語彙
2015年12月07日
外国人留学生が意外と教わらないオノマトペが必要なケース4つ
日本語学校では、学生にオノマトペをあんまり教えてないような気がします。
学生は教わってないので、オノマトペをあんまり使わないし、見たり聞いたりしてもイメージが湧かないことが多いです。
あ、オノマトペっていうのは、いわゆる擬音語・擬態語のことです。
例えば
・雨がざあざあ降る。
・父はかんかんに怒っている。
などです。
でも、留学生にもオノマトペが必要なケースはあると思うので、今日はそのケースについて書きます。
1 病気やけがの症状や痛みを説明する
これ、多分一番重要で切実なケースだと思います。
時々、授業中に体調が悪くなった学生を保健室に連れて行ったりすることがあります。
で、学生に
「どこが痛い?」
って聞くと、
「おなかが痛いです」
で、
「どんなふうに痛い?」
って聞いても
「・・・とても痛いです」
っていう程度の答しか返せません。
まあ私は医者ではないのでそれでもいいんですが、もし病院に行って医師に説明しなければならない時など、これでは困ります。
実際に「痛み」を表すオノマトペには、
ちくちく、ずきずき、きりきり、ひりひり、しくしく、がんがん
などがあり、それぞれが表す痛みの種類が異なります。
だから、その痛みに一番近い表現を選んで医師に伝える必要があります。
なので、こういうオノマトペを知らないと、いざというときに困った状況になってしまいます。
2 マンガを読んだり描いたりする
日本のマンガが好きな学生は多いです。
そして、マンガの中にはオノマトペがかなり頻繁に出てきます。
例えば、この画像 ↓ は私が一番好きな「うしおととら」っていうマンガの一コマです。
このマンガの漫画家の藤田和日郎さんは、結構独特な絵柄だし、オノマトペも独特の表現だったりします。
ただ、そうじゃない漫画家のマンガでもかなり頻繁にオノマトペが出てきます。
で、このことは私が気づいたのではなく、一緒のクラスを担当してた先生が「マンガによくオノマトペが使われている」って仰ってて、「おお、そうだ!」って気づかされたわけです。
で、もしかしたら、漫画家になりたくて留学した学生もいるかもしれず、そういう人にとっても必要な知識だと思います。
3 文学的表現の知識が必要なケース
これは主に、文学部志望の人ってことです。
特に日本文学の中でも「詩」を専攻する人などにとっては超必要です。
例えば、宮沢賢治や谷川俊太郎などはオノマトペをよく使ってると思います。
ただ一方、三島由紀夫はオノマトペを極力排除していますが。
4 大阪に住んでる人
大阪人はめっちゃオノマトペを使います。
こんな画像見つけました
もう、道案内には必ず入ってきます(笑)
なので、ピンポイントかもしれませんが、大阪に住んでて大阪人に道を聞いたりする時にはオノマトペが分かってないとしんどいです。
ただ、これは感覚的なものなので、慣れないと分からない部分も多いと思います。
☆☆☆☆☆☆☆
今の日本語教育って、私は結構足りない部分も多いと思っていて、この「オノマトペ」もその一つです。
で、個人的にいいなって思う教材がこれ ↓ 。
これは、1章と2章に分かれてて、1章は「動詞と一緒に覚える」となっていて、2章は「テーマで覚える」となっています。
例えば1章だと「起きる」の箇所には、ぱっと、のそのそ、がばっと、むくっと、そーっと、などが載っています。
で、一つの動詞には4つ~5つのオノマトペがあり、それぞれの意味、例文が2つあって、練習問題も少しあります。
2章のほうは、例えば、「高まる気持ち」のところには、ルンルン、うきうき、わくわく、どきどき、などがあります。
これ、結構使いやすいんじゃないですかね?
あんまりマイナーなものは取り上げられてなくて難易度もあんま高くないですし。
ちょっと時間が空きそうなときとかに準備しておけば、短時間でパッとできます。
それに、これを使って面白いゲームなどもできそうですし。
今までオノマトペが出てくるのって、上級の語彙のテキストの副詞の部分に単発で出てくるってパターンが多かったです。
でもそれだと、系統立てて覚えられないんですよね。
私が以前使った語彙のテキストの問題の中で、( )に入る適切な語彙を選ばせる問題で選択肢の中に、「どきどき」と「はらはら」がありました。
その時に、私はサーカスで綱渡りをしている人とそれを見てる観客の絵を描きました。
「これを表してるのは、どきどき?はらはら?」
って聞くと、学生は
「どきどき、です」
って大体答えます。
でも、「どきどき」だったら、観客の存在は意味が無くなってしまうんですよね。
つまり、もし正解がどきどきだったら、観客を描く必要が無いってこと。
だから、この場合、観客の気持ちを表すと考えられるので、「はらはら」が正解になります。
まあもっと厳密に書くと、綱渡りしてる人はどきどきで、お客さんははらはら、ってことなんですけどね~
で、私はこの問題をやったときに、
「もっと系統立ててやりたいな~」
って思ってました。
そのテキストは品詞別に分かれていて、副詞の部分が終わったら、オノマトペはそこで終わりです。
そして、取り上げられてるオノマトペも少なかったのも勿体ないなあって思いました。
そして、このオノマトペは留学生だけでなく、生活者の人にとっても結構必要なんじゃないかと思います。
だから、このテキストは色んな学習者に使える汎用性の高いものだと思います。
【楽天ブックスならいつでも送料無料】にほんご単語ドリルぎおん語・ぎたい語 [ 奥村真希 ]
そして、これを使えば現在の日本語教育に足りない部分をちょっとだけでも補えるように感じます。
ほな、さいなら!
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学生は教わってないので、オノマトペをあんまり使わないし、見たり聞いたりしてもイメージが湧かないことが多いです。
あ、オノマトペっていうのは、いわゆる擬音語・擬態語のことです。
例えば
・雨がざあざあ降る。
・父はかんかんに怒っている。
などです。
でも、留学生にもオノマトペが必要なケースはあると思うので、今日はそのケースについて書きます。
1 病気やけがの症状や痛みを説明する
これ、多分一番重要で切実なケースだと思います。
時々、授業中に体調が悪くなった学生を保健室に連れて行ったりすることがあります。
で、学生に
「どこが痛い?」
って聞くと、
「おなかが痛いです」
で、
「どんなふうに痛い?」
って聞いても
「・・・とても痛いです」
っていう程度の答しか返せません。
まあ私は医者ではないのでそれでもいいんですが、もし病院に行って医師に説明しなければならない時など、これでは困ります。
実際に「痛み」を表すオノマトペには、
ちくちく、ずきずき、きりきり、ひりひり、しくしく、がんがん
などがあり、それぞれが表す痛みの種類が異なります。
だから、その痛みに一番近い表現を選んで医師に伝える必要があります。
なので、こういうオノマトペを知らないと、いざというときに困った状況になってしまいます。
2 マンガを読んだり描いたりする
日本のマンガが好きな学生は多いです。
そして、マンガの中にはオノマトペがかなり頻繁に出てきます。
例えば、この画像 ↓ は私が一番好きな「うしおととら」っていうマンガの一コマです。
このマンガの漫画家の藤田和日郎さんは、結構独特な絵柄だし、オノマトペも独特の表現だったりします。
ただ、そうじゃない漫画家のマンガでもかなり頻繁にオノマトペが出てきます。
で、このことは私が気づいたのではなく、一緒のクラスを担当してた先生が「マンガによくオノマトペが使われている」って仰ってて、「おお、そうだ!」って気づかされたわけです。
で、もしかしたら、漫画家になりたくて留学した学生もいるかもしれず、そういう人にとっても必要な知識だと思います。
3 文学的表現の知識が必要なケース
これは主に、文学部志望の人ってことです。
特に日本文学の中でも「詩」を専攻する人などにとっては超必要です。
例えば、宮沢賢治や谷川俊太郎などはオノマトペをよく使ってると思います。
ただ一方、三島由紀夫はオノマトペを極力排除していますが。
4 大阪に住んでる人
大阪人はめっちゃオノマトペを使います。
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もう、道案内には必ず入ってきます(笑)
なので、ピンポイントかもしれませんが、大阪に住んでて大阪人に道を聞いたりする時にはオノマトペが分かってないとしんどいです。
ただ、これは感覚的なものなので、慣れないと分からない部分も多いと思います。
☆☆☆☆☆☆☆
今の日本語教育って、私は結構足りない部分も多いと思っていて、この「オノマトペ」もその一つです。
で、個人的にいいなって思う教材がこれ ↓ 。
これは、1章と2章に分かれてて、1章は「動詞と一緒に覚える」となっていて、2章は「テーマで覚える」となっています。
例えば1章だと「起きる」の箇所には、ぱっと、のそのそ、がばっと、むくっと、そーっと、などが載っています。
で、一つの動詞には4つ~5つのオノマトペがあり、それぞれの意味、例文が2つあって、練習問題も少しあります。
2章のほうは、例えば、「高まる気持ち」のところには、ルンルン、うきうき、わくわく、どきどき、などがあります。
これ、結構使いやすいんじゃないですかね?
あんまりマイナーなものは取り上げられてなくて難易度もあんま高くないですし。
ちょっと時間が空きそうなときとかに準備しておけば、短時間でパッとできます。
それに、これを使って面白いゲームなどもできそうですし。
今までオノマトペが出てくるのって、上級の語彙のテキストの副詞の部分に単発で出てくるってパターンが多かったです。
でもそれだと、系統立てて覚えられないんですよね。
私が以前使った語彙のテキストの問題の中で、( )に入る適切な語彙を選ばせる問題で選択肢の中に、「どきどき」と「はらはら」がありました。
その時に、私はサーカスで綱渡りをしている人とそれを見てる観客の絵を描きました。
「これを表してるのは、どきどき?はらはら?」
って聞くと、学生は
「どきどき、です」
って大体答えます。
でも、「どきどき」だったら、観客の存在は意味が無くなってしまうんですよね。
つまり、もし正解がどきどきだったら、観客を描く必要が無いってこと。
だから、この場合、観客の気持ちを表すと考えられるので、「はらはら」が正解になります。
まあもっと厳密に書くと、綱渡りしてる人はどきどきで、お客さんははらはら、ってことなんですけどね~
で、私はこの問題をやったときに、
「もっと系統立ててやりたいな~」
って思ってました。
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2015年05月06日
日本語の語彙の難易度の基準がどんどん分かんなくなってきた件
今、オンラインの学校で使う教科書を作成中です。
で、その中で、語彙の難易度を把握するために、参考にしている書籍が「どんなときどう使う 日本語語彙学習辞典」という本です。
Amazon
楽天ブックス
どんなときどう使う日本語語彙学習辞典 日本語能力試験N1〜N3の主要な語彙を網羅 [ 安藤栄里子 ]
楽天KOBO
新装版 どんなときどう使う 日本語表現文型辞典Essential Japanese Expression Dictionary: A Guide to Correct Usage of Key Sentence Patterns (New Edition)【電子書籍】[ 友松悦子 ]
楽天だと電子書籍もあるんですね。
これは、語彙辞典ではあるものの、語彙の総数としてはそれほど多くないので、辞書代わりに使えるわけではありませんが、日本語教師が持っておくにこしたことはない本だと思います。
この本の語彙は、JLPT(日本語能力試験)に準拠しています。
JLPTはN1が一番難しく、N5が一番易しいです。
で、この本はN1~N3を網羅しているため、N3が最も易しいということになります。
私は、それぞれのレベルの語彙をマーカーを使って色分けしてそのレベルを区別するという作業を行いました。
その結果、超混乱・・・
どういうことかというと、私の主観での語彙の難易度と、この書籍の中の語彙の難易度が一致しないってことです。
つまり、なんでこの語彙がN3で、この語彙がN2やねんってケースが結構あったわけです。
あ、N1に関してはあんまり違和感はなかったですが。
例えば、
N3
動詞
争う、さぼる、薦める、すれ違う、散らす、似せる、乱す⁄乱れる
形容詞
様々な、消極的な、積極的な、ぬるい、ぼろぼろな、ましな、まぶしい、もったいない、
副詞
あっというまに、一体、いつのまにか、思わず、ぎりぎり、ぐっすり、少なくとも、そっと、互いに、なるべく、まさか、やはり
名詞
アマチュア、質、省略、ショック、スケジュール、タイトル、データ、特徴、表情、プライバシー、ボランティア、ユーモア、お詫び
N2
動詞
編む、売れる、悲しむ、(帽子を)かぶる、嫌う、触る、勤める、整う⁄整える、逃げる、計る、学ぶ、回る⁄回す、戻る⁄戻す
形容詞
うるさい、しかたない
副詞
今度、全て、当時
連体詞
ある(日、所)
名詞
石、意思、移動、家事、感情、社会、都会、土地、徒歩、人間、針、日付、人、秘密、ひも、夫婦、部分、方向、無料、メモ
こんな感じです。
しつこいようですけど、N3よりN2のほうが高度なはずなんです。
私は「語彙」の難易度っていうのは、使用頻度や汎用性の高さ、使用場面が例えば友人との会話で使われるのか、あるいはニュースで使われるのか、などによって決まると思ってます。
でも、この本に関しては、そうとも限らないということみたいです。
例えばN3の「似せる」っていう動詞は、多分「似る」っていう動詞がN3だから、「似せる」もN3に配されたんだと思いますが、「似る」と「似せる」は明らかに使用頻度が異なります。
ほんで、「石」とか「人」がN2って・・・どゆこと?
あと「無料」がN2って・・・留学生が日本に来て真っ先に覚える言葉の1つやのに(笑)
逆に「薦める」がN3って・・・
この「薦める」は、「勧める」との違いもあって結構ややこしい、複雑な語彙だと思うんですけど
なんか、色々考えてたらワケが分からなくなってきてしまいました。
で、今回の結論は、「語彙の難易度は気にしない」っていうことになりました。
教科書作りは、もう気楽にやっていきます。
ほな、さいなら!
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これは、語彙辞典ではあるものの、語彙の総数としてはそれほど多くないので、辞書代わりに使えるわけではありませんが、日本語教師が持っておくにこしたことはない本だと思います。
この本の語彙は、JLPT(日本語能力試験)に準拠しています。
JLPTはN1が一番難しく、N5が一番易しいです。
で、この本はN1~N3を網羅しているため、N3が最も易しいということになります。
私は、それぞれのレベルの語彙をマーカーを使って色分けしてそのレベルを区別するという作業を行いました。
その結果、超混乱・・・
どういうことかというと、私の主観での語彙の難易度と、この書籍の中の語彙の難易度が一致しないってことです。
つまり、なんでこの語彙がN3で、この語彙がN2やねんってケースが結構あったわけです。
あ、N1に関してはあんまり違和感はなかったですが。
例えば、
N3
動詞
争う、さぼる、薦める、すれ違う、散らす、似せる、乱す⁄乱れる
形容詞
様々な、消極的な、積極的な、ぬるい、ぼろぼろな、ましな、まぶしい、もったいない、
副詞
あっというまに、一体、いつのまにか、思わず、ぎりぎり、ぐっすり、少なくとも、そっと、互いに、なるべく、まさか、やはり
名詞
アマチュア、質、省略、ショック、スケジュール、タイトル、データ、特徴、表情、プライバシー、ボランティア、ユーモア、お詫び
N2
動詞
編む、売れる、悲しむ、(帽子を)かぶる、嫌う、触る、勤める、整う⁄整える、逃げる、計る、学ぶ、回る⁄回す、戻る⁄戻す
形容詞
うるさい、しかたない
副詞
今度、全て、当時
連体詞
ある(日、所)
名詞
石、意思、移動、家事、感情、社会、都会、土地、徒歩、人間、針、日付、人、秘密、ひも、夫婦、部分、方向、無料、メモ
こんな感じです。
しつこいようですけど、N3よりN2のほうが高度なはずなんです。
私は「語彙」の難易度っていうのは、使用頻度や汎用性の高さ、使用場面が例えば友人との会話で使われるのか、あるいはニュースで使われるのか、などによって決まると思ってます。
でも、この本に関しては、そうとも限らないということみたいです。
例えばN3の「似せる」っていう動詞は、多分「似る」っていう動詞がN3だから、「似せる」もN3に配されたんだと思いますが、「似る」と「似せる」は明らかに使用頻度が異なります。
ほんで、「石」とか「人」がN2って・・・どゆこと?
あと「無料」がN2って・・・留学生が日本に来て真っ先に覚える言葉の1つやのに(笑)
逆に「薦める」がN3って・・・
この「薦める」は、「勧める」との違いもあって結構ややこしい、複雑な語彙だと思うんですけど
なんか、色々考えてたらワケが分からなくなってきてしまいました。
で、今回の結論は、「語彙の難易度は気にしない」っていうことになりました。
教科書作りは、もう気楽にやっていきます。
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akky_san at 20:13|Permalink│Comments(0)
2015年03月20日
二つの違い、答えられますか? 具体例 語彙編
久々に日本語に関するエントリです。
以前、こんなエントリを書きました。
二つの違い、答えられますか?
ここでは、あまり二つの違いの例は挙げませんでした。
なので、私が実際に学生に聞かれた例を挙げてみたいと思います。
で、今日は「語彙」についてです。
語彙って、native speakerは無意識に使い分けたりしてるけど、その使い分けに関しては語学教師でなければ説明できないことが多いと思います。
まずは初級の語彙から。
1 「ひらく」と「あける」
ドアや窓ならどっちでもいいですね~
ただ、その対象が目、心、傘、本ならどうでしょう?
「ひらく」のほうが自然ですよね?
つまり、「あける」は、開けたり閉めたりする目的で使われるものが対象になります。
それに対して、「ひらく」は開いたり閉じたりするのが目的にものにも使われるのに加えて、本来の目的はそれ以外のもの、例えば、本の目的は「読む」、傘は「さす」などのものにも使われます。
なので、その場合は「ひらく」しか使えません。
時々、他の先生の授業を見学した時に、「教科書をあけてください」って指示してるのを聞いたりしますが、私はとっても違和感を感じます。
この意味の違いに加えて、「あける」の対義語は「しめる」。「ひらく」の対義語は「閉じる」です。
さらに、「ひらく」は自動詞も他動詞も兼ねてます。
・ドアがひらく。
・ドアをひらく。
2 「しかる」と「おこる」
この違いは結構明瞭なので、ほとんどの日本語教師は即答できると思います。
「怒る」は感情の動きなので、誰かに対して怒ることもありますが、一人でプンプンしてることもあります。
それに対して、「しかる」は目下の立場の人に対して厳しく指導して良い方向に導く、という意味合いが強いです。
だから、必ず2人必要で、「優しくしかる」という言い方が可能になります。
で、ここからが教師のレベルが問われそうなのですが、中級以上の学生の場合なら、「怒る」の読み方は「おこる」ですが、品詞が名詞になった場合、つまり「怒り」になったら読み方は「いかり」になるって、私は説明を加えます。
このプラスアルファが説明できるかどうか、結構大事やと思います。
こういうパターンは他にもあります。
例えば、「狭い」と「狭まる」などです。
次に、中級の語彙。
3 「気分」と「気持ち」
これ、個人的にはめっちゃムズいと思います。
私、結論に到達するのに2年かかりました
なぜかというと、重なる部分が大きいからです。
それでも明らかにどちらかでなければならない場合は存在します。
例えば「~転換」という場合、「気分」はいけるけど、「気持ち」はだめですよね~
それから「気分を変える」のと「気持ちを変える」のとで、容易なのはどっちでしょう?
これが観点①。
それから、例えば「気分が悪い」と「気持ちが悪い」の違いです。
二日酔いなどで生理的な問題の場合は、どっちでもいいです。
ただ、例えば、流しそうめんしてて、流れてきたのがそうめんじゃなくてミミズだったら(変な例やけど)、気分と気持ちのうち、どっち使いますか?
これが観点②ですかね。
ただ、関西人の場合は「気分が悪い」という表現のほうを頻繁に使います。
「ホンマ、気分悪いわぁ」など。
4 「まなぶ」と「ならう」
これ、ホンマ学生がよー混同する言葉です
ひどい学生になると、2つが混じって「まらぶ」とか「ならぶ」などと言っちゃったりします。
これも結構単純なはずなんですけどね~
だから、学生に質問されたら、「先生が絶対必要なのはどっち?」って質問で答えます(笑)
「どっちも~!」って答えられることもありますけど(笑)
あとは、基本的に「ならう」は勉強や技能のみですよね。
それに対して、「まなぶ」はその内容の範囲が広くて、子供時代に社会性をまなぶ、失敗から学んだ、などという使い方もできます。
最後に上級の語彙。
5 「利子」と「利息」
これ、金融機関で働いてる人以外の一般の方はほとんど使い分けてないんじゃないですかね?
だから、「どっちも同じ」って答えてしまいそうになりますが、私が学生に質問された時は、実は前日の先生にも同じ質問をしてて、その先生がそう答えて、学生は不満に思ってたみたいです。
なので、翌日私に聞いてきたっていう事情がありました。
つまり、わざわざ私に聞いてきたってことは、「どっちも同じ」っていう答えは期待されてないってことです。
違いはわりと単純で、貸す側と借りる側、どっちの立場からその金利を表現するかってだけです。
つまり、貸す側は「利子」と言い、借りる側が「利息」と言うっていうことです。
立場によって、違う言葉を使うんですね。
似たような違いに、「すみ」と「かど」があります。
「利子」と「利息」は立場の違いでしたが、このケースも視点の違いを考えれば、自ずと違いは分かってくると思います。
6 「儲ける」と「稼ぐ」
宝くじに当たったり、パチンコに勝ったりした結果なのはどっちでしょう?
「儲ける」ですよね。
つまり、「儲ける」は地道に働いた結果っていうより、思いがけなくうまく利益を得たり、得したりする時に使います。
一方、「稼ぐ」は額に汗して地道に働いた結果の収入を得る時に使います。
あとは、「儲ける」は他動詞で、「儲かる」という自動詞もありますが、「稼ぐ」は他動詞だけ、という違いもあります。
個人的な見解なんですが、「儲ける」はその意味から「儲ける」のほうが先に存在して、その結果「儲ける」が生まれたのではないかと思います。
これらは、私が質問されたほんの一例です。
だから、これ以外にも「やっと」と「とうとう」、「自立」と「独立」、「重い」と「重たい」、「縮む」と「縮まる」、「触れる」と「触る」などなど枚挙にいとまがないくらいたくさん質問されました。
今なら即答できますが、教師になりたてのころはアワワアワワしてました
これから日本語教師になろうと思ってる人や、新人の教師の方は、なかなかそのポイントを掴むのは難しいと思います。
だから、実際に授業の準備をする際は、一つ一つ調べて周到に準備されるんだろうと思います。
で、慣れてくればまずその知識が頭の中に蓄積されるので、答えられるようになります。(こればっかりはいくら調べても蓄積されない教師がいるのも事実)
もっと慣れると、その知識が無くてもどのパターンにあたるのかなど、その場で考えて答えられる場合も出てくると思います。
語彙の違いは、文型の違いに比べたら単純というか、明瞭な場合が多いです。
文型の違いについては、またエントリに書きます。
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以前、こんなエントリを書きました。
二つの違い、答えられますか?
ここでは、あまり二つの違いの例は挙げませんでした。
なので、私が実際に学生に聞かれた例を挙げてみたいと思います。
で、今日は「語彙」についてです。
語彙って、native speakerは無意識に使い分けたりしてるけど、その使い分けに関しては語学教師でなければ説明できないことが多いと思います。
まずは初級の語彙から。
1 「ひらく」と「あける」
ドアや窓ならどっちでもいいですね~
ただ、その対象が目、心、傘、本ならどうでしょう?
「ひらく」のほうが自然ですよね?
つまり、「あける」は、開けたり閉めたりする目的で使われるものが対象になります。
それに対して、「ひらく」は開いたり閉じたりするのが目的にものにも使われるのに加えて、本来の目的はそれ以外のもの、例えば、本の目的は「読む」、傘は「さす」などのものにも使われます。
なので、その場合は「ひらく」しか使えません。
時々、他の先生の授業を見学した時に、「教科書をあけてください」って指示してるのを聞いたりしますが、私はとっても違和感を感じます。
この意味の違いに加えて、「あける」の対義語は「しめる」。「ひらく」の対義語は「閉じる」です。
さらに、「ひらく」は自動詞も他動詞も兼ねてます。
・ドアがひらく。
・ドアをひらく。
2 「しかる」と「おこる」
この違いは結構明瞭なので、ほとんどの日本語教師は即答できると思います。
「怒る」は感情の動きなので、誰かに対して怒ることもありますが、一人でプンプンしてることもあります。
それに対して、「しかる」は目下の立場の人に対して厳しく指導して良い方向に導く、という意味合いが強いです。
だから、必ず2人必要で、「優しくしかる」という言い方が可能になります。
で、ここからが教師のレベルが問われそうなのですが、中級以上の学生の場合なら、「怒る」の読み方は「おこる」ですが、品詞が名詞になった場合、つまり「怒り」になったら読み方は「いかり」になるって、私は説明を加えます。
このプラスアルファが説明できるかどうか、結構大事やと思います。
こういうパターンは他にもあります。
例えば、「狭い」と「狭まる」などです。
次に、中級の語彙。
3 「気分」と「気持ち」
これ、個人的にはめっちゃムズいと思います。
私、結論に到達するのに2年かかりました
なぜかというと、重なる部分が大きいからです。
それでも明らかにどちらかでなければならない場合は存在します。
例えば「~転換」という場合、「気分」はいけるけど、「気持ち」はだめですよね~
それから「気分を変える」のと「気持ちを変える」のとで、容易なのはどっちでしょう?
これが観点①。
それから、例えば「気分が悪い」と「気持ちが悪い」の違いです。
二日酔いなどで生理的な問題の場合は、どっちでもいいです。
ただ、例えば、流しそうめんしてて、流れてきたのがそうめんじゃなくてミミズだったら(変な例やけど)、気分と気持ちのうち、どっち使いますか?
これが観点②ですかね。
ただ、関西人の場合は「気分が悪い」という表現のほうを頻繁に使います。
「ホンマ、気分悪いわぁ」など。
4 「まなぶ」と「ならう」
これ、ホンマ学生がよー混同する言葉です
ひどい学生になると、2つが混じって「まらぶ」とか「ならぶ」などと言っちゃったりします。
これも結構単純なはずなんですけどね~
だから、学生に質問されたら、「先生が絶対必要なのはどっち?」って質問で答えます(笑)
「どっちも~!」って答えられることもありますけど(笑)
あとは、基本的に「ならう」は勉強や技能のみですよね。
それに対して、「まなぶ」はその内容の範囲が広くて、子供時代に社会性をまなぶ、失敗から学んだ、などという使い方もできます。
最後に上級の語彙。
5 「利子」と「利息」
これ、金融機関で働いてる人以外の一般の方はほとんど使い分けてないんじゃないですかね?
だから、「どっちも同じ」って答えてしまいそうになりますが、私が学生に質問された時は、実は前日の先生にも同じ質問をしてて、その先生がそう答えて、学生は不満に思ってたみたいです。
なので、翌日私に聞いてきたっていう事情がありました。
つまり、わざわざ私に聞いてきたってことは、「どっちも同じ」っていう答えは期待されてないってことです。
違いはわりと単純で、貸す側と借りる側、どっちの立場からその金利を表現するかってだけです。
つまり、貸す側は「利子」と言い、借りる側が「利息」と言うっていうことです。
立場によって、違う言葉を使うんですね。
似たような違いに、「すみ」と「かど」があります。
「利子」と「利息」は立場の違いでしたが、このケースも視点の違いを考えれば、自ずと違いは分かってくると思います。
6 「儲ける」と「稼ぐ」
宝くじに当たったり、パチンコに勝ったりした結果なのはどっちでしょう?
「儲ける」ですよね。
つまり、「儲ける」は地道に働いた結果っていうより、思いがけなくうまく利益を得たり、得したりする時に使います。
一方、「稼ぐ」は額に汗して地道に働いた結果の収入を得る時に使います。
あとは、「儲ける」は他動詞で、「儲かる」という自動詞もありますが、「稼ぐ」は他動詞だけ、という違いもあります。
個人的な見解なんですが、「儲ける」はその意味から「儲ける」のほうが先に存在して、その結果「儲ける」が生まれたのではないかと思います。
これらは、私が質問されたほんの一例です。
だから、これ以外にも「やっと」と「とうとう」、「自立」と「独立」、「重い」と「重たい」、「縮む」と「縮まる」、「触れる」と「触る」などなど枚挙にいとまがないくらいたくさん質問されました。
今なら即答できますが、教師になりたてのころはアワワアワワしてました
これから日本語教師になろうと思ってる人や、新人の教師の方は、なかなかそのポイントを掴むのは難しいと思います。
だから、実際に授業の準備をする際は、一つ一つ調べて周到に準備されるんだろうと思います。
で、慣れてくればまずその知識が頭の中に蓄積されるので、答えられるようになります。(こればっかりはいくら調べても蓄積されない教師がいるのも事実)
もっと慣れると、その知識が無くてもどのパターンにあたるのかなど、その場で考えて答えられる場合も出てくると思います。
語彙の違いは、文型の違いに比べたら単純というか、明瞭な場合が多いです。
文型の違いについては、またエントリに書きます。
ほな、さいなら!
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akky_san at 13:06|Permalink│Comments(0)