2020年02月
2020年02月27日
今回の新型肺炎で日本語学校のオワコン化が加速するかも
いや〜えらいことになってます、新型肺炎。
新型肺炎については、日本語教育と絡めて1ヶ月くらい前にこんな記事を書きました。
ところが、1ヶ月経ちかなり状況が変わって来ています。
既に、上記エントリで書いた内容どころではないって感じですよね。
今日、こんな記事もありました。
南極覗く全大陸って言葉、インパクトありますね〜
早く終息してほしいとは思うものの、今後どこまで拡大するのか見当もつきません。
そして、終息したとしても今後の国を跨いでの移動には、従来とは異なりかなりの制限が行われたり、人々の意識が変化する可能性もあります。
仮にそうなった時のことを踏まえて考えると、日本語学校にはマイナスの影響が多く、そのためオワコン化が加速するという結論に。
☆☆☆☆☆☆☆
1 海外渡航のリスク上昇による留学生の減少
まあこれは当然誰でもが思い当たることでしょうね。
今回の新型コロナウィルスがおさまってある程度の期間が経過したとしても、やはりなお私たちの中には「飛行機という密室で海外へ行く」ことのリスクを大きく感じ、そのため「留学」にはそれ相応のリターンがあるという確証を得ない限り、海外留学を躊躇する人が多くなるんじゃないでしょうか。
今までの日本政府の対応の経緯を見ていると、特に「日本への留学」に。
私の肌感覚では、まだ5年くらい前までは留学生が特に進学目的で日本へ留学することで得られるリターンはあったように思いますが、今はどうなんでしょうか?
そしてこれには、「一度留学しちゃうと気軽に帰省したりできなくなって、それだったら留学するのやめる」って人も含まれます。
最近の比較的経済的に恵まれている中国人留学生なんか、長期休暇のたびに帰国する人もいますし。
2 入学式、オリエンテーション、校外学習のリスク上昇
入学式など、ホールに多国籍多数の人間が集まるのもリスクが高いです。
まあ式だけであればいいんですが、オリエンテーションなど「情報を一度に多数に伝えたほうがコスパが良い」ケースなど、本当に対応が難しいんじゃないかと。
オリエンテーションで伝えるべき情報を各国語でメールなどで発信しても、実際には読まない留学生って多そうだし。
また、校外学習で特に観光バスで移動するのは危険。
そういう移動手段って、人口密度の高い密室なのでその時に感染症が問題になっていなかったとしても、生理的に無理って人も出てくるのでは?
ただ、日本語学校の中には充実したというか、まあまあ豪華な校外学習をウリにしている学校もあったりして、そういう学校には感染症(とそのイメージ)のリスクは大打撃です。
3 非正規雇用である非常勤講師の緊急対応ができない
時短勤務、時差通勤など、非常時に徐々に普及しつつある柔軟な対応が、非常勤講師がメインの働き手である日本語学校では難しいことも挙げられます。
これは日本の今の段階での話なんですが、現にその辺りで混乱が起こっています。
業種や職種にもよりますが、新型肺炎がおさまるまでに非正規雇用のための整備を試みて、それが可能になる企業や事業所が出てくる可能性はあります。
ところが、日本語学校はどうでしょう?
時短勤務や時差通勤って、可能になる日が来るんでしょうか?
まあ学習者の事情(アルバイトなど)にもよりますが、私はやろうと思えばできると考えています。
午前と午後の入れ替えをしている学校は若干難しいのかなという気もしますが、そうでない学校は比較的やりやすそう。
ただ、ボトルネックになってくるのは学校経営者の思考の古さかなと。
あと意外な盲点として、ずーっと固定の曜日や時間で今まで働いてきた非常勤講師の頭の固さが挙げられるんじゃないかとも考えています。
そういう人って、「決まった時間じゃないと困る!」とか言って、時差通勤とかしてくれなさそう。
確かにその気持ちも分からなくはないんですが、その働き方って産業革命の時からずーっとそうなんですよね。
そろそろもうちょっと柔軟な働き方ができるようになっても良い頃なのでは?
特に、今のこの日本の現状ではそんなこと言ってられないわけですし。
でもなんとなく、非正規雇用であっても他の業界では色々な働き方が整備されていっても、日本語学校だけは取り残されるんじゃないかと。
☆☆☆☆☆☆☆
今回の新型肺炎のニュースを見聞きして、私に考えたことをまとめてみました。
ほな、さいなら!
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新型肺炎については、日本語教育と絡めて1ヶ月くらい前にこんな記事を書きました。
ところが、1ヶ月経ちかなり状況が変わって来ています。
既に、上記エントリで書いた内容どころではないって感じですよね。
今日、こんな記事もありました。
南極覗く全大陸って言葉、インパクトありますね〜
早く終息してほしいとは思うものの、今後どこまで拡大するのか見当もつきません。
そして、終息したとしても今後の国を跨いでの移動には、従来とは異なりかなりの制限が行われたり、人々の意識が変化する可能性もあります。
仮にそうなった時のことを踏まえて考えると、日本語学校にはマイナスの影響が多く、そのためオワコン化が加速するという結論に。
☆☆☆☆☆☆☆
1 海外渡航のリスク上昇による留学生の減少
まあこれは当然誰でもが思い当たることでしょうね。
今回の新型コロナウィルスがおさまってある程度の期間が経過したとしても、やはりなお私たちの中には「飛行機という密室で海外へ行く」ことのリスクを大きく感じ、そのため「留学」にはそれ相応のリターンがあるという確証を得ない限り、海外留学を躊躇する人が多くなるんじゃないでしょうか。
今までの日本政府の対応の経緯を見ていると、特に「日本への留学」に。
私の肌感覚では、まだ5年くらい前までは留学生が特に進学目的で日本へ留学することで得られるリターンはあったように思いますが、今はどうなんでしょうか?
そしてこれには、「一度留学しちゃうと気軽に帰省したりできなくなって、それだったら留学するのやめる」って人も含まれます。
最近の比較的経済的に恵まれている中国人留学生なんか、長期休暇のたびに帰国する人もいますし。
2 入学式、オリエンテーション、校外学習のリスク上昇
入学式など、ホールに多国籍多数の人間が集まるのもリスクが高いです。
まあ式だけであればいいんですが、オリエンテーションなど「情報を一度に多数に伝えたほうがコスパが良い」ケースなど、本当に対応が難しいんじゃないかと。
オリエンテーションで伝えるべき情報を各国語でメールなどで発信しても、実際には読まない留学生って多そうだし。
また、校外学習で特に観光バスで移動するのは危険。
そういう移動手段って、人口密度の高い密室なのでその時に感染症が問題になっていなかったとしても、生理的に無理って人も出てくるのでは?
ただ、日本語学校の中には充実したというか、まあまあ豪華な校外学習をウリにしている学校もあったりして、そういう学校には感染症(とそのイメージ)のリスクは大打撃です。
3 非正規雇用である非常勤講師の緊急対応ができない
時短勤務、時差通勤など、非常時に徐々に普及しつつある柔軟な対応が、非常勤講師がメインの働き手である日本語学校では難しいことも挙げられます。
これは日本の今の段階での話なんですが、現にその辺りで混乱が起こっています。
業種や職種にもよりますが、新型肺炎がおさまるまでに非正規雇用のための整備を試みて、それが可能になる企業や事業所が出てくる可能性はあります。
ところが、日本語学校はどうでしょう?
時短勤務や時差通勤って、可能になる日が来るんでしょうか?
まあ学習者の事情(アルバイトなど)にもよりますが、私はやろうと思えばできると考えています。
午前と午後の入れ替えをしている学校は若干難しいのかなという気もしますが、そうでない学校は比較的やりやすそう。
ただ、ボトルネックになってくるのは学校経営者の思考の古さかなと。
あと意外な盲点として、ずーっと固定の曜日や時間で今まで働いてきた非常勤講師の頭の固さが挙げられるんじゃないかとも考えています。
そういう人って、「決まった時間じゃないと困る!」とか言って、時差通勤とかしてくれなさそう。
確かにその気持ちも分からなくはないんですが、その働き方って産業革命の時からずーっとそうなんですよね。
そろそろもうちょっと柔軟な働き方ができるようになっても良い頃なのでは?
特に、今のこの日本の現状ではそんなこと言ってられないわけですし。
でもなんとなく、非正規雇用であっても他の業界では色々な働き方が整備されていっても、日本語学校だけは取り残されるんじゃないかと。
☆☆☆☆☆☆☆
今回の新型肺炎のニュースを見聞きして、私に考えたことをまとめてみました。
ほな、さいなら!
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2020年02月25日
ビジネスパーソン学習者のレッスンで楽しく使える教材になりそうな 糸井重里監修「オトナ語の謎」
この「オトナ語の謎」って本は、ずっと前に買ってあったんですが存在を忘れていて、先日たまたま発見して読んだら面白かったのでシェアします。
この本は、糸井さんがおそらく敢えてユーモアと皮肉たっぷりに、色々なところでオトナに話される日本語を解説している本です。
この本の中には、使い方は明示されているものの意味には言及していないものも含まれていますが、糸井さん独特の解説を読んだりするのが楽しいです。
そこで、今回は日本語学校で学ぶ真面目な日本語にはないニュアンスや、学校では教えてくれないであろう日本語を紹介してみます。
☆☆☆☆☆☆☆
1 漢字の読み
・一日(いっぴ)
・明日(みょうにち)
・七月(なながつ)
いかがでしょうか?
この中で、上級クラスだと「明日」には言及することがあるかもしれないと思うんですが、「一日」や「七月」を授業で教えたことある先生っていますか?
これ、日本語学校で真面目に日本語を学んだ元留学生が日本企業に就職して知ったら、さぞ驚くことでしょう。
2 語彙
・落とし所
・端折る(はしょる)
・青天井
・カツカツ
これらも教わらなさそう。
「カツカツ」なんかが出てくるとしたら、上級クラスの副詞やオノマトペあたりだと思いますが、おそらくこの語彙よりもプライオリティが高いものが優先されて、学校で教える可能性は低そう。
学生が「カツカツってどういう意味ですか?」って聞いて来た時だけ、説明する機会があるんでしょうね。
因みに、この「カツカツ」の解説の中で糸井さんが紹介している使い方は、
です。
3 カタカナ語彙のしかも省略バージョン
・リスケ(リスケジュール)
もう普通のカタカナ語彙だけで、留学生はイッパイイッパイなんです!
それを省略するなんて・・・
4 語彙の多義性
・とぶ
この本で紹介されている「とぶ」の使い方は3つあって、
1 ちょっと神戸へとんでもらえるか。(急な出張、強制的な移動)
2 午後の会議とんだから、急に暇になったよ。(無くなる)
3 高橋さん、◯◯支社にとばされたらしいよ。(左遷)
5 一般的な使い方とは異なる意味
・泣く
「・・・・・ここはひとつ泣いてもらえませんか?」
「わかりました。うちが泣きましょう!」
ここでは、渋々承諾するっていうくらいの意味です。
6 言外のニュアンスが含まれている語彙
・大問題
ここでは引用します。
確かに、主観的な怒りを表現するときに、敢えて客観的な印象がある「大問題」って使うかもな、と。
7 コロケーション
・手離れが悪い
・物理的に難しい/無理
これも、言われてみればそうでした!
特に後者は、オトナ語の中では「物理的に・・・」って言われると「無理なんだな」って思いますし。
8 他動詞
・名刺を切らす
これ、筆者は「そう言ってはいるけど、本当のところは名刺を忘れて来てるだけ」っていうことが言いたいんです。
ところが、私は「名刺を切らしておりまして。」と「〜てしまう」を使わないで他動詞を使うと、意志的な行動ってことになっちゃうんじゃないかな、って思うんですけど、どうでしょうか?
9 テンス
・〜じゃなかったでしたっけ
私が初級を教えていたとき、日本語初歩には例えば「遠足は来週の月曜日でしたっけ。」っていうような文法項目が出て来てました。
話を聞いた時点は過去だけど、その内容は未来といったような。
これ、最近の初級では取り上げられているんでしょうか?
10 受身 + くれる?
・たのまれてくれる?
これも、元留学生を悩ませそう。
さらに、日本語の初級の教科書では、こういう依頼の時って文末が「〜ませんか/ない?」ってなってることが多いので、それだけをよく覚えている人は混乱しそう。
で、本書からの引用。
本当にそう!
この最後の例からも分かるように、表面的には日本語学校で習ったような意味だけど、オトナの間では実は違った機能やニュアンスでその日本語を使うんだよっていうことが面白く書かれているので、日本語の裏側をも知りたいビジネスパーソン学習者にはもってこいかな、と。
私だったら、ここに出て来ているオトナ語が使われている場面を設定して、会話練習とかするかも。
まあ、実際に授業で使わなくても、読んでるだけでも面白い本です。
Amazon
楽天ブックス
オトナ語の謎。 (新潮文庫) [ ほぼ日刊イトイ新聞 ]
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この本は、糸井さんがおそらく敢えてユーモアと皮肉たっぷりに、色々なところでオトナに話される日本語を解説している本です。
この本の中には、使い方は明示されているものの意味には言及していないものも含まれていますが、糸井さん独特の解説を読んだりするのが楽しいです。
そこで、今回は日本語学校で学ぶ真面目な日本語にはないニュアンスや、学校では教えてくれないであろう日本語を紹介してみます。
☆☆☆☆☆☆☆
1 漢字の読み
・一日(いっぴ)
・明日(みょうにち)
・七月(なながつ)
いかがでしょうか?
この中で、上級クラスだと「明日」には言及することがあるかもしれないと思うんですが、「一日」や「七月」を授業で教えたことある先生っていますか?
これ、日本語学校で真面目に日本語を学んだ元留学生が日本企業に就職して知ったら、さぞ驚くことでしょう。
2 語彙
・落とし所
・端折る(はしょる)
・青天井
・カツカツ
これらも教わらなさそう。
「カツカツ」なんかが出てくるとしたら、上級クラスの副詞やオノマトペあたりだと思いますが、おそらくこの語彙よりもプライオリティが高いものが優先されて、学校で教える可能性は低そう。
学生が「カツカツってどういう意味ですか?」って聞いて来た時だけ、説明する機会があるんでしょうね。
因みに、この「カツカツ」の解説の中で糸井さんが紹介している使い方は、
きんきんにとんとんにしたいのですがゴタゴタ続きでばたばたしておりましてカツカツ何ですよ。
です。
3 カタカナ語彙のしかも省略バージョン
・リスケ(リスケジュール)
もう普通のカタカナ語彙だけで、留学生はイッパイイッパイなんです!
それを省略するなんて・・・
4 語彙の多義性
・とぶ
この本で紹介されている「とぶ」の使い方は3つあって、
1 ちょっと神戸へとんでもらえるか。(急な出張、強制的な移動)
2 午後の会議とんだから、急に暇になったよ。(無くなる)
3 高橋さん、◯◯支社にとばされたらしいよ。(左遷)
5 一般的な使い方とは異なる意味
・泣く
「・・・・・ここはひとつ泣いてもらえませんか?」
「わかりました。うちが泣きましょう!」
ここでは、渋々承諾するっていうくらいの意味です。
6 言外のニュアンスが含まれている語彙
・大問題
ここでは引用します。
大きな問題、というよりも「そのへんが頭にくる!」というニュアンスを含んでいる。これ、この本を読むまで気づきませんでした。
「あいつがヨーロッパ行くこと自体が大問題なんだよ」
確かに、主観的な怒りを表現するときに、敢えて客観的な印象がある「大問題」って使うかもな、と。
7 コロケーション
・手離れが悪い
・物理的に難しい/無理
これも、言われてみればそうでした!
特に後者は、オトナ語の中では「物理的に・・・」って言われると「無理なんだな」って思いますし。
8 他動詞
・名刺を切らす
これ、筆者は「そう言ってはいるけど、本当のところは名刺を忘れて来てるだけ」っていうことが言いたいんです。
ところが、私は「名刺を切らしておりまして。」と「〜てしまう」を使わないで他動詞を使うと、意志的な行動ってことになっちゃうんじゃないかな、って思うんですけど、どうでしょうか?
9 テンス
・〜じゃなかったでしたっけ
私が初級を教えていたとき、日本語初歩には例えば「遠足は来週の月曜日でしたっけ。」っていうような文法項目が出て来てました。
話を聞いた時点は過去だけど、その内容は未来といったような。
これ、最近の初級では取り上げられているんでしょうか?
10 受身 + くれる?
・たのまれてくれる?
これも、元留学生を悩ませそう。
さらに、日本語の初級の教科書では、こういう依頼の時って文末が「〜ませんか/ない?」ってなってることが多いので、それだけをよく覚えている人は混乱しそう。
で、本書からの引用。
かたちとしては質問だが、意味としては命令であるという、じつにオトナっぽい言葉。「はい」と言うしかない。
本当にそう!
この最後の例からも分かるように、表面的には日本語学校で習ったような意味だけど、オトナの間では実は違った機能やニュアンスでその日本語を使うんだよっていうことが面白く書かれているので、日本語の裏側をも知りたいビジネスパーソン学習者にはもってこいかな、と。
私だったら、ここに出て来ているオトナ語が使われている場面を設定して、会話練習とかするかも。
まあ、実際に授業で使わなくても、読んでるだけでも面白い本です。
Amazon
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オトナ語の謎。 (新潮文庫) [ ほぼ日刊イトイ新聞 ]
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2020年02月22日
勝間和代さんのメルマガを読んで考えた日本語のコロケーションの変化
私は以前から勝間和代さんのメルマガを購読しています。
今日の彼女のメルマガに面白い部分があったので、それについて考えたことを書きます。
メルマガの内容は、最近は歩くのが1万歩どころか2万歩くらいになってきたというもので、その中に
という表現があったんです。
ところで、コロケーションって知ってますか?
語と語の結びつきのことなんですが、例えば、
暴力を( )
とかだと、普通「振るう」がきますよね?そういう結びつきのことです。
コロケーションについては、こっちのエントリに少し書いています。
で、勝間さんの「本を聞く」って新しいなと。
普通、本を( )だと( )の中には「読む」が入るのが従来は妥当でしたが、確か勝間さんはオーディオブックを本の内容のインプットに利用されていらっしゃるので、まさに「本を聞く」と言えるわけです。
今は日本でも、Amazonプライム会員だと無料でaudibleが利用できたりしますし、アメリカなんかだと結構車社会なのでそういうのを使って本を聞く人が多いそうです。
で、そういう人が増えてくると「本を聞く」っていうコロケーションも許容されて行くのかな、と。
そうなってくると、「本を読む」のように将来消える可能性があるコロケーションも出てきそう。
・電話をかける
・(人が)車を運転する
・お金を払う
・注文を聞く
などは、将来消えるかもしれませんね。
これ読んでる読者の方なら、どういう根拠というか、何に取って代わられるか分かりますよね?
因みに、まだかろうじて
・電報を打つ
とかはあるんですかね?
もしドキュメントなどへの音声入力が一般化すると、キーボードを打つ/叩くっていうコロケーションも無くなるのかも。
私は言葉って、ある一定以上の時間をかけて徐々に変化して行くものだとばかり思っていましたが、テクノロジーの急速な進歩に伴って変わっていくように今後はなって行くのかなと思うようになりました。
それと、日本語教師も意識的に様々な媒体での情報収集に努めていないと、こういう変化を見逃しがちになるのかな、とも。
私ももうちょっと色々とアンテナを伸ばしておこうと考えています。
ほな、さいなら!
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今日の彼女のメルマガに面白い部分があったので、それについて考えたことを書きます。
メルマガの内容は、最近は歩くのが1万歩どころか2万歩くらいになってきたというもので、その中に
ずっと本を聞きながら歩いてしまいます。
という表現があったんです。
ところで、コロケーションって知ってますか?
語と語の結びつきのことなんですが、例えば、
暴力を( )
とかだと、普通「振るう」がきますよね?そういう結びつきのことです。
コロケーションについては、こっちのエントリに少し書いています。
で、勝間さんの「本を聞く」って新しいなと。
普通、本を( )だと( )の中には「読む」が入るのが従来は妥当でしたが、確か勝間さんはオーディオブックを本の内容のインプットに利用されていらっしゃるので、まさに「本を聞く」と言えるわけです。
今は日本でも、Amazonプライム会員だと無料でaudibleが利用できたりしますし、アメリカなんかだと結構車社会なのでそういうのを使って本を聞く人が多いそうです。
で、そういう人が増えてくると「本を聞く」っていうコロケーションも許容されて行くのかな、と。
そうなってくると、「本を読む」のように将来消える可能性があるコロケーションも出てきそう。
・電話をかける
・(人が)車を運転する
・お金を払う
・注文を聞く
などは、将来消えるかもしれませんね。
これ読んでる読者の方なら、どういう根拠というか、何に取って代わられるか分かりますよね?
因みに、まだかろうじて
・電報を打つ
とかはあるんですかね?
もしドキュメントなどへの音声入力が一般化すると、キーボードを打つ/叩くっていうコロケーションも無くなるのかも。
私は言葉って、ある一定以上の時間をかけて徐々に変化して行くものだとばかり思っていましたが、テクノロジーの急速な進歩に伴って変わっていくように今後はなって行くのかなと思うようになりました。
それと、日本語教師も意識的に様々な媒体での情報収集に努めていないと、こういう変化を見逃しがちになるのかな、とも。
私ももうちょっと色々とアンテナを伸ばしておこうと考えています。
ほな、さいなら!
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2020年02月21日
Netflixのオリジナルドラマ「Alta Mar アルタ・マール:公海の殺人」がスペイン語の初級学習者にオススメな理由と思ったこと
私は去年まで、NetflixをAmazonのプライムビデオでは見られない作品を見るっていう、若干消極的な利用の仕方をしていました。
が、それだとサブスクリプションの元が取れないと思い直し、今年に入ってからは積極的に視聴することに。
で、発見しました。
「Alta Mar アルタ・マール:公海の殺人」!
今までは、どこかのメディアでおすすめされていたものを見ることが多かったのですが、今回は自力で発見。
スペイン語の初級学習者にオススメする理由は後述しますが、ミステリーファンの人にも是非オススメしたい作品でもあります。
まず設定なんですが、船の中といういわゆる密室です。
そういう閉じられた空間の中で人が死んだり殺されたりしていきながら、謎が謎を呼んだり新しい事実が発覚したりして、もう私の大好きな恩田陸さんもビックリするくらいのストーリーテリング。
特徴的なのが、今まで怪しいと思われた人がそうではないと判明し、その人以外の人がまた怪しく思えてくるっていうのを繰り返すような流れ。
脚本が凄まじいです。
あと、かなりのお金がかかっているという印象も。
そう考えると、日本の地上波のドラマとか相当ショボく感じます。
シーズンも2シーズンだけなので、そこまで時間もかかりませんし、そろそろ長期休暇という人にはもってこいです。
ただ1つだけ注意喚起すると、かなりハマる可能性が高く続けて視聴せずにはいられなくなる可能性が高いので、ある程度まとまった時間が確保できるタイミングでご覧ください。
☆☆☆☆☆☆☆
このドラマがスペイン語のh訴求学習者にオススメの理由は端的に書くと、
聞き取れる言葉が多く、そういう意味での満足感が得やすい
ってこと。
ただ、今ここで書いている聞き取れるっていうのは「聞いて意味まで全部理解できる」というよりは、その前段階の「聞いた時に、どんなスペイン語が話されているかの認知ができる」って段階のこと。
これは、特に私に該当するだけなのかもしれませんが。
シーズン1の1話目について書こうと思っているのですが、スペインから2人の姉妹が豪華客船に乗船し、姉はそのオーナーの男性と船上で結婚式をすることになっていて、乗船する際に婚約者に追われている女性を匿ってそれを隠して乗船してしまうってところから始まります。
なので、満足感が得やすいポイントとして、
1 挨拶が多い
が挙げられます。
挨拶って、スペイン語に限らずどんな言語を学習する時も最初に習いますよね?
シーズン1の1話目に出てきて、私が聞き取れた範囲では、
・Como estas?(ご機嫌いかが?)
・Buenos dias.(こんにちは。)
・Buenas noches.(こんばんは。)
・Muchas gracias.(どうも有難う。)
・Encantada.(初めまして。)
・Esta bien?(調子はいいですか?)
・Perdon.(すみません。)
・Lo ciento(ごめんなさい。)
などです。
1話目だからもっと多いかと思っていたのですが、改めてチャックするとそうでもなかったです。
でも、2話目以降もこれら以外の挨拶がたくさん出てきます。
2 スペイン語は表記と音があまり乖離してないので、知ってさえいれば単語が聞き取れる
これも大きいです。
基本、スペイン語の発音は日本人が言うところの、ローマ字読みに近いです。
スペイン語でレストランを意味する単語は、「restaurante」で「レスタウランテ」って発音します。
私が聞き取れた範囲で、品詞別に紹介すると、
【名詞】
・policia(警察官)
・tio(おじ)
・viaje(旅行)
・barco(船)
・hermana(姉妹)
・capitan(船長 ※aにアクセント記号)
・lengua(言語 ※話すほうの言語)
・nombre(名前)
・doctor(医者)
・tiempo(時間)
・mujer(女性)
・falta(行方不明)
【動詞】
・esperar(待つ)
・ir(行く ※この時は一人称複数のvamosが多かったです)
・entender(理解する)
・cenar(晩御飯を食べる)
・cantar(歌う)
・mirar(見る)
・escuchar(聞く)
・saber(知っている)
・dormir(寝る)
【形容詞】
・mejor(より良い)
・maravilla(不思議)
・perfecto(完璧な)
・ocupado(忙しい)
・inteligente(知的な)
・interesante(興味深い)
【その他】
・todo(全部)
・un poco(ちょっと)
・hoy(今日)
・ahora(今)
・pero(しかし)
って感じですかね。
スペイン語初級学習者なら、大抵知ってる単語じゃないでしょうか?
私よりも語彙が豊富な人は、もっと色んな語彙が使われていることに気づくと思います。
☆☆☆☆☆☆☆
思ったことというのはこれ。
「tranquilo」と「aderlante」って言葉の文脈が多様すぎる
ってこと。
Google翻訳では、それぞれ「静かな」と「先を行く」って意味だそうなんですが、その意味と和訳が結構かけ離れているケースが多かったです。
「tranquilo」は「大丈夫」、「安心して」、「放っておいて」っていう訳になっていたり、「adelante」は1話目で姉妹に船上で再会したおじさんが多用するんですが、和訳のどの部分に当たるのかさえ私にはちょっと分かりませんでした。
スペイン語って奥が深いですね。
振り返ると、日本語の「すみません」って言葉の多義性もハンパないので、教える際には注意が必要かなと再認識。
☆☆☆☆☆☆☆
シーズン1の1話目のあらすじが前述したような内容なので、緊迫感があり登場人物の話すスピードは決して遅くないのですが、まあこういう感じで聞き取れたりもするってことなんですよね。
それともう1つ思うのが、語学学習ってこういう個人の趣味に端を発しても進められるってこと。
エンタメを楽しみながら学習もできる的な。
日本語教育もそうなっていくような気がしています。
ほな、さいなら!
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が、それだとサブスクリプションの元が取れないと思い直し、今年に入ってからは積極的に視聴することに。
で、発見しました。
「Alta Mar アルタ・マール:公海の殺人」!
今までは、どこかのメディアでおすすめされていたものを見ることが多かったのですが、今回は自力で発見。
スペイン語の初級学習者にオススメする理由は後述しますが、ミステリーファンの人にも是非オススメしたい作品でもあります。
まず設定なんですが、船の中といういわゆる密室です。
そういう閉じられた空間の中で人が死んだり殺されたりしていきながら、謎が謎を呼んだり新しい事実が発覚したりして、もう私の大好きな恩田陸さんもビックリするくらいのストーリーテリング。
特徴的なのが、今まで怪しいと思われた人がそうではないと判明し、その人以外の人がまた怪しく思えてくるっていうのを繰り返すような流れ。
脚本が凄まじいです。
あと、かなりのお金がかかっているという印象も。
そう考えると、日本の地上波のドラマとか相当ショボく感じます。
シーズンも2シーズンだけなので、そこまで時間もかかりませんし、そろそろ長期休暇という人にはもってこいです。
ただ1つだけ注意喚起すると、かなりハマる可能性が高く続けて視聴せずにはいられなくなる可能性が高いので、ある程度まとまった時間が確保できるタイミングでご覧ください。
☆☆☆☆☆☆☆
このドラマがスペイン語のh訴求学習者にオススメの理由は端的に書くと、
聞き取れる言葉が多く、そういう意味での満足感が得やすい
ってこと。
ただ、今ここで書いている聞き取れるっていうのは「聞いて意味まで全部理解できる」というよりは、その前段階の「聞いた時に、どんなスペイン語が話されているかの認知ができる」って段階のこと。
これは、特に私に該当するだけなのかもしれませんが。
シーズン1の1話目について書こうと思っているのですが、スペインから2人の姉妹が豪華客船に乗船し、姉はそのオーナーの男性と船上で結婚式をすることになっていて、乗船する際に婚約者に追われている女性を匿ってそれを隠して乗船してしまうってところから始まります。
なので、満足感が得やすいポイントとして、
1 挨拶が多い
が挙げられます。
挨拶って、スペイン語に限らずどんな言語を学習する時も最初に習いますよね?
シーズン1の1話目に出てきて、私が聞き取れた範囲では、
・Como estas?(ご機嫌いかが?)
・Buenos dias.(こんにちは。)
・Buenas noches.(こんばんは。)
・Muchas gracias.(どうも有難う。)
・Encantada.(初めまして。)
・Esta bien?(調子はいいですか?)
・Perdon.(すみません。)
・Lo ciento(ごめんなさい。)
などです。
1話目だからもっと多いかと思っていたのですが、改めてチャックするとそうでもなかったです。
でも、2話目以降もこれら以外の挨拶がたくさん出てきます。
2 スペイン語は表記と音があまり乖離してないので、知ってさえいれば単語が聞き取れる
これも大きいです。
基本、スペイン語の発音は日本人が言うところの、ローマ字読みに近いです。
スペイン語でレストランを意味する単語は、「restaurante」で「レスタウランテ」って発音します。
私が聞き取れた範囲で、品詞別に紹介すると、
【名詞】
・policia(警察官)
・tio(おじ)
・viaje(旅行)
・barco(船)
・hermana(姉妹)
・capitan(船長 ※aにアクセント記号)
・lengua(言語 ※話すほうの言語)
・nombre(名前)
・doctor(医者)
・tiempo(時間)
・mujer(女性)
・falta(行方不明)
【動詞】
・esperar(待つ)
・ir(行く ※この時は一人称複数のvamosが多かったです)
・entender(理解する)
・cenar(晩御飯を食べる)
・cantar(歌う)
・mirar(見る)
・escuchar(聞く)
・saber(知っている)
・dormir(寝る)
【形容詞】
・mejor(より良い)
・maravilla(不思議)
・perfecto(完璧な)
・ocupado(忙しい)
・inteligente(知的な)
・interesante(興味深い)
【その他】
・todo(全部)
・un poco(ちょっと)
・hoy(今日)
・ahora(今)
・pero(しかし)
って感じですかね。
スペイン語初級学習者なら、大抵知ってる単語じゃないでしょうか?
私よりも語彙が豊富な人は、もっと色んな語彙が使われていることに気づくと思います。
☆☆☆☆☆☆☆
思ったことというのはこれ。
「tranquilo」と「aderlante」って言葉の文脈が多様すぎる
ってこと。
Google翻訳では、それぞれ「静かな」と「先を行く」って意味だそうなんですが、その意味と和訳が結構かけ離れているケースが多かったです。
「tranquilo」は「大丈夫」、「安心して」、「放っておいて」っていう訳になっていたり、「adelante」は1話目で姉妹に船上で再会したおじさんが多用するんですが、和訳のどの部分に当たるのかさえ私にはちょっと分かりませんでした。
スペイン語って奥が深いですね。
振り返ると、日本語の「すみません」って言葉の多義性もハンパないので、教える際には注意が必要かなと再認識。
☆☆☆☆☆☆☆
シーズン1の1話目のあらすじが前述したような内容なので、緊迫感があり登場人物の話すスピードは決して遅くないのですが、まあこういう感じで聞き取れたりもするってことなんですよね。
それともう1つ思うのが、語学学習ってこういう個人の趣味に端を発しても進められるってこと。
エンタメを楽しみながら学習もできる的な。
日本語教育もそうなっていくような気がしています。
ほな、さいなら!
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2020年02月20日
「中級日本語」の改訂版をきちんと読んで、新人時代に旧版で授業できてよかったと思った理由2つ
今日夕方に、丸善ジュンク堂書店の日本語コーナーに行ってきました。
メインの目的は違ったんですが、なぜかふと「中級日本語」の新番が目に入ったので初めてきちんと読んでみました。
すると、あることに気がついたんです。
それは、
旧版には無かった、文型の意味が教科書の中に載っていた
ってこと。
いや〜これにはビックリ!
この「中級日本語」っていう教科書は、私が新人時代、具体的には日本語教師になって半年後に使用しなければならなかった教材で、日本語教師勉強会でもこの教科書を取り上げたことが何度かあります。
なので、勉強会で取り上げたタイミングで、現在改訂版をお使いの先生が実際に持ってきてくださり、私もサラッとは読んだんですが、このことには全然気づいていませんでした。
一方、旧版はこんな感じ。
例文以外何にも書いてません。
私はつくづく、新人時代に旧版で中級を教えることができて本当によかったと思います。
そしてそのことは、新人時代に改訂版を使わなくてよかったとも言えます。
理由は2つ。
1 意味が書いてあるとそれを鵜呑みにして、自分のアタマを使って0ベースで文型を分析する機会を失うから
これ、日本語教師の成長にめっちゃ大きな影響を与えます。
特に、新人の日本語教師の場合、教科書にそういうふうに書いてあったら無批判にそれを鵜呑みにし、その説明を信じてしまうのは無理からぬこと。
でも、私の経験によると、自分のアタマで考えて初めて気付く文型の意味もあったし、そこから派生してより良い例文を思いつくこともありました。
そのおかげで、スピードは他の先生方より遅かったかもしれませんが、日本語教師として成長できたと私は考えています。
つまり、最初から文型の意味が書いてある教科書を使わないといけない状況で、その説明を最初から無批判に信じちゃうと、教師としての成長の機会損失が発生するってことなんです。
むやみやたらと教科書を疑えとまでは思いませんが、特に新人の先生や経験の浅い先生は、ちょっと自分のアタマを使って0ベースで考えてみてはいかがでしょうか?
まあ最初は本当に大変で、そこからどう手をつけていいのか五里霧中でしたが、先輩の先生や周りの先生に色々教えてもらったりしながらなんとかやっていました。
ただ大変さはハンパないですが、そのコストを大きく上回るリターンを得られたのも事実。
2 授業で教科書の使いづらさを感じるから
私は今日中級日本語を読んで、この教科書を使って授業している様子をイメージしてみたんですが、多分使いづらいって感じるだろうなって思いました。
その使いづらさは2つあります。
・オリジナルの導入がやりにくくなる
私は文型によって、帰納的に導入したり演繹的に導入したりするのですが、教科書に意味が書いてあると帰納的な導入が不可能になります。
どういうことかというと、
最初に例文をいくつか提示 → 学生に共通点を考えさせる → 文型の意味を考えさせる → 文型の意味を確認する
って流れが不可能になるってこと。
だって、もう書いてあるんだもん。
2つ目の使いづらさ。
・意味の説明が単純化されすぎているきらいがあり、私の分析とは異なっていたりズレていたりする
全ての文型の意味説明を読んだわけではありませんが、私が今日読んだ限りにおいては、その説明が単純化されていると感じました。
そのせいなのか、私のオリジナルの文型分析の意味とは食い違っていたりズレていたりしたので、そうなるとその教科書を使って授業を行うのは難しいのかな、と。
現実的には、教科書の意味説明を一部修正したり他の意味や制限を追加したり削除したり、っていうことになりそう。
あまり教師がそういうことをすると、学生の教科書に対する信頼が失われてしまう恐れがあります。
☆☆☆☆☆☆☆
ここ最近、特に中級以上のテキストで意味が書いてあるものが増えてきた気がしていて、そうなると特に1の観点で今は新人の先生が成長しづらい状況なのかな、って感じます。
そういう先生は、意識的にその学校で使われている教材以外も分析したり、勉強会に参加したりしていかないとなかなか成長には繋がらないかもしれませんよね。
授業や授業準備をやっているだけでは、日本語教師は成長しづらい時代なのかもな、と。
ほな、さいなら!
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メインの目的は違ったんですが、なぜかふと「中級日本語」の新番が目に入ったので初めてきちんと読んでみました。
すると、あることに気がついたんです。
それは、
旧版には無かった、文型の意味が教科書の中に載っていた
ってこと。
いや〜これにはビックリ!
この「中級日本語」っていう教科書は、私が新人時代、具体的には日本語教師になって半年後に使用しなければならなかった教材で、日本語教師勉強会でもこの教科書を取り上げたことが何度かあります。
なので、勉強会で取り上げたタイミングで、現在改訂版をお使いの先生が実際に持ってきてくださり、私もサラッとは読んだんですが、このことには全然気づいていませんでした。
一方、旧版はこんな感じ。
例文以外何にも書いてません。
私はつくづく、新人時代に旧版で中級を教えることができて本当によかったと思います。
そしてそのことは、新人時代に改訂版を使わなくてよかったとも言えます。
理由は2つ。
1 意味が書いてあるとそれを鵜呑みにして、自分のアタマを使って0ベースで文型を分析する機会を失うから
これ、日本語教師の成長にめっちゃ大きな影響を与えます。
特に、新人の日本語教師の場合、教科書にそういうふうに書いてあったら無批判にそれを鵜呑みにし、その説明を信じてしまうのは無理からぬこと。
でも、私の経験によると、自分のアタマで考えて初めて気付く文型の意味もあったし、そこから派生してより良い例文を思いつくこともありました。
そのおかげで、スピードは他の先生方より遅かったかもしれませんが、日本語教師として成長できたと私は考えています。
つまり、最初から文型の意味が書いてある教科書を使わないといけない状況で、その説明を最初から無批判に信じちゃうと、教師としての成長の機会損失が発生するってことなんです。
むやみやたらと教科書を疑えとまでは思いませんが、特に新人の先生や経験の浅い先生は、ちょっと自分のアタマを使って0ベースで考えてみてはいかがでしょうか?
まあ最初は本当に大変で、そこからどう手をつけていいのか五里霧中でしたが、先輩の先生や周りの先生に色々教えてもらったりしながらなんとかやっていました。
ただ大変さはハンパないですが、そのコストを大きく上回るリターンを得られたのも事実。
2 授業で教科書の使いづらさを感じるから
私は今日中級日本語を読んで、この教科書を使って授業している様子をイメージしてみたんですが、多分使いづらいって感じるだろうなって思いました。
その使いづらさは2つあります。
・オリジナルの導入がやりにくくなる
私は文型によって、帰納的に導入したり演繹的に導入したりするのですが、教科書に意味が書いてあると帰納的な導入が不可能になります。
どういうことかというと、
最初に例文をいくつか提示 → 学生に共通点を考えさせる → 文型の意味を考えさせる → 文型の意味を確認する
って流れが不可能になるってこと。
だって、もう書いてあるんだもん。
2つ目の使いづらさ。
・意味の説明が単純化されすぎているきらいがあり、私の分析とは異なっていたりズレていたりする
全ての文型の意味説明を読んだわけではありませんが、私が今日読んだ限りにおいては、その説明が単純化されていると感じました。
そのせいなのか、私のオリジナルの文型分析の意味とは食い違っていたりズレていたりしたので、そうなるとその教科書を使って授業を行うのは難しいのかな、と。
現実的には、教科書の意味説明を一部修正したり他の意味や制限を追加したり削除したり、っていうことになりそう。
あまり教師がそういうことをすると、学生の教科書に対する信頼が失われてしまう恐れがあります。
☆☆☆☆☆☆☆
ここ最近、特に中級以上のテキストで意味が書いてあるものが増えてきた気がしていて、そうなると特に1の観点で今は新人の先生が成長しづらい状況なのかな、って感じます。
そういう先生は、意識的にその学校で使われている教材以外も分析したり、勉強会に参加したりしていかないとなかなか成長には繋がらないかもしれませんよね。
授業や授業準備をやっているだけでは、日本語教師は成長しづらい時代なのかもな、と。
ほな、さいなら!
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