また教務や教務主任が教案チェックやら授業見学やら、かなりの時間をその教師に割くことになりますし。


ってかそもそも、急遽教師の人数を増やさなければならないって状況にならないように、最初から受け入れる留学生の人数の方を調整しておけばいいだけの話なんですけど。

考え無く、「とりあえずできるだけたくさんの留学生を受け入れよう」と、今までやってきた発想を思考停止状態で踏襲してるからそういうことになるんです。


ただ、教師が必要になる局面は必ずしもそれだけではないとも考えられます。


色々なケースが考えられると思いますが、その事情は今は一旦置いといて、どうすればいいかというとこれです。

現在、扶養控除の範囲内で働いてる主婦の先生の授業コマ数を増やす


です。

この前提として、この主婦の先生は掛け持ちをしておらず、授業に入っていない時間も授業に入ろうと思えば入れる状況の先生です。


私は個人的には、主婦の先生は扶養の範囲内で授業コマ数を抑えるより、もっとガツガツ働いたほうがいいんじゃないの?と考えています。

あ、ここでは細かいお金のことには触れません。


扶養の範囲内で働けば、確かに様々な出費は抑えられます。

まあそのご家庭によって事情は違うと思うんですが、ただ出費を減らしたいだけならやめといたほうがいい。

なぜかというと、確かに出費は抑えられますが貰える年金が増えるわけではない上に、将来の年金政策によってはかなり影響を受けるから。

なんか、どんどんどんどん年金受給年齢上がっていきそうじゃないです?

あと、厚生年金なんかもどんどん支払額が引き上げられそう。

特に年末調整しかしてないシンググインカムのサラリーパーソンって、かなり払わされそうです。


あとこないだビックリしたんですが、私学共済の「定額積立預金」(年金とは別の、個人が任意でできる預金)みたいなやつの金利、かなり下がってるんですね。

この預金って複利なんですけど、こんだけ金利が低いと複利のメリット皆無じゃないの?ってレベルで。


そして、扶養を超えて働くことは、日本語教師全体の平均年収額を上げることにも繋がります。

どういうことか分かります?

っていうか、逆に書くと今までは扶養範囲内で働いていた先生たちの年収が低いことが、日本語教師全体の年収を押し下げてたってことなんです。

意志的に労働時間を抑え、そのことが扶養範囲内で働く教師の年収を下げ、そういう人の割合が何%かは分かりませんがバリバリ働いている人も含めた日本語教師全体の平均年収の押し下げ要因になってるってこと。

気をつけてもらいたいのが、これは「日本語教師の時給単価の金額を上げる」ってこととは全く別の話ってこと。

それは、個別の日本語学校の判断に左右されます。


それから、採用して教師を増やすのには採用試験などのコストがかかるのに対して、既にそこで働いてる主婦の先生にコマ数を増やしてもらうほうがコストもかからないし現実的です。


☆☆☆☆☆☆☆


ところで、「合成の誤謬」って言葉をご存知ですか?

これは、個人などのマクロの視点で考えると合理的な判断だったことが、マクロ的に見るとマイナスに働いてしまうこと。

合成の誤謬には現実の事例も数々あるのですが、私が考える典型的な合成の誤謬が「節約」です。

ミクロの視点の個人や家庭などにとっては、節約することは無駄遣いを無くし可処分所得が増える、合理的判断です。

ところが、国全体の経済(マクロ)で考えると、多くの人が節約をすると個人支出が減り消費が落ち込むので、不景気になります。

この扶養内で働くってことも、合成の誤謬であると私は考えます。

どういうことかというと、そういう先生も含めて押し下げられてしまった年収が平均になってしまうと、これから日本語教師になろうとしてる内情を知らない人に、間違ったメッセージを与える可能性があるってこと。

せめて非常勤講師を一括りにするのではなく、例えば5コマごとなどコマ数に幅を持たせて、10コマ担当してる教師の平均年収、20コマ担当してる教師の平均年収など加重平均してほしい。(誰にだろ?)


ただ、主婦の先生にコマ数を増やしてもらうには、何らかのインセンティブが無いとなかなか難しい。


私だったら例えば、扶養範囲内の時給は据え置きで、範囲を超えた時間の時給は1.5倍にしたりするかも。

ただ心配なのは、主婦じゃ無い先生の理解が得られるかどうか。

でも本当に人手不足で二進も三進もいかなくなってる状況であれば、そのハードルも超えられそう。

主婦の先生にしても、いくら働いても家計の収支分岐点を超えるくらいの給料をもらえなければ、そのインセンティブは得られませんし。

本来、「主婦の教師の給料が上がる」ことは「主婦以外の教師の給料が下がる」こととは全く違い、それ以外の教師が損をするわけではないんですよね。

まあ、不公平感は理解できますが。


困った状況を2つも打開できる、超ミラクルな方法じゃないですかね?


ほな、さいなら!



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2018年02月22日

職場のストレスチェックの結果が届いたので、自分にとってのストレスフルな職場について考えた

以前受けた職場のストレスチェックが忘れた頃に届いたので、結果を見てみました。

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あ、職場っていうのはもちろん今教えてる学校です。


結果を書くと、

あなたはストレスをあまり抱えておらず、またストレスの原因となる要素もあまりないようです。


でした。


案の定といったところ。


もうちょっと細かく見てみます。


1 あなたの現在のストレス反応


活気、イライラ感、疲労感、不安感、抑うつ感、身体愁訴、全てに問題はみられませんでした。


2 ストレスの原因となりうる因子


仕事の量的負担、質的負担、対人関係のストレス、仕事のコントロール度、全てに問題はありませんでした。


3 コメント


今回の調査時点では、問題はありませんでしたが、普段からストレスをため込まず、気分転換をはかるように心がけることをお勧めいたします。


すみません。ちょっと細かく分解したつもりだったんですが、全く誰の参考にもならない情報ですね・・・

ただ、この記述自体について思うのは、「コメントの内容が、めっちゃ日本人の発想だ」ってこと。

問題ないなら「良かったですね」で終わればいいのに「普段からストレスをため込まず」とか余計なお世話っぽいこと書かなくてもいいのに。

「普段からストレスをため込んでない」からこその、この結果では?


☆☆☆☆☆☆☆


このようにほぼ問題は無いのですが、唯一スコアが低かったのが「職場環境」です。

ウチの学校は、他の学校にお勤めの先生から見たら職場環境いいって思われることが多いし、実際まあまあいいんですがちょっとだけ職場環境関連で不満を挙げるなら、以下になります。

  1. 駅から遠い
  2. 午後も授業がある日は、昼休みを挟むので拘束時間が長くなる
  3. この学校でしか教えたことがない教師が多い
  4. 使いたい教材が無いことがある
  5. PCの動作が遅い
  6. 事務員さんが少ない
  7. 基本的に学生に甘く、厳しい教師は求められない
  8. 日本語学校だけではないため、教室が自由に使えないことがある
  9. 校舎が古い
  10. 組織全体でもそれぞれのコースでも、PDCAを回せてない
 
くらいですかね。

1に関しては、大阪市内のまあまあ便利な場所にはあるんですが、如何せん駅から遠い・・・

まあ日本語学校で大体駅から遠いことが多く、駅直結の日本語学校とか聞いたこともないです。

でも、昔ウチの学校が違う場所に会った時には、雨が降っても濡れることなく地下から行けたそうです。

4は、日本語学校にしては教材が多い学校だとは思うんですが、「これ使いたい!」っていうのがなかったりすることもあります。

6はこの学校に初めて来た時にビックリしました。

え、こんだけ?的な。

前いた学校とは学生数などの規模はかなり異なるのですが、それを入れても少ないんじゃないかと。

8も結構ストレスフルで、授業時間以外で面接練習をしたい時には、教室を予約する必要が出て来ます。

それだけならまだいいんですが、予約したのに行ってみたら授業や他のことに使われてたりします。

これは、校舎全体のシステムを無視してる人が一定数いるってこと。


☆☆☆☆☆☆☆


で、私は今はストレスを感じてないけど、もしそれが存在したとして私が最もストレスを感じるだろうと思うのは、


1 時間を自由に使えない

2 裁量権が無い


ってこと。

1に関しては、意思決定プロセスが全く無い会議やミーティングなどです。

2も重要で、私は今かなり大きな裁量権を持っているので大丈夫なんですが、例えばすごく細かく授業運営が決められてるカリキュラムとか、めっちゃ窮屈に感じます。

これはでも、人それぞれでしょうね。

私が大きな裁量権を持てているのは、ウチのコースの特殊性によると考えています。

曜日ごとに教える項目が分かれているため、引き継ぐ必要が無いっていうのは私にとって超楽チン。

もし積み残しても、次の週の自分の時間にやればいいだけなので。


あなたは今、自分の職場でストレスを感じていますか?


感じていてもいなくても、「自分は何に特にストレスを感じるのか?」を考え、それに気づいておくことは職場を変える際に有効になります。

「これは許せるけど、こういうのは無理」みたいな軸を持っておけば、あまり迷わずに職場選びができるから。

一度そういうことを考えてみてはどうでしょうか?


ほな、さいなら!



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