2015年06月
2015年06月30日
海外での教授経験は役に立つ?オーストラリアでの私の経験
あるいは、日本国内で日本語学校に採用される際に有利になるのか?
今、養成講座に通っている人や、将来日本語教師になりたい人にとっては、このあたりのことが知りたいのではないかと思います。
といっても、私の場合は、いわゆるアシスタントティーチャーだったにすぎず、本格的に日本語を教えたわけではないので、あまり参考にはならないでしょうが・・・
☆☆☆☆☆☆☆
私は養成講座を修了し、少し期間をおいてからオーストラリアのBathurstっていう、当時人口3万人くらいの町へ日本語を教えに行きました。
因みにこれは、15年以上前のことです・・・
少し期間をおいたっていうのは、向こうでの生活費を少しでも多く稼ぐためっていうのもあったのですが、実は当初はオーストラリアではなく、アメリカの某有名大学のアシスタントティーチャーの話が決まりかけてたんですが、急にその話が潰れてまいました・・・
理由は私が男だから
なんか、その大学で同じような立場で前にいた男の人が、女子学生と不適切な関係になったかなんかで、男性が敬遠されたっていうことらしいです。
まあ、そんなことがありながらも、Bathurstの、All Saints’ Collegeっていう、確か3歳くらい~高校3年までの一貫教育の私立学校で、他にも2つ私立学校があったのですが、この学校が現地ではトップレベルの学校。
この学校には、オーストラリアの他の町から来ている学生や、香港からの留学生もいて、そういう人たちは寮に住んでました。
以前のエントリで少し書きましたが、 ↓
日本人とオーストラリア人の優しさの違い
私はホームステイではなく、現地の人と一軒家をシェアして住んでました。
それが、こちら。
この家の裏庭。
おまけに、敷地内にテニスコートもありました。
この家には、Red Leaf っていう名前がついてて、タクシーの運チャンに言えばすぐに連れてきてくれます
で、家は学校に近かったので、めっちゃ便利でした。
その学校の、「日本語センター」がこちら。
ずっと日本語教育をやってらした日本人の先生が、長期休暇(1年)をとっていて、私がいてた時は、もう一人の日本人の先生が日本語の授業を統括してはりました。
因みに、アシスタントはもう一人女性の方がいて、その方は日本語を教えるというよりは、異文化交流+英語の勉強に来ていました。
その先生は今までサブに近い役割だったようで、私達アシスタントを動かすのに慣れてないカンジでした。
クラスはこんなカンジ。
なので、そのせいなのか、私達は特に何もするべきことが無くても、授業への参加を義務づけられていて、めっちゃボーッとしてたりもしました。
なんか、私達に任せられることは任せてくれればいいのに、私達が自分たちの判断で何かしようとすると、ちょっと嫌な顔をされたり・・・
結果、その先生のもとでは、特に何かのスキルを身につけるってことは無理でした。
そうはいうものの、全てのクラスをその先生が教えていて、途中からそれはさすがにしんどいってなったのか、year10(高校1年生)のクラスの授業を何ヶ月か任されることに。
でも、授業は全て英語だったため、英語は身につきましたが、それを日本国内の授業に役立てることはできません。
それに、学習者は特に「日本語を身につけたい」とか「将来、日本に住みたい」とか思ってるわけではなく、ちょっと興味があるとか、受験科目に日本語があるからっていう理由で、日本語を学んでるってパターンが多かったです。
だから、どちらかというと、日本文化にちょっと触れてみたいっていうレベルの学習者が多かったです。
例えば、この学校では Japan Festivalがあり、私も料理を作ったりして協力しました。
まぁ、私自身も作ったりしましたが、レシピを作って、日本語学習者に指示して、作ってもらったりしました。
例えば、焼きそば
向こうではなかなか日本の食材が手に入らないので、色々と大変でしたが、これ以外に鶏の竜田揚げ(私の得意料理♪)も作って、ソッコー完売
まぁ、色々と書いてきましたけど、結論を言うと、「私の場合は、海外での日本語の教授経験は、今の国内での日本語教育には特に役に立っていない」ってことです。
もしかしたら、潜在的な部分で役に立っているのかもしれませんが、顕在化されてる部分では私には影響が無いと感じます。
それに、このことが、日本語学校の採用に好影響を与えたとも考えられません。
やはり、採用されるかどうかは、その時点での、需要と供給のバランスが大きく影響するのではないかと。
今から日本語学校で働きたいと考えてる方の役には立たないかもしれませんが、まぁ私の場合はこうだったってことを知ってもらえたらと思った次第です。
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2015年06月29日
私が作った接続詞の問題が先輩からダメ出しされたっ!!
で、授業の前に、他のクラスで作文・小論文を担当してる先輩の先生とその日の授業何するの?みたいな話をしていた時のことです。
☆☆☆☆☆☆☆
私「うちのクラス、接続詞が全然アカンから、今日は接続詞の問題をやらせてから、書かせようと思ってるんです~」
先輩「そうなんや?どんな問題させるん?」
私「一応昔自分で作った問題をさせる予定なんです」
先輩「ちょ、見せて」
私「こういうのんなんですけど」
先輩「ふんふん、なるほどなるほど、ブツブツ(問題文を読んでる)・・・」
先輩「あれ?ここの答え何?これ、難しない?」
私「そうですかね~」
☆☆☆☆☆☆☆
問題のいくつかを挙げるとこんなカンジ。
前後の文脈から、( )に入る問題を答える問題です。
・友達からもらったプレゼントを開けてみた。( )、中には何も入ってなかった。
・日本では少子化が進んでいる。( )、フランスは少子化に歯止めをかけることに成功している。
・彼女は私の父の妹の娘だ。( )私のいとこだ。
・いい天気ですね。( )、お母さんはお元気ですか。
・今日は気温が低い。( )、曇りで日照時間が短いからだ。
これを読んでる人は答えが分かると思うんですが、問題になったのは例えば1番上の問題の答え。
私としては、「しかし」よりも「ところが」を書いて欲しかったんですけど、これだけの情報だけでは「しかし」も✕にはできないんじゃないか?っていう指摘。
先輩「だからさぁ、私はこういう問題って、もっとまとまった文脈の中で答えさせないと、『この答しか無い!』っていう問題にはなれへんのんちゃうかな?って思うねん」
おっしゃる通りです
私の考えがめっちゃ浅かったです・・・
なんか、語彙や文型の問題の場合は、私も『この答えしか無い!』っていう問題になるように注意して問題を作ってたんですけど、何となく接続詞の場合は、しゃーないんかなとか思ってしまってました。
ホンマにそういう場合もあるとは思いますが。
あと、問題になったのが、
・おばあさんは川で洗濯をしていました。( )、川上から大きな桃が流れてきました。
これ、答え分かります?
私の欲しかった答は、「すると」なんですけど・・・
やっぱムズいですかね?
まぁ、この「すると」はそもそも学生がよく読むであろう(進学目的の学生)論説文や評論文には出てこないものっていうこともあって、適切に使うどころか、目にする機会も少ない接続詞なので、ホンマに定着しません。
そのせいか、この問題は「そして」っていう答が多かったです・・・
私はこのクラスでは作文以外にも、JLPTの「文章の中の文法」も担当しているので、作文の時間にこういう問題を出す前に、そっちの授業でも接続詞の部分は結構時間かけて復習したんですけどね~
でも、「接続詞」が理解できて使えるようになってないと、作文もそうですけど、読解が全然できないってことになってまいます。
なので、これからもしつこくやっていくつもりです。
実際、今日も接続詞の違うタイプの問題を性懲りも無くさせました。
今回は二つの文の間の接続詞を見て、前件 or 後件を考える問題。
例えば、
・私は1ヶ月で5㎏も太ってしまった。それで、( )。
・私は1ヶ月で5㎏も太ってしまった。そこで、( )。
A。それで、B。
A。だから、B。
A。そこで、B。
っていうのは学生がよく混同する接続詞です。
まぁ、Aが理由っていうのは共通してるんですけど、Bの部分には明らかに違いがあるにもかかわらず、グチャグチャに使ってしまいます。
この中で、「だから」は汎用性が高く、Bには結構何でも来るので、ちょっと除外するにしても、「それで」と「そこで」は明瞭に区別されないといけませんよね~
で、この問題をさせた後、
「家に帰ると、死体があった。」っていう書き出しで、私が指定した接続詞をその順番に使った上で、その接続詞の前後の内容を考えて、一つのストーリーを作るっていう作業をさせました。
これもペアワークでの作業だったので、ワイワイ言いながらやってました。
その結果はまたエントリに書きます。
☆☆☆☆☆☆☆
それにしても、こういうふうにダメ出しをしてくださる人がいるってことはホンマに幸せ
それにダメ出しだけじゃなくて、ホンマにたまに私のアイデアや作ったプリントの出来がいいと、「それイイやん!私も使わせて!」とか言ってくれるし。
前の職場にも尊敬できる先生はいましたが、ここ数年はどの先生にもあまりダメ出しされず、「この状態ヤバいなぁ・・・」って思ってました。
なので、私からしたらめちゃくちゃ大先輩で経験年数も全然違うのに、かなり対等に話してくれるのは、何よりもありがたいことです。
ほな、さいなら!
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2015年06月24日
専任になるべき人はどんな人かっていう人物像
きっかけは、Twitterでつながっている、リク先生のブログエントリを読んだこと。
俺は専任にはならないっ!
それから、私も似たタイミングで ↓ のエントリを書きました。
学校を掛け持ちすることの4つのメリット
私も、リク先生と全く同じ気持ちで、もう二度と専任になることはないと思います。
でも、そうはいっても日本語学校には専任が必要です。
じゃー、どんな人が専任になるべきなんだろう?って考え出したっていうのがきっかけ。
まず、専任になるべき人がどんな人かを考える前に、専任の仕事を定義しときます。
っていうのは、今行っている勉強会でもはっきりしてきたんですが、専任の仕事が学校によって全然違うから。
学校によっては、カリキュラムやテストは担任が全部作り、専任は雑用?に近いことを基本的にやっている学校や、ひどい学校になると、コストを安く抑えるために非常勤の採用は控えて、その分専任にできるだけたくさんの授業に入らせて、午前も午後もほぼ毎日専任が授業担当する、っていう学校の話も聞いたことがあります・・・
それで、私が考える専任の業務の定義は、
・カリキュラムの策定
・教科書の選定
・テストの作成(定期テストも小テストも)
・学生指導
です。
これ以外にも、非常勤の先生方への色々な連絡や、ミーティングのアレンジなど細かい業務も色々あると思うのですが、それらも含めると、かなり細かい話にまで波及するので、基本的なものだけ挙げました。
で、ここから、専任になるべき人に必要な素養を挙げていきます。
1 問題意識がある
どんな学校でも、100%順調で何の問題も無いってことはありえません。
状況は常に変化していくもので、現状はうまくいってても、1年後はどうなるか分かりません。
なので、カリキュラム、テスト、学生に問題がある場合もあるだろうし、先生に問題行動がある場合もありえないことではありません。
だから、常に問題意識をもって、どうすれば改善できるかを考えている人が望ましいです。
で、PDCAサイクルで考えられる人なら最高です
2 一貫した日本語教育観がある
私には日本語教育観がありませんって言う教師はいないと思います。
でも、結構この部分って、罠に陥りやすい部分でもあります。
まず、本当は教育観なんて持っていないのに、それに気づいてないってパターンがあります。
このパターンは、本をあまり読んでない人で、たまたま読んだ本に感銘を受けたり、権威みたいな人の講演などに行って感動したり、っていう人にありがちだったりします。
つまり、そういうことを経験して、そこで得たものを受け売りして言ってるだけで、これはその人にはもともと教育観など存在せず、スッカスカってことを意味します。
あとは、担当するレベルが変わったりすると、主張が変わる人っていうパターン。
例えば、中級を担当している時には、教科書やカリキュラム、定期テストの内容を評価してたにもかかわらず、上級を担当した途端「このテキストや定期テストの基準では、中級修了したレベルとしてはとうてい思えない」とか言う人。
こういう人ではなく、きちんと学生のニーズにあわせて最終的な目標を見据え、その目標を達成するには何が必要か、っていう視点で考えられる人が適任です。
3 業務を遂行する能力がある
細々した事務処理能力ももちろん大切ではありますが、日本語学校の専任講師は事務員ではなく、それ以上に大事な遂行能力というのがあると思います。
それは、テスト作成能力や、教材の分析能力です。
テストで出題する問題で、何を問うて何ができるようになっていれば良い結果と認めるのかっていう最も基本的なことを考えた上で、テスト作成が出来る人。
それから、小テストであってもあまりにミスが多いのは、学生からも非常勤講師からも信用されなくなってしまいます。
また、教材研究ができるってことも、専任講師にとっては必須の能力。
そのテキストはどう言う意図で作られたのか、判断した上で、選ばなければなりません。
例えば、読解教材と一言で言っても、精読するための教材なのか、スキャニングするための教材なのか、鑑賞するための教材なのかなど、色々あります。
また、メインテキストに据える教科書だと、語彙数はどれくらいか、その教材を使うとJLPTやEJUの問題に対応できる能力が身につくか、などの判断もできなければなりません。
4 どんな学生にも真っ正面から向き合える
日本語ができないせいで一見幼く見える学生でも、れっきとした大人です。
さらに、結構教師を見てる学生もいます。
学生に見透かされてる教師達 (偶然、5・7・5 になりました)
なので、きちんと真摯な態度で対応しないと、学生からの信頼は得られません。
そうなってしまうと、学生指導どころではありません。
一度失ってしまった信頼を回復させるのは至難の業ですし、学生の口コミの伝播力ってハンパないっす(笑)
だから、公平な判断ができて、感情的にならずに冷静に学生に対応出来る人が求められます。
まだ、これ以外にもあるかもしれませんが、今日思いついたのは、基本的なこれだけ。
ただ、こういう能力があっても、校長や教務主任などの最終決定権を持ってる人が・・・だったり、無駄な業務が多すぎて、いくらテキパキした人でもキャパを超えたりすると、能力が発揮できず、疲弊していくだけです。
環境も大事ってことです。
それに、実際のところ、専任をやっている人って生活のために色んなことを犠牲にしたり妥協したりして、忍耐強く続けてはる人が多いような気もします。
これも客観的なデータは無く、私の主観的な印象だけですけど・・・
あと、私が専任になったいきさつについても書こうと思っていたのですが、長くなりそうなので、またいつか書きます。
ほな、さいなら!
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2015年06月23日
昨日は「エヴァ」の第一話の「使徒、襲来」の日で、その第一話を以前の授業で使った件
このアニメは1995年のアニメなので、20年後にストーリーの始まりを設定してたというわけです。
一昨日、主人公の碇シンジを演じてた声優の緒方恵美さんのツイートが10万リツイートを突破するほど
注目されてたようです。
今、知ったよ。 僕が第3新東京市に行って、最初の使徒に出会って、ミサトさんの車に乗って、ひっくり返って、口の中がシャリシャリして、久しぶりに父さんに会って、血だらけの綾波に会って、エヴァに初めて乗ったのって。 「明日」だったんだ。。 #2015年6月22日 #エヴァ
— 緒方恵美@7/25&8/9Live! (@Megumi_Ogata) 2015, 6月 20
あ、因みに緒方さんは、幽遊白書の蔵馬なども演じてます。
☆☆☆☆☆☆☆
で、以前、この第一話を文型の復習として使ったことを思い出しました。
ストーリーを簡単に説明すると、
2015年の6月22日、第三の使徒「サキエル」が第三新東京市に現れたため、国連軍が迎え撃つも全く歯が立たなかった。特務機関NERVの司令官である父碇ゲンドウに呼び寄せられていた碇シンジを、葛城ミサトが迎えに行き、戦闘に巻き込まれそうになっていたところを間一髪で助ける。その後、NERV本部に直行し久しぶりの父子の対面を果たすも、ゲンドウは冷たく「人造人間エヴァンゲリオンに乗って戦え」と命令。父に呼ばれた理由が、エヴァに乗せられるためだったと分かったシンジは当然拒否。そのため代わり乗れと言われた綾波レイという少女が担架に横たわり、点滴も受けていて、おまけに血も流していたのを見て、シンジは自分が乗ることを決意。ここから、使徒との戦いが始まる・・・
といったカンジ。
サキエルっていうのは、こんなヤツ。
ぶっちゃけ、この回を授業で使ったのがかなり前だったので、あんまよく覚えてないんですが、確かこんなカンジで授業をしたと思います。
1 OPの「残酷な天使のテーゼ」を聞いて部分的にディクテーション
やっぱ、OPを聞かないと、始まった感がないですよね(笑)
それに、この曲はエヴァを見たことがない人も結構知ってたりするので、取っかかりとしてイイです。
こんなカンジでディクテーションしました。
残酷な天使のテーゼ
残酷な天使のように 少年よ(① )になれ
蒼い風が今 胸の( )を叩いても
私だけをただ見つめて微笑んでるあなた
そっと( )もの 求める事に夢中で
運命さえ( )知らない
いたいけな瞳
だけどいつか( )でしょうその背中には
はるか未来目指すための( )があること
残酷な天使のテーゼ ( )から
やがて飛び立つ
※迸る熱いパトスで 思い出を( )なら
この空を抱いて輝く 少年よ
(① )になれ
ずっと眠ってる 私の愛の( )
あなただけが夢の使者に呼ばれる朝が来る
細い( )を月明かりが映してる
( )の時を止めて
閉じ込めたいけど
もしも( )逢えたことに意味があるなら
私はそう自由を知るための(カ )
残酷な天使のテーゼ 悲しみがそして( )
抱き締めた( )の形
その夢に( )時
誰よりも光を放つ 少年よ(① )になれ
人は愛を( )ながら 歴史を作る
( )なんてなれないまま 私は生きる
※Repeat
①ってなってるとこには、同じ言葉が入って、カって書いてあるとこにはカタカナを書いて下さいっていうふうにしました。
2 視聴する場面までのストーリーと、背景をまとめたプリントを配布して、読解
これはやっておかないと、その場面だけ見てもなんのこっちゃ分からんくなるんで、用意しました。
例えば、登場人物の性格やそれぞれの関係、このアニメにしか存在しない語彙の説明(例 セカンドインパクト、使徒、NERV・・・)、などです。
やっぱ好きな作品の紹介には、ひとかたならぬ思い入れがあるため、最初作ったときにはめっちゃ長くなってもーたんですが、なんとかB41枚にまとめました(笑)。
3 視聴
他の回ではスクリプトも用意して、ディクテーションしながら視聴するのですが、この回は純粋に「文型の確認」だけだったので、この作業は省きました。
具体的にどの場面を選んだかというと、ゲンドウからの命令をシンジが拒否る場面。
スクリプトはこちら ↓ 。
シ:碇シンジ、ゲ:碇ゲンドウ、ミ:葛城ミサト、
リ:赤木リツコ
シ:父さん・・・なぜ呼んだの?
ゲ:おまえの考えている通りだ。
シ:じゃあ、僕がこれに乗ってさっきのと戦えって
いうの?
ゲ:そうだ。
シ:嫌だよそんなの!なんで今更なんだよ!
父さんは僕が要らないんじゃなかったの。
ゲ:必要だから呼んだまでだ。
シ:なぜ僕なの?
ゲ:ほかの人間には無理だからなぁ。
シ:無理だよそんなの。見たことも聞いたことも
ないのに、できるわけないよ!
ゲ:説明を受けろ。
シ:そんな、できっこないよ・・・こんなの乗れる
わけないよ!
ゲ:乗るなら早くしろ。でなければ帰れ!
奴(使徒)め、ここに気づいたか。
リ:シンジくん、時間が無いわ。
ミ:乗りなさい。
シ:いやだよ、せっかく来たのに・・・こんなのないよ!
ミ:シンジくん、何のためにここまで来たの?
だめよ、逃げちゃ。お父さんから、何より自分から。
シ:分かってるよ・・・でも、できるわけないよ!
このとき、どの文型を説明したかお分かりでしょうか?
そうです
「~わけがない」と「~っこない」です
「わけ」関係の文型は結構やっかいです。
「~わけだ」だけでもいくつも意味があるし、否定の形の文型も、「~わけがない」、「~わけにはいかない」、「~わけではない」と3つもあるし、さらに言うと、「~わけがない」は「~はずがない」と混同する学生が多いです。
なので、これらを整理するためにこの場面を見せて、「~わけがない」を他の類似文型とは明瞭に違うっていう認識をさせたかったわけです(ここでも「わけだ」が使われてますね~)。
「~っこない」はあまり使用頻度が多くない気がするのですが(年代とか地域の影響ですかね?)、せっかく教えた文型なんだから、ついでに「~わけがない」とセットで覚えてもらおうという意図です。
結論から言うと、この授業の後「~わけがない」はかなりの確率で定着します
やっぱ特定の場面を見せると、文型理解がクリアになるんでしょーね
それにしても、ゲンドウさんの「人を人とも思ってない」感はすごいっすね~
ここまでくると、ある意味気持ちいいです(笑)
4 この回の続きを考えて、ストーリーを書く
この作業は、ペアワークでやりました。
なので、2人で話し合いながらストーリーを構築して、作文として書きます。
最初はこういう作業に慣れてない学生は、「エエッ!難しい!!無理!」とか言いますが、作業に入るとキャッキャキャッキャ言いながらやってました。
で、この次の授業で、皆の考えたストーリーをまとめたものを配布して、評価し合ったり文法の間違いを見つけさせたりしました。
こう書いてくると、「読む・聞く・話す・書く」の4技能が全部入ってますね
私、すごい
まぁ、これは授業時間がたっぷり取れたからこそなんですけど。
時間が無ければ何かの作業を省く必要が出てきます。
エヴァに関しては、こういう「文型の確認」以外にも色々を使ったりしたので、またエントリにも書きたいと思ってます。
ほな、さいなら!
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2015年06月22日
2015年第一回の留学試験(EJU)の記述試験は、こんな問題だったらしい
1 リーダーには2つのタイプがある。1つは思い通りに皆を引っ張っていき、もう1つはメンバーの意見を大事にするタイプ。2つのタイプに触れながら、あなたの意見を述べなさい。
2 他国を援助するとき、必要な物や労働力となる人を送るという方法がある。また、知識や技術を教えてその国の人を育てるという方法もある。2つの方法に触れて、どちらの方法がいいか、あなたの意見を述べなさい。
この2つのテーマから1つ選んで書きます。
毎回、学生にどんな問題だったか聞くのですが、その内容理解は、ひとえに学生の口頭能力に左右されます。
どーゆーことかっていうと、平たく言えば、学生の日本語の説明が下手すぎて、どんな問題だったかさっぱり分かんないことがあるっていうこと・・・
でも、多分今回は大丈夫そう
他の学生もうなずいてたし。
で、どっちのテーマを選んだか聞いたら、大体半々くらい。
回によっては、明らかにテーマの書きやすさに差がある場合もあるのですが、今回のテーマは同じくらいですかね~
全員に聞いたわけではありませんが、ある学生は、「先生の言ってた通りテーマを即座に選んですぐに書き始めたので、10分くらい時間が余りました。なので、その時間を利用して見直して、部分的に書き直しました。」って言ってました。
エライ
また、違う学生は、「具体例を書こうと思ったのですが、そういうのを入れると字数が大幅にオーバーしそうなので、両者のメリット・デメリットだけを挙げて、意見を書きました」と言ってました。
はい。高得点を狙うにはそれが正解
それにしても、同僚のベテランの先生が仰ってたことによると、「模範解答例みたいのを読んだけど、悪い意味でバランスの取れた文章が50点満点を取れそうな感じ」だそうです。
端的に言うと、「どちらが大事か?」っていう問いには「どちらも大事」って答えた方が点数が高くなる可能性が高いとのこと。
そういうの私個人的に嫌いなんですけど・・・
そういう答えでいいんやったら、2つの対立軸をわざわざ設定する必要ないんちゃいます?
でも、だから、二つ目の他国の援助のテーマとかなら、「Aの場合は前者が有効だけど、Bの場合は後者が有効。つまり、目的によって使い分ける必要がある。」みたいな文章の評価が高くなるのではないか?ということのようです。
でも、これって結局何も述べてないんですよね・・・
このあたりが、作文・小論文の授業を担当してる教師のジレンマなんですよね・・・
本当に論理性のある文章を書かせるための授業をするのか、論理性はあまりなくても高得点を取れるような授業を指向するのかっていうところで・・・
まぁ私としては、留学試験の記述の授業と、それ以外の作文・小論文の授業は切り替えるようにしてます。
留学試験の直後の作文の授業って、何をしたらいいのかかなり迷うんですが(学生は試験が終わったらそのモチベーションが一気に下がるため)、今日はちょっと「お遊び」要素はあるけど、かなり頭を使って「論理」について考えないとできない作業をさせました。
それについは、また次回のエントリで書きます。
あと、私がタイトルで「らしい」を使って、「ようだ」や「そうだ(伝聞のほう)」を使わなかったのには、そういう発話意図があるんだなって再認識しました。
「そうだ」を使うほどには、学生の発言を信じてないのかも?(笑)
ほな、さいなら!
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