2017年05月

2017年05月31日

学生の何人かが「考える=面倒臭い」→「考える=ワクワクする」というフェーズに移行しつつあるかも

先日のエントリで、AIについて学生に考えてもらったってことを書きました。

なので、今回はその後半部分。

前回のエントリでは、その前の週に彼らが書いた小論文の内容とその日に行ったアンケートの結果、また見てもらった動画の説明でした。

それで今回は、実際にその時のお題で彼らが考え、いろいろな意見が出てきたのと彼らが書いた小論文の内容について書きます。


☆☆☆☆☆☆☆


早速ですが、今回の小論文のお題は「AIの普及によって起こり得る変化(1)と、その変化(1)によってさらに引き起こされる変化(2)は何か?」といったモノです。

AIによって起こり得る変化(1)だけだと、考えるのはそんなに難しいことではありません。

でも、そこで止まってても思考の練習にはならないので、変化(1)によって引き起こされる変化(2)まで考えてもらうことに。

私は、学生の思考力や発想力、想像力がどんなもんなのか見たかったんですよね。

で、案の定「え〜難しい!!!」って言われました。


まあ、今までずっと「正解を探す」ってことしかしてこなかった人たちにとっては確かに難しい作業。

 
何の取っ掛かりもないっていうのもかわいそうだと思ったので、ちょっとした情報を。

その情報っていうのは、「最近のテクノロジーは、誕生してから一般的に普及するまで大体7年かかってる」っていう情報。

「で、AIが誕生したのが2013年だからおそらく私たちが普通にAIを使うようになってるのは、 おそらく2020年です。」

っていう話をしてみました。

すると、一人の学生が「え?2020年って東京でオリンピックが行われる年ですよね?」って言ったことによって、他の学生にとっても一気にAIがグッと身近なものとして捉えられるようになったように感じました。

実際にこの辺りから、学生の発言も増えてきましたし。

 
で、私はその反応で偶然思い出したことがあったので、それを話すことに。

それは以前にエントリに書いたこちらの映画(ここ数年見たアニメ映画で一番良かった 高畑充希さんが全編通して岡山弁喋る「ひるね姫」 ネタバレ無し)について 。

この映画の中には、実は2020年の東京オリンピック、自動運転技術車、自動車メーカーが出てくるんです。

そのあらすじをフワッと説明して、「実際に安倍政権や日本の自動車メーカーも、東京オリンピックまでに自動運転の車を間に合わせようとしてるかもね。」などと言うと、「おおっ!」との声が。

 
あともう一つの例として、ワトソンの話も。(こちら→IBMのWatson、わずか10分で難症例患者の正しい病名を見抜く。医師に治療法を指南) 


それと、このことと絡めてiPS細胞のことにも触れ、自分の他の細胞を培養してゆくゆくは臓器が作れるようになり、例えばその時に胃ガンになっていたとしても新しく作成された臓器と交換できるようになる、などという話も。

これについては全く知らなかった学生もいて、大そう驚いてました。


で、まず私から予想を発表することに。

私「こういうことを考え合わせると、AIが発達したら病気で死ぬ人が減ります。そのことと現在の世界全体の人口動態を考えると、世界全体の人口がもっと爆発的に増えることになるんじゃないか、って思います。」

ただ、一部の学生の反応が薄く、おそらく意味が分かってないんだろうと思い、平易な言葉で再度説明。

私「ワトソンなどのAIで患者さんの診断がより速く正確になるから、病気で亡くなる人が減るのは分かるよね?そしてその一方、iPS細胞が実用化されたりしたら、お年寄りもなかなか死にません。だから、世界全体の死亡者数が減るのとともに、出生数は増えていくから、世界全体の人口がかなりのペースで増える、っていう意味です。」

学生は、私の説明の中の「お年寄りがなかなか死なない」というくだりで、爆笑しながら「先生、ひどい!」って言ってました。

そして、この私の仮説に学生たちは納得したようで、


「じゃー食料とか水とか足りなくなるんじゃ?」

「えー、困るよね。」

「じゃーもうお年寄り殺すしかなくない?」

「〇〇歳以上は全員死刑とか。」


私、戦慄しました。

怖すぎるんですけど。


まー私も私なんですけどね。


そのあともワイワイ話し合っていくうちに、少しずつ内容が具体的になって行き、何人かの学生が「なんかワクワクしてきました。」って言ってくれた♪

なんかこっちも嬉しくなってきました。


で、もう一つ良かったと思うのが、「抽象的なまんまいくら頭で考えても、イメージは湧いてこなくて、逆に具体的に考えることによって様々な多様なイメージが出てくるのである」ってことに気づいてくれたっぽいこと。

特にアジアの学生って、具体と抽象を行ったり来たりするのが非常に苦手。

ややもすれば、「誰も反論できないような、建前っぽい理想論」に終始します。


まだ彼らの書いた文章は読んでないんですが、読むのが非常に楽しみです。


あと、前とは違う学生に苦笑いされながら「 akky 先生の授業は頭が痛くなります。」と言われました。

でも、それはキミが一生懸命考えてる証拠なんだよ!


ほな、さいなら!


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2017年05月29日

学生が抱くAIに対するイメージがネガティブ&子供っぽいからAIの動画を見せてみた

今回は、今日の授業の前半部分についてのみ書きます。

ちょっと全部書くとかなりの長さになりそうなので・・・

で、今回の前半部分では、今日の小論文のインプット部分がメインになります。


前回の小論文の授業(今回の小論文のテーマは「イメージではなく根拠に基づいて考えよう」、トピックは「今世紀における人類にとっての脅威」 そしてスマホ利用許可→禁止へ)で、「今世紀の人類にとっての脅威」について書いてもらいました。 

この回の彼らの書いた小論文は、一言で言うとダメダメでした。

そもそも今世紀の脅威じゃなかったりしました。

前回のエントリに書いた、ベトナム人男子A&Bだけじゃなく、そのほかの学生の書いた文章の内容もひどい・・・

例えば、


・今世紀の人類にとっての脅威は、人類の誕生だと思う。


うん。人類が誕生したのは、今世紀じゃないから。

まあ、彼の書きたかったことも分からないではないんです。

彼は、人類が誕生したせいで起きうる脅威について書きたかったらしいんですけど、上記のように書いてしまうと、普通「今世紀に人類が誕生した」って思いませんか?


・今世紀の人類にとっての脅威は、自然災害だと思う。


うん。自然災害も昔からあるから。

だから、「特にこの災害が今世紀に起きる可能性が高い」的な書き方をしないとね。


あと、その意見部分じゃなく意見を支持する部分がおかしいケースも。


・今世紀の人類にとっての脅威は、AIだと思う。なぜなら、人間が作り出したテクノロジーを人間がコントロールできなくなる可能性があるからだ。例えば、現在スマホに依存している人が多い。


これって、一見良さそうなんですけど、よく考えるとスマホに依存してるのはスマホのせいなの?ってことになりませんか?

これって、そのスマホを持ってる人間の使い方に問題があるのでは?

例えば、ナイフが凶器になった殺人事件が起きた場合、その論理でいくとナイフの存在が悪いってことになり、「ナイフの生産&使用を全面的に禁止」ってことになります。

それっておかしくない?


☆☆☆☆☆☆☆


こんな感じで、書いた内容にも問題が色々あったんですけど、今回私が注目したのは「AIを脅威であると捉えてる学生が多かった」こと。

みんなまだ若いのに、意外と保守的なのね。


というわけで、AIに関する緊急アンケートを行いました。

アンケートの質問項目はこちら。


1 AIが普及することは、人間にとって良いことだと思いますか?

   はい   いいえ

2 そう思うのはどうしてですか?


3 AIは人間の仕事を奪うと思いますか?楽にすると思いますか?

   奪うと思う   楽にすると思う

4 そう思うのはどうしてですか?


5 AIのせいで仕事がなくなるとしたら、どんな仕事がなくなると思いますか?


6 その仕事に共通することは何だと思いますか?


7 AIがあってもなくなりにくい仕事は何だと思いますか?


8 その仕事に共通することは何だと思いますか?


です。


謎すぎるのが、このアンケートの結果がほぼ全員肯定的だったこと。

質問1とか、全員「はい」を選んでるし。

何で?何で?「脅威」って捉えてたんちゃうの?

皆が書いてる時にヒントとして若干肯定的な例を私は出しましたけど、それでひっくり返ったの?

もしそうなら、どんだけ影響されやすいの?


まあエエけど。

ただ面白いのが、なくなりそうな仕事となくなりにくい仕事は、人によってバラバラだったこと。

これは良い傾向。

考え方が画一的じゃないってことだから。


で、なくなりそうな仕事。

農家、工場作業員、看護師、教師、医者、駅員、店員、舞者(これ、何のことだかわかる人います?)、歌手、運転手、ガイド、通訳、エスコートする人(?)、翻訳、食事栄養計算者(管理栄養士的な?)、会計士、飛行機の操縦士、美容師など。

反対に、なくなりにくい仕事。

俳優、プログラマー、小説家、脚本家、画家、デザイナー、詩人、落語家(!)、手作り工芸品の職人、漫画家、政治家、建築家、経営者、作曲家、警察、心理治療師(臨床心理士?)、牧師、弁護士、調理師、支配者(?)、教師、保育士、翻訳、芸人、消防士など。

教師と翻訳はどっちにも出てきてますね。


で、この後具体的にAIについて色々クラス全体で話し合ったりしました。

今回のこの授業で、私はかなり手ごたえを感じたし、やっぱり小論文の授業って楽しい!っていう認識を新たにできたのがめっちゃ収穫。

どちらかっていうと大人しめのクラスで今までは受身的な姿勢だったんですが、めっちゃ盛り上がったし色んな意見がどんどん出てきました。

もしかしたら、「考えること=難しいこと、嫌なこと、面倒臭いこと」っていう意識が、「考える→ワクワクすること」っていう方向へ移行しつつある学生も出てきたかも!って感じました。


それについては、後半のエントリに書きます。


で、その話し合いの前に見せたのが、こちらのAIの動画。





レーシングカーにAIを搭載し、自律学習してどんどん運転スキルが向上していく様子を表した、7分ちょっとの動画です。

これ、かなり学生は見入ってました。

で、見ながら、「おおっ!」とか「すげー!」って呟いたり。


当初は、以前私が書いたプロジェクター搭載のタブレット(授業でめっちゃ重宝しそうな「Lenovo タブレット YOGA Tab 3 Pro 10 」)で見てもらおうって思ってたんですけど、このクラスの教室は隣の教室との間の壁の上部に嵌め殺しの窓があり、光が入ってきて映像が鮮明に映らないっていう事情があったので、学生各自に自分のスマホで視聴してもらいました。

7分だから、わざわざテレビを持って行って見てもらうほどでもなかったし。


この映像で、AIがどういうモノなのかっていう具体的なイメージができたんじゃないかって感じました。(ただ、AIのごく一部の側面だけだけど)

人間って、何かに対して不安を感じるのって、それについてよく知らないからっていうケースが結構あったりしますからね。

例えば、高齢者がスマホの利用を嫌がる、みたいな。


というわけで、話し合いの内容や今回学生が書いた小論文の内容は、また改めて書こうと思ってます。


ほな、さいなら!


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2017年05月26日

そろそろ日本語学校が直説法でクラス授業をするのは限界にきてるんじゃない?

先日私が入った初級のクラスで、衝撃を受けました。

その時の授業では導入は終わっていて、同じ文法項目の練習にあたってました。

だから、まあそこまで説明しなくてもできるだろうって思ってたので、まあ難易度低めの練習から始めたんですけど・・・

そんなに難しくもない一文が全く言えない!

その文法項目は何かっていうと、


・私は(場所)へ(行動の目的)に行きました/来ました。


です。

例えば、


・私は日本へ日本語の勉強に来ました。


といった文です。

私が一番衝撃を受けたのが、このクラスで一番できない学生ではあるんですが、上記のような例文を隣の比較的よくできる学生がこっそり教えているにもかかわらず、リピートするってことが既にできないっていう・・・


私、今まで色んな初級のクラスで授業して来ましたけど、この早い段階で躓いてるっていう学生は初めて!

恐らく、「文節化」ができてないんじゃいかと。

「名詞 + 助詞」、「動詞 + 助動詞(これはまだ出て来てないけど)」がセットになってなさそう。

そのせいか、助詞の不自然な抜け落ちが、そういう学生には多く見られます。

ただ、私はこのクラスに週2コマしか入っておらず、そこまで詳細に観察&分析はできないんですよね。


あと、間違うにしても、今までの間違え方とは全く異質なミスが多発してるようです。

これは隣のクラスの現象なんですけど、例えば


・あなたは夏休みにどこかへ行きましたか。





・私は夏休みにプールへ行きました。


が混じって、


・私は夏休みにプールへ行きました。


って発言した学生が半分以上いたとかいなかったとか。

こうなってくると、教師はどうしたらいいんでしょうかね?途方に暮れます。


当時はそれほどとも思わなかった、かつて私が教えた学生たちが輝いて蘇ります。


あと、私にとどめを刺したのは、他の学校と掛け持ちされてる先生からの「でもここの学校の学生は、文法がよくできてると思いますよ。」の一言。

他の学校、どないなってんの???


フツーにコワいんですけど。

このクラスは12人っていう良い塩梅の人数でさえこれですから、例えば20人くらいのクラスだったらもっとその差が開いてそう。


で、ちょっと私の授業に話を戻すと、この日の授業は過去最もテンポの悪い授業になりました。

どうしても3人くらいの学生のとこで発言がストップしてしまい、そこで授業の流れが止まってしまいます。

さらに、そうするとできる学生たちがダレてしまうっていう悪循環。


こういう学生を見るたびに、書いても仕方ない事なのかもしれませんが、学生募集の段階で篩に掛けといてほしかったなって思います。

これ、学生も教師もお互いに不幸になるパターンですモン。


あと、日本語学科じゃなく進学コースの方でも、やっぱり直説法には限界があるなって感じることが増えて来ました。

それは、主にベトナム人学生への漢字教育の欠如です。

こういう学生に漢字教育をしていない学校があり、もう漢字を教えないんだっったら直説法じゃなく、同国人が母語による間接法で教えればいいじゃんって思います。

漢字が分からないまま日本語の文法や読解を教えられ、授業はどんどん進んでいくのにその日本語の内容は分からないまま。

これ、相当効率悪くて生産性低いですよ。

それだったら直説法にこだわらない方が、よっぽど効率的です。

私はこのせいで、ベトナム人学生はかなり高い割合で日本語学校の2年では進学が難しくなってるんじゃないか、と睨んでいます。


もちろん、全てのベトナム人留学生が日本語学習のモチベーションを持ってるわけではないのはわかってますが、日本語が上手になりたい!と思ってる学生まで同じような状況にいるのは不幸です。


そろそろ日本国内の日本語学校も、色んな意味で転換期に差し掛かっているのかもしれませんね。

私たち日本語教師も、従来通りの働き方はできなくなる日も近づいているのかも。


☆☆☆☆☆☆☆


明日の勉強会ですが、資産運用の項目をリストアップしていってたら、20個にもなりました。

ここでいくつかピックアップしてみると、


・「投資」と「投機」の違い

・銀行の利率が低くて国債の利率が高いのはどうして?

・日本人のソンな傾向 住宅ローンと銀行預金、生命保険

・アイシュタインも絶賛した「複利効果」のスゴさ


などなどです。


あとは、こないだ初級クラスでやってみて、口が重い3人以外の学生はキャッキャキャッキャ取り組んでた、「語彙の確認テスト」も持って行って、ご参加の先生にお渡しします。


それでは明日よろしくお願いします!


ほな、さいなら!


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2017年05月24日

教案作りに時間がかかりすぎる教師の特徴

教案作りには時間を相当かける日本語教師は、かなり多そう。

私の周りにも、実際いますし。

かなり前にも、日本語教師の教案作りの生産性について書いてるんですけど(ちきりんさんのブログエントリ「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻 と日本語教師の生産性)、こちらはどっちかっていうと「授業のクオリティを上げるために、できるだけ作業時間を減らそう!」っていう文脈。

今回は、もっと純粋に「教案作りに時間を使いすぎるとどうなるか?」について書きます。

というわけで、まずは時間をかけすぎる教師に共通する特徴を書いていってみます。


☆☆☆☆☆☆☆ 


1 「機会損失」という概念が無い人

私、ずっとこの「機会損失」については書いてきましたが、それはなぜかというとこの概念を得たことによって、かなり思考や行動が良い方へ変化したから。

でも、この概念を知ってる人は多いと思いますが、本当の意味で理解してる人はきっと少ないです。

で、これは金融や経済などでよく出てくる概念で私もその文脈で最近使いましたが(日本語教師のためのマネーハック 機会損失の概念と「銀行預金は元本保証だから安全資産」という思い込みの落とし穴)、 今回書いている「機会損失」は、「その行動をしなければできていたかもしれない、生産的な行動ができなかったことによるロス」と定義します。

つまり、例えば「教案作りに3時間かかった時に、もしその3時間を他のことに使っていたらどんな生産的な活動ができていたか?」と考えるってこと。

例えば、その時間を教案作りに使ってなかったら、趣味の時間を持てたかもしれないし、料理ができてたかもしれない。あるいは、掃除をしてリフレッシュできてたかもしれません。

そして、こういう時間って、仕事の犠牲になりやすいので、逆に考えると趣味や料理や掃除がしたいのにできてないのは、教案作りのような行動に際限なく時間を割いているから。

また、家族がいる人は、あなたの作業で家族が犠牲になったり我慢を強いられたりしてませんか?

私も、家族じゃないけど親しい日本語教師と約束をしていたのに、「まだ作業が終わらないから」ってブッチされた経験あります。

ん〜先にしておいた約束は、反故ですか・・・

このように、機会損失の概念を理解してないと、様々なことを失っていきますよ。

親しかった友人の日本語教師が、私の信用を失ったように。


2 「この中のどれが一番大切ですか?」と聞かれて「全部大切です」とか答える人

簡単に書けば、プライオリティを考えてない人です。

こういう人って、優先順位がつけられないんですよね。

そして、すべての作業を等価で行う傾向があります。


3 直前に始めてその時に全部やろうとする人

あなたは小学生の時に、夏休みの宿題は計画的にできてたタイプですか?

私はできなかった側の人です。

ただ、これについては自分でもよく把握していたので、意識的に直しました。

完全に改善されているかというと自信はありませんが、小学生の時とはかなり変わりました。

で、例えば日本語教師は担当する授業の内容は、かなり前に分かってますよね?

学校によって違いますが、一般的には専任講師がカリキュラムや日割りの進度を決定し、進度表などを早い段階で担当講師に配ります。

にもかかわらず、直線に準備を始めて自転車操業状態に陥ってる人の多いこと、多いこと。

私の経験からすると、直前に準備を始めて授業に臨んでしまうと、かなりの確率で「あれはこうやればよかったかも!」みたいな感じで、後でより良いアイデアが浮かんで後悔することが多いです。


4 完璧に準備しようとし、細部まで詰める人

こういう人も多そう。

私はあまり細部まで考える必要はないって思ってます。

なぜなら、授業は生き物で当初こちらが全く想定していない質問や発話が、どんどん出てくるから。

そうなるのが分かっているのに、細部まで想定して教案を作るのって、時間の無駄でしかありません。

なので、授業は「想定してても、それ以外の突発的なことが起きる」っていう前提を持っていた方が良さそう。

その上で、そうなった時にどう対処するのかっていう、臨機応変さが求められそう。


5 自分の作業効率を実際より大きく見積もっている人

私がこのエントリを書こうと思った直接のきっかけは、このことに気づいたから。

ちょっと話が変わりますが、私はgymに定期的に行っていて、作業が遅くまでかかった時は事務の方に「今日は何時までいらっしゃいますか?」って聞きます。

なぜかというと、私はジム用品を極力職場に置いておきたくて、その雨には事務方が帰る前に教務室に戻ってきてそれを置いておかないといけないから。


で、例えば私が聞いた時の返事が「7時」だったとして、私がその時に帰ってきても大概はそれ以上そこにいてはることが多いです。

つまり、事務方としては「7時に終わると思っていた」けど、実際はそれ以上に業務に時間がかかっているってことになります。

これは、「自分の業務効率だとこの時間でできるだろう」って思っているものの、実際はそれ以上に時間がかかっていて、それはつまり自分の能力を大きく見積もっていて、実際はその能力が追いついてないってことです。

教案に時間がかかる人って、こういうことにも陥ってそう。


☆☆☆☆☆☆☆


 このエントリでは、教案に時間がかかりすぎる教師の特徴のみを書きましたが、どこかでそれぞれの項目を払拭するための方法論を書こうと思ってます。


ほな、さいなら! 


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2017年05月22日

今回の小論文のテーマは「イメージではなく根拠に基づいて考えよう」、トピックは「今世紀における人類にとっての脅威」 そしてスマホ利用許可→禁止へ

もうね、このクラスの学生、印象論で小論文書きすぎ。

ほんで、その印象が現実と乖離しすぎ。

先週の「あなたの友達が日本に留学するとしたら、あなたは勧めますか?」っていうトピックでも、「日本の大学は世界的にも高いレベルであり・・・」みたいなことを書いてた学生が数人。

いやいや、逆ですから。

そこで、こちらのデータ(【最新版】世界大学ランキング2016-2017!日本の大学の気になる順位は?)を配ったら反響が大きかった。

だめ押しで、「いかにあなたたちの勝手なイメージと現実が違っているか」を実感して欲しかったので、日本・韓国・中国・香港の65歳以上の自殺率の高さをランクづけしてもらいました。

彼らの予想では、

1 日本

2 韓国

3 香港

4 中国

でしたが、実際は

1 韓国

2 中国

3 香港

4 日本

です。


というわけで、いかに自分たちが持っている先入観や固定概念があてにならないかを感じていただきました。

その後、ちょっとした練習をしたんですけど、この練習についてはまた別エントリで書くかも。


で、何かを述べようとするときには勝手な思い込みのイメージではなく、「根拠」が必要であると説明。

ただ、今彼らが知っているこの「根拠」に当たるデータなどがおそらく少なすぎるので、今回は、


1 スマホで根拠を探す時間・15分間(スマホ使用許可)

2 その根拠を元に文章を書く時間・残り時間(スマホ使用禁止)


という流れに。

なぜ文章を書いている時にスマホ使用を禁止したかというと、


・剽窃(ひょうせつ)を防ぐため

・辞書を使わせないため


剽窃というのはざっくり書くとパクリです。

文章をそのままダラダラ写されてもね・・・

あと、辞書は使ってもいいとは思うんですけど、そうするとかなり時間がかかるんですよね。

書くの遅いんです、彼ら。


今回のトピックに「今世紀における人類にとっての脅威」を選んだ理由は、


・その脅威について述べる時に、どんな根拠が必要になるか

・その根拠から導き出される推論に妥当性があるかどうか

・具体的にどんな世界になるのか、細部まで想像できるか


というあたりが知りたかったから。

あ、構成としては


1 脅威の紹介

2 それが脅威になる理由

3 そこから予想されること

4 (その解決策)


です。

4が( )になってるのは、思いつく人はできるだけ書いて欲しいけど、ハードルが高いから書ける人だけ書いてもらうため。


このトピックって、下手したらめっちゃ子供っぽい幼稚な文章が出来上がるんですけど、そのあたりどうなるんだろうと思っていたら、子供っぽくはないんですけどかなり「時代遅れ」で「認識不足」な内容を書いた学生が2名ほど。


ベトナム人男子A

・地球温暖化

二酸化炭素の増加で地球全体の温度が上がり、さらにそれがオゾン層の破壊にも影響を与える。


古いです。すでに地球全体の環境問題っていうと、エネルギー不足、食糧不足、水不足がメインストリームになってる気がしますけど。

で、二酸化炭素はオゾン層破壊の主犯じゃないです。

ベトナム人男子B

・大気汚染

工業化が進みつつある現代では、世界的に大気汚染が進んでいて、さらに雨が降ると海洋汚染にもつながる。


工業化が進んでたのって、何世紀か前じゃない?

確かにベトナムではそうかもしれないけど、それを世界全体にすぐさま当てはめるんです。

各地域の事情の違いなんかには、考えが及びません。

で、雨が降ったらって・・・

少なくともそういう現象を、私は見聞きしたことないです。


まだ、詳細に全員の文章を読んだわけではないんですけど、とりあえず気になったのはこの2人なので、今回書いてみました。


ほな、さいなら!


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